奥秩父:青笹尾根〜破不山〜雁坂嶺 2008.12.6−7 岩間 みー(記) |
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どこか近場で面白い所はないかと探し、今は廃道となった青笹尾根から破不山に行ってみる事にした。
雁坂トンネルができて取付が変わったらしいのでネットで調べてみたが、
青笹尾根を下ってナメラ沢を下降している記録がほとんどで、下から稜線まで抜けている記録が見当たらなかった。
地図を見る限りでは、取付は久渡沢を渡る手前の道路がカーブしている辺りではないかと思った。
12月6日(土) 晴れ
6時に起きて雁坂トンネルの駐車場に向かう。
西沢渓谷を過ぎループ橋を過ぎたあたりから、車の中から取付らしき物がないか見ていると、
予想通り、久渡沢を渡る手前のカーブの所に階段がついていて尾根に出られる所があった。
雁坂トンネルの駐車場に車を停めて、車道を少し戻る事にした。
歩道がついた小さいトンネルを抜けて久渡沢の架かる大きな橋を渡った所が取付となる。
階段を登って稜線に出ると、すぐ右の足元に「みとみの道の駅」が見え、なんか不思議な気がした。
ここから暫くは、切り開かれた広い防火帯の尾根が続く。
西側には鶏冠尾根が連なり、その向こうには雪をかぶった国師岳への稜線が見えて、なかなか素晴らしい景色だ。
間もなく猟犬を2頭連れた猟銃を持ったおじさんが追いついてきた。下の沢筋で仲間が待機しており、上から獲物を追い込むそうだ。
この時期であればナメラ沢を登る人はあまりいないと思うが、ナメラ沢を登るなら気をつけた方がいいかも。
甲府盆地から見える奥秩父には山頂にしか雪がないように見えるが、北面では1500m過ぎから雪が残っていた。
1657mのピークを過ぎると防火帯は終わり、突然、背丈より高い笹薮が立ち塞がっていた。
獣道を拾い、笹をかきわけながら進む。これが後どれだけ続くのか?気持ちが重くなるが、そんなに長く続かずホッとした。
目印は無いに等しいが、時々思い出したかのように木に赤いペンキがつけられていた。
その後も明確な踏跡がない尾根を高い方へ高い方へと登っていく。
1859mのピークを過ぎると雪はモナカ状になり、踏み込むたびにズボズボはまり疲れる。
最後の小ピークを過ぎると傾斜がきつくなり、雪がクラストしているのでアイゼンをつける。
雪はやがて新雪に変わりモナカ雪から開放されるが、踏跡が雪で隠れてしまっているため、藪の薄いところを選んで直登していく。
潅木はザックに引っかかるし、足元は岩や根っこの間に穴があいていて歩きにくい。
潅木帯を抜けると、岩がゴロゴロした開けた所に出る。登ってきた稜線が良く見える。
もう一度、軽い潅木帯になり、そこを過ぎると登山道がある稜線に出た。西破不山頂のすぐ脇だった。
稜線は誰か歩いているだろうと思っていたがトレースはなかった。
雁坂峠に向かう登山道は標高をほとんど変えることなく、ダラダラ続く。
雁坂嶺を過ぎて少し下るとトレースが現われた。ここまで来て引き返したようだ。
雁坂小屋についたのは16時過ぎ。薪ストーブのある冬期開放小屋に泊まらせてもらった。
沢の焚き火と勝手が違い、火をつけるのに苦心したが、ストーブの上に雪を置けば水になるし、日本酒を置けばぬる燗になり快適だった。
<コースタイム>
雁坂トンネル駐車場(07:58)−1657ピーク(09:41)−1859ピーク(10:53)−西破不山(15:23)−雁坂小屋(16:03)
12月7日(日) 晴れ
今日は下るだけなので朝7時まで寝て、ゆっくり出発。
雁坂峠までは、クラストしているのでアイゼンをつけていく。
峠の南面は陽射しが暖かく、雪はほとんど残っていなかった。
狩猟のおじさん以外には誰にも会わず、人が多い奥秩父とは思えない静かな山行であった。
また、青笹尾根は途中に藪はあるものの、予想よりずっと面白く、いいトレーニングにもなった。
手近に登れる雪の稜線なのに、どうしてあまり登る人がいないのか不思議だと思った。
<コースタイム>
雁坂小屋(9:00)−雁坂トンネル駐車場(11:50)