八ヶ岳 真教寺尾根〜赤岳 

 

  2007.3.3−4

 

          岩間  みー(記)

 

 

 

 

  真教寺尾根上部をダブルアックスで下る ⇒

 

   志賀高原の山に行く予定だったが、いろいろ事情があって近場の八ヶ岳に行く事になった。

 赤岳東面の県界尾根・真教寺尾根は、いずれも一般登山道であるが、

 雪がつくと面白くなるとの岩間の提案で、真教寺尾根から赤岳に行く事になった。

 

  3月3日 晴れ

  朝はゆっくり起きて出発。美し森の駐車場で支度をしていると、山梨アルパインの3人にあった。

 彼らは、地獄谷に入って3日は展望台の滝にアイスクライミングに行くと言っていた。展望台の滝はどこにあるのだろう。

 4日の事は聞いたけど忘れた。他にも2パーティーは地獄谷に入っているようだ。

 

  駐車場から20分くらい歩いた右手にペンションが見えて来た辺りまで来ると、想像以上に雪があった。

 ワカンは持っていたが、スノーシューの方がいいだろうとスノーシューを取りに車まで戻る。

 羽衣の池までは雪があり、スノーシューを取りに戻って良かったと思ったが、だんだん雪が減ってきた。

 それでも雪のある所を選びながら歩いて行くが、スキー場のリフトが近づくと雪はほとんどなくなってしまった。

   登山道はリフト降り場のすぐ脇を通るが、このリフトは登山客を乗せてくれないそうだ。

 スキー場から下を眺めると、すぐ下に駐車場が見える。スキー場から歩いた方が楽な事に、なぜ気が付かなかったのか?

  岩間はスキー場上でスノーシューをはずし背負う事にしたが、私は背負いたくないのでスノーシューで地面を登る。

 賽の河原を過ぎて、牛首に向かう尾根に入ると雪が急に増え、岩間は折角はずしたスノーシューをまた履く事にした。

 ここから先は足跡がだいぶ減り、今日歩いた単独者のツボ足の跡があるが、やはりツボ足は大変そうである。

 ここまで来るとスノーシューは有効である。

  牛首山を過ぎて扇山まで行く。今日はここまでとして、テントを張る。扇山の頂上はとても広くて平らな良いテン場だ。

 

  コースタイム

    美し森駐車場(1:40)スキー場上(2:00)牛首山(0:20)扇山

 

  3月4日 曇時々晴れ

  朝5:00に起きる。補助ロープ6mm25m×2本(今年は7mmに買い替える)を持ち、

 ハーネスはあらかじめ付けておく。

 しばらくは緩やかなアップダウンが続くし、ツボ足では沈んでしまうのでスノーシューで出発。

  標高が2400mくらいから傾斜がだんだんきつくなり、先行者の足跡のみになる。

 スノーシューで登るには問題ない傾斜だが、下りにくい傾斜なので、スノーシューをデポしてアイゼンにかえる。

  2500mくらいで先行者に追いつく。一日で上まで抜ける予定が抜けられず、

 前日は2400mあたりの潅木の中で、ツエルトに泊まったそうだ。

 トレースのお礼を言って先頭交代をする。ストックからダブルアックスに持ちかえる。

 私もなんとか先頭を行こうとするが、傾斜はきつくて息が切れる。わずかに進んだだけで交代してもらう。

  天狗尾根に取り付いているパーティーが見えたので「オーイ」と呼んで手を振ったら手を振り帰してくれた。

 真教寺尾根からみる大天狗はとても大きい。

  傾斜は更に増し、正面に岩稜が見えて来た。ここからが核心。例年の寒さであれば、岩稜は見えていないそうだ。

 岩稜の間の雪壁をダブルアックスで登るが、ここをダブルアックスで下れるか?心配になる。

 ハイ松がでているので、ハイ松で支点を取って懸垂する事は可能だからと先に進む事にした。

 やがて、左上に標識らしき物が見えたので、少しトラバースして左上にむかって更に登ると、縦走路にぶつかった。

 驚異的な暖冬と云えども、最後の鎖場以外は、20センチくらい鎖が出ている所が2箇所あっただけだった。

 

  はしごを登って頂上に向かうが、ガスで全く見えない。なんだか見覚えのある人工物がある。

 頂上のはずだが登山道は下っている?ガスっているので「まあいいや」と引き返し始めた。

 下り始めてから、ガスが晴れて頂上の小屋が見えた。私達は頂上にいたのだった。

 

  登っている時は「怖くて下れないかも?」と思っていたが、だんだん怖さが麻痺してきたので

 縦走路からダブルアックスで下り始める。岩間はサクサク降りていくのだが、私は手が疲れる。

 刃先を壊したくないと軽いバイルを持ってくるのをケチった事を後悔した。

 下り始めは明確な尾根がなく、右左の両側とも尾根っぽくなっているが、右側はすぐに斜面に吸収され谷に向かう。

 今回は、自分達のトレースがあるので下降の心配はなかったが、

 積雪期に真教寺尾根を下降路に使う場合は、ガスっているとわかりにくい。

 傾斜は少しずつ緩くなり、2500mくらいまで下ると、前向きに下れるようになってホッとしたのもつかの間、

 今度は、4月中旬の気温で雪が腐りだし、ダンゴになるし、ズボズボはまる。

 スノーシューをデポした所に戻り、スノーシューに履き替える。

 腐った雪から開放されるが、ここからが長い。扇山までの登り返しも長くて辛い。

 

  テン場に戻ると「ここで、もう一泊したら楽なのに・・・」と思うが、仕方ない、明日は仕事だ。

 昨日よりも更に雪は溶けて少なくなっているので、賽の河原の手前でスノーシューをはずすが、

 時々、股まではまってしまいウンザリしながら下る。最後までスノーシューで下りられればいいのだが。 

  スキー場から下は、更にウンザリするダラダラと長い道を下り、やっと駐車場に戻る。

 振り返ると赤岳は遠い。疲れるの当たり前かと思う。

 

  コースタイム

   扇山(2:40)縦走路(0:20)赤岳(2:30)扇山(1:20)スキー場(1:10)美し森駐車場

 

 

  今回は、高根の湯¥700に始めて入る。加水・加温・循環・塩素消毒と全てをやり尽くしているが、

 花粉症の鼻に影響のない程度の塩素臭だった事だけは許す。 

丘の公園のお風呂は、一部掛け流しで¥750(でも入った事がない)

 

上部とは違って緩い傾斜をスノーシューで登る

赤岳は遠かった

   

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