帰雲山〜猿ヶ馬場山〜御前山  (スノーシュー)

 

3月20日 〜 22

 

堀内 岩間  みー(記)

 

 

 

 

 300名山を目指す堀内さんと猿ヶ馬場山に行く事になった。

朝6時過ぎに堀内さんを竜王駅に迎えにいき出発。

強い雨が降っていたが北陸の天気は早いうちに回復するというので、

安房トンネルを越えて白川郷へ向かった。

 一昨年前は御母衣ダムの淵を延々と走り、やっと白川郷だったのだが、

中部縦貫道は高山まで伸び、猿ヶ馬場山の下を通るトンネルも開通した。

高山から白川郷まで30分足らずで到着。

竜王からの距離は230キロ程度だった。 

3月20日(祝)霧

  雪が少ないのでダム近くの林道でできるだけ奥まで入って尾根に取り付こうと思ったが、

 林道は荒れているし雪も深くなってきたので引き返し、萩町集落にあるお寺の裏から入る事にした。

 世界遺産の萩町集落には合掌造りの茅葺の家がたくさんあった。

 朝も早いため人も少なく静かなで、車を路肩に停めて写真を撮ったりした。

 茅葺屋根のお寺の脇の林道を上がっていくが、すぐに通行止めとなった。路肩が広くなった所に車を停めて出発。

  スノーシューを背負って林道を歩いていく。2つ目の分岐を左に入ってすぐに尾根に取り付いた。

 藪は邪魔で足元はネマガリで滑りやすい急な斜面を登って尾根に取り付いた。

 私達のすぐ後に出発したパーティーは、尾根に取り付かずに林道を歩いていくのが見えた。

 尾根沿いには所々赤テープがあったが、山スキーの人がとてもスキーを担いで登るとは思えない尾根だ。

 1時間半くらい歩いた頃、雪が十分地面を覆うようになってきたのでスノーシューをはいた。

 一旦広い林道を横切ると傾斜は少しゆるくなり、相変わらず薄い藪の尾根を登っていくと、

やがて素晴らしいブナの森になり、藪も気にならなくなる。

忠実に尾根を辿っていくと、左下からくる沢筋と合流した。

  その沢筋を登ったトレースがあり、スキーの跡も微かにある。どうもこの沢筋のルートが一般的なようだ。

 まもなく、朝見かけた林道を歩いていったパーティーと尾根沿いを先行していたパーティーを追い越した。

 その先にはトレースがなく、今日は私達を含め3パーティーが入っているようだ。

  1472mピークの一角の平らな所にテントを張る事にした。

 先に行ってテントを張るため、少々疲れたブロック職人の堀内さんをおいてきてしまったので、

 私達だけでは立派なブロックは積む気もなく、北側だけブロックを積んだ。

  夜は予想より寒く、ダウンも着て寝た。夜に少し雪が降った。

 

 <コースタイム>

  林道入口辺り(10:47)−(13:25)林道−(15:17)テン場

 

 

 3月21日(土)快晴

  クラストしているうちに出来るだけ進みたいし、トレースがない先頭を歩きたいので朝4時に起きた。

 5時頃には明るくなり、今日は雲一つない快晴である。

 昨日は霧ではっきりしなかったが、ブナがとても美しい森で、山スキーのメッカというのがよくわかる。

 いくつものスキーのシュプールが微かに残る広い尾根を、スノーシューをつけてサクサクと音をたてて登っていく。

 クラストしていてトレースがつかない。霧が出て帰り道がわからなくなると大変なので、赤テープを付けながら登った。

 帰雲山を過ぎて、猿ヶ馬場山に近づくとブナに混じってシラビソも出てくる。

  猿ヶ馬場山の山頂はだだっ広く、少し登るとまた先に高い所が見えての繰り返しで、なかなか着かなかった。

 山頂には少し潅木があるが、白山山塊も北アルプスも一望できて素晴らしい。

  しばし休んで御前山に向かう事にした。

 堀内さんは300名山以外には興味はない。テントに戻ってブロックを積みたいというので、私達二人で行く事にした。

 「ブロックを積みたい」という欲求は私には理解できないが、本人はかなり好きらしい。

  ブロック積みを任せて、私達は御前山に向かう。

 猿ヶ馬場山を過ぎると、緩やかだった広い尾根から、雪尻が出た細い稜線に変わる。

 風もなく快晴の中を、誰の足跡もない稜線を歩くのは本当に気持ちいい。これが春山の醍醐味だ。

 雪尻に気をつけながら、いくつものアップダウンを越えて、御前山は以外と遠かった。

 今日はスノーシューではほとんど沈まなかったが、雪の状態やツボ足で歩いたらもう少し時間がかかるだろう。

 御前山は一等三角点である山で、眺望は猿ヶ馬場よりも素晴らしい。

  雪が腐る前に少しでも戻りたいので長居はしない。自分達が付けた赤テープを回収しながら引き返す。

 来た時よりも少しずつ雪が柔らかくなってくる。途中で昨日会ったパーティーとすれ違った。

 猿ヶ馬場山に戻ると、たくさん人がいてびっくりした。

 スキーのトレース、スノーシューの跡、ワカンやツボ足で歩いた跡は北八ヶ岳のようだった。

  テン場に戻ると私達のテントは立派なブロックで囲まれていた。 素晴らしいブロックの写真はこちらから

 暖かい日差しの中で飲むビールはとても美味しい。明日の天気予報は明け方から雨なのが信じられない快晴の一日だった。

 夜には南風が強くなったが、堀内さんがブロックで四方を囲んでくれたのでテントの中は快適だった。

 

 <コースタイム>

  テン場(:28)−帰雲山(:04)(:30)猿ヶ馬場山−(10:42)御前山−(12:58)猿ヶ馬場山−(14:20)テン場

 

素晴らしいブナの中を歩く

猿ヶ馬場山の山頂

 

 

 3月21日(日)雨

  なんとか雨が降り出す前に下山したいと思って今日も4時に起きたが、出発前から雨が降り出した。

 少しガスが出ているが、これだけ踏み固められていれば迷うに迷わない。

 今日は、来た時に途中で合流した沢沿いの道を下る事にした。こちらは藪もなく歩きやすかった。

 途中で林道に出て、しばらく沢沿いに下っていく。沢沿いに林道があるようだ。

 最後は歩いていくと、私達が尾根に上がった林道の所に出てきた。

  車に戻る頃には雨風ともに強くなってきた。

 せっかく白川郷に来たのだから、少し散策しようと車を停められる所を探していたら「白川郷の湯」があった。

 いったい朝何時からやっているのだろう。まだ8時を過ぎたばかりなのに入浴できた。(¥700)

 内風呂はプール並みの塩素臭さで花粉症の私には入る事ができなかったが、外湯はヌルヌルのいいお湯だった。

 傘をさして集落の中を少し散策したけれど、足元は濡れてしまうし、一軒一軒家を見てもすぐに飽きてしまう。

 みたらしだんごを食べて岐路についた。

  今日は松本を12時頃に通過できたので「さかたのおやき」を買う事ができた。

 近くの酒蔵も蔵開きだったので、ここにも寄って「アルプス正宗」を買って帰った。変な名前だけど美味しい。

 

 <コースタイム>

 テン場(5:58)−林道入口辺り(7:57)

 

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