森吉山 桃洞沢・赤水沢 (沢登り)

 

       2005.7.1617 十班(山梨アルパイン) 岩間  田中 みー(記)

 

 甲信越は、3連休中に梅雨があけないといううわさだったので、思いきって秋田まで行く事にする。

15日仕事が終わってから山梨を出発。都内では思いっきり渋滞にはまり、

東北自動車道もトラックが多くて運転しにくい。交代で夜通し運転し阿仁の道の駅まで来る。

 

16日朝8時半、折角遠くまで来たので明日ゆっくり沢に行く事になり、だったら今日はどうしよう?

桃洞沢の帰りに森吉山にゴンドラで行ったと言う記事を思いだし提案するが、誰も森吉山自体を知らない。

道の駅に森吉山のポスターがあり、道路地図を見ながらゴンドラ乗り場に行く。

 

 東北の山はほとんど来た事がないので、不思議な気がした。なだらかな山が続く。

杉と云えば嫌な植林しか知らなかったが、ゴンドラから見える天然秋田杉は広葉樹に混ざって生えている。

1500mない山なのにお花畑があり、チングルマの残骸もたくさんある。

1時間くらいで森吉山の頂上に着く。森吉山から下りた後、桃洞沢に移動する。

 

 沢登り入門とガイドには桃洞沢出合いに幕営可能とあるが、地形が変わったのかあまり良くない。

沢登りは水の心配がいらないと思いこんでいたが、ここの沢の水はとても飲む気になれないが、

対岸に水が涌き出ているところを見つけ、整地してタープを張る。

焚火ができて良かったが、駐車場で泊まったほうが無難だと思う。

 

 

 さて今日はいよいよナメしかないと言ううわさの桃洞沢。

桃洞沢出合いからしばらく遊歩道を歩くが、確かにナメ床だか泥が溜まっていて沢はあまりきれいでない。

秋田まで来たけれどハズレだったかと少し心配になるが、沢はすぐにきれいになり沢に下りる。

 ダイナマイトで破壊しながら作った遊歩道を歩き桃洞滝につく。

埼玉から来たというパーティーがロープを出しているので、少しゆっくりする。

この滝は出だしが少し悪いが、上部は大行沢にもあった例のステップが刻んである。

私はこれはマタギが刻んだと思っている。

 

その後も延々となだらかなナメが続くが両岸はずっとスラブで山側には上がることができない。

とにかくナメで笛吹川の東沢の千畳のナメというが、あれは1畳のナメではないかと思ってしまう。

支流もすべてナメである。寄り道をしながらナメを楽しみながら歩いていると、

先程の埼玉パーティーは829mの本流との分岐で休んでいる。分岐には赤リボンがぶら下がっていた。

私達はまた寄り道をして本流に行ってみるが、勿論どこに行ってもナメで小滝には例のスッテプが刻んである。

 

ずっと行っても仕方ないので引き返し支流に入る。

支流は枝分かれしながらどんどん細くなっていく。ここで真直ぐ南東に向かわなければならなかったと思う。

直角に右から入って来ている枝沢に入ってしまった。938mの峰のコルより南に出てしまったようだ。

根曲がりも背丈より高く密集して視界はとても悪い、顕著な尾根や目印もない。

深みにはまる前に引き返そうかと思ったが、藪こぎらーの十班がいてすごく頼りになる。

地図とコンパスで方向を確認しながら、根曲がり漕ぎを1時間近くして下りられそうな枝沢を下る。

ここも勿論ナメである。1箇所急なところがあったのでシュリング使い下るが、すぐに赤水沢に合流する。

 ここも幅広のナメで時々小滝があって軽快に思い思いに下りて行く。

「熊だ!」と十班が突然叫んだ、50メートルくらい先に熊がいたそうだ。

熊も私達に気がついて急なスラブを登って逃げていったそうだが私だけ見られなかった。

 

40mの兎滝の手前で埼玉パーティーに追いつく。懸垂で下りるそうなので先に行かしてもらう。

上部は例のステップに沿って下りられる。

下部は「下を向いて走り下る」とガイドブックに書いてあったが、歩いては下りられない。

2・3歩行くと自然に走り出す、しかも大きな笑い声が出てきてしまう。

 この先もずっとナメ・最後までナメでだんだんナメ飽きてきた。

岩魚がいたので棒でつついたり、サスケごっこをして遊ぶがやっぱり飽きてくる。本当に贅沢である。

すっかりナメ飽きた頃、右岸の登山道に上がり出合いに戻る。

 

 この沢は遊園地のようでした。寄り道せずどんどん行けば半日工程の沢だと思うが、

遠くから来た人達は思いっきり寄り道をしてゆっくり遊んだほうがいい。

私達も6時間くらい遊んだかな〜。

 

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