白山山塊 

   ブナオ峠〜笈ヶ岳〜

     三方岩山〜白川郷

 

        2007年5月3日〜5日

 

        岩間 堀内 みー(記)

 

 

 

 大門山頂上からこれから行く稜線を眺める ⇒

  

 

  白山山塊には一度も行った事がなかったので、岳人の春山の記録を参考に縦走する事にした。

 地図を調べていたら、200・300名山を4つ通るので、300名山をやっている堀内さんを誘う。

  5月2日の夜、仕事が終わってから山梨を出発。

 ぶつ切りに開通した高速道路を使って、高山経由で4時間半でブナオ峠林道入口の西赤尾に着く。

 林道入口近くの「ささら館」という道の駅みたいな所にテントを張って仮眠。

 通行量が少なかったので良く眠れたが、ツバメの巣の近くだったので朝はツバメが賑やかで目が覚める。

 

 5月3日 (晴れ)

  林道入口のゲートに車を停められず、少し戻って、合掌造りの岩瀬家見学用の駐車場に車を停める。

 林道は5月31日まで冬期通行止めなので、ここから歩く事になる。

 地元の山菜採りの人達が何人もいた。私達も山菜を採りながら長い林道を歩く。

 たらの芽・ウド・コゴミ、山梨では見られない立派な山菜が溢れていた。酢味噌を持ってくれば良かったと後悔した。

  林道には雪がほとんどなかったが、ブナオ峠に着くと雪があり、登山口あたりは雪が溶けていてビチャビチャの雪だった。

 なだらかな尾根は、夏道が出ているところもあるが快適。

 大門山に向かう途中で、私のストックが折れてしまったが、

 折れた所に竹ペグをあてガムテープをぐるぐる巻きにしてもらい、とても助かった。

  大門山分岐に荷物をおいて往復する。山頂へは、雪がしっかりついていたので登りも下りもあっと言う間だった。

 山頂は一面の雪で、今から行く稜線がよく見えたが、山の名前はわからない。

  大門山と見越山のコルも良いテン場になるが、先は長いので進む事にする。

 見越山へは、夏道もところどころ出ている急な小ピークを2・3つ越えて到着。

 下りは南面なので、雪がない急な下りを下って奈良岳とのコルに着く。

 コルの東面に風が避けられる平らな所にテントを張るがラジオが全く入らず、気象状況が聞けなかった。

  夕食は、林道で採った山菜も食べた。

 

 (コースタイム)

  西赤尾(:30)ブナオ峠(:10)大門山分岐(:20)大門山往復(:20)見越山(:15)奈良岳とのコル

 

 5月4日 (晴れ)

  今日は、朝4:00に起きて6:00前に出発。

 雪はさほどクラストしていないが、荷物を軽くしたいので、堀内さんと私はアイゼンをつける。

 奈良岳はなだらか山で、頂上から少し下った所に先行者の泊まった跡があった。奈良岳を下ったコルにも広いテン場があった。

  コルから小ピークへの登り返しは、少しトラバースして急登を登るのでピッケルを出すが、

 実際登って見ると、雪も柔らかくピッケルなしでも大丈夫だったと思う。

  ここを越えると尾根は逆くの字に曲がり、大笠山に向かう。大笠山直下も広くなっており、テントを張った跡があった。

 大笠山の頂上から、遠くに白い大きな山が見え、あれが笈か!と焦るが白山だ。白山はとても大きい。それに比べると笈は小さいな〜

 白山への稜線も良さそうだが、車で行った場合、どうやって車を回収するか?が困ってしまう。

 登山道は、大笠山までしかない。ここからが残雪期にしか行けない山となる。

  大笠山からの下りは、左側がきれいに雪尻になっている。

 何度か根曲がりのブッシュを横切ったり下ったりするが、私はアイゼンを履いているので楽。

 スーパー林道から北上して来た単独の男性が、「笈への登りは、左側は雪の状態が悪いので、右の雪面がいい」と教えてくれた。

 先行パーティーが、右の雪面を登っているのが見えた。

  笈ヶ岳へは雪の急登で、根曲がりのブッシュの通過が何度も出てくるので、私はストックをやめピッケルに持ち帰る。

 沢登りをする人にとっては、大した事のない藪であるが、なかなか進まない。

 笈の頂上には、中宮温泉から登って来た人達が沢山いた。冬瓜山のあたりも登山者がたくさん歩いているのが見える。

  頂上から冬瓜山までの分岐は、踏み固められたトレースがついている。

 冬瓜山との分岐には赤テープが数個付けてある。中宮温泉へは右の尾根。私達が行く仙人窟山へは真っ直ぐとなる。

 急斜面を下ると、5mくらいのギャップがある。しっかりした潅木を伝って下りる。

  しばらくして振り返ると数人が急斜面を下っており、

 間もなく単独者が追いついてきて「中宮温泉はこっちでいいですか?」と聞いてきた。

 「こっちは岐阜側のスーパー林道に降りる」と説明すると引き返して行った。私達の後をついてきてしまったようだ。

 ギャップをロープを出して下りているパーティーは、三方岩山トンネルにテントを張って笈をピストンだそうだ。

  仙人窟山はなだらかでテントを張れそうだが、明日の天気が心配なので先に進む。

 ここからの下りは雪の上とヤブを歩くが、ヤブには踏み跡があり、笈までのヤブに比べたら問題にならない。

 国見山を越えてからテントを張りたかったが、もう限界と言うので、国見山直下の大きな木が生えた林の中にテントを張る。

 

  

  

大笠山への登り

コルで一休み

雪のない笈頂上

 

  (コースタイム)

  奈良岳とのコル(0:30)奈良岳(2:30)大笠山(3:30)笈ヶ岳(2:15)仙人窟山(1:30)国見山直下

 

 5月5日 (晴れ)

  今日は、昨日とは違って穏やかな尾根が続き、広い頂上の国見山に着く。

 瓢箪山からは尾根は右に曲がり、スーパー林道が左下に見える。

 このあたりはスーパー林道から上がれる遊歩道があるようで展望台があり、三方岩山へは一登りで到着。頂上には雪がなかった。

  対面の中腹をトラバースして馬狩ゲートへと続く登山道を踏み跡と夏道を拾いながら下る。

 次の小ピークから馬狩ゲートまで迎えに来てもらおうとタクシー会社に電話するが、予約でいっぱいと言われた。

 帰りの林道歩きかとガッカリ。ゲート脇の沢で水を補充して林道を歩いて下りる。

  林道からは、世界遺産に登録された合掌集落が一望でき、ウヨウヨ人が歩いている。

 帰りに寄りたいと思っていたが、人ごみを見たら行く気がしなくなった。

 鳩谷のコンビニで軽くお昼ご飯を食べて、白川村役場前のバス停までさらに10分歩く。

  渋滞でだいぶ遅れた加濃越バスに西赤尾まで乗る。とても親切な運転手さんだった。

 駐車場前の赤尾館という旅館の温泉に入る。¥600

 帰りも渋滞に会わず、4時間半で山梨に着く。

 

 

 

  

歩いてきた稜線が見える

 

三方が岩の三方岩

 

  (コースタイム)

  国見山直下(0:15)国見山(:30)瓢箪山(:20)三方岩山(:20)スーパー林道馬狩ゲート(:15)鳩谷コンビニ

 

 

   

                雪山の記録