穂高周遊
<行き先> 西穂高岳〜奥穂高岳
<山行日> 2009.09.15(火)
<天 気> 雨
<メンバー> M本(単独)
<コースタイム> 河童橋〜西穂山荘 2:50
西穂山荘〜奥穂高岳 8:15
奥穂高岳〜上高地登山口 4:20
西穂〜奥穂の日帰り周遊を考えていましたが、
沢渡〜上高地間のバス営業時間内に回ってくることは・・・
好天の下で何のロスもトラブルもないことが条件・・・
残念ながら天候に疑問があり条件が整わないため、
上高地内に前夜泊しての一日周遊となりました。
14日
夕方に上高地に入り小梨平キャンプ場泊ということで、梓川の辺で細流を聞きながら存分に飲む。
こんな予定でしたが、膳から少し離れ憧れの山河を眺めていると、カラスにサラダをパックごと奪われてしまいました。
平和な日々の中で警戒心をすっかり失っていたことを反省し、苦い酒となりました。
それとは逆に、上高地のおサルさんはなんてかわいいのでしょう。
カメラの起動が遅く近くで撮影下来ませんでしたが、親子4匹で私のすぐ近くを楽しそうに通り過ぎて行きます。
近い将来は人間と一緒にキャンプしそうな親近感です。
その夜は星が見えず、明日の快晴は望めそうもない空でした。
15日
0:00 怒りさめやらずその夜はよく眠れないため、予定よりだいぶ早い午前0時にテントを出て、
西穂高岳登山口から西穂山荘を目指します。
真っ暗な登山道を1.5時間ほど登ると雨が降り始めましたが、回復を願いカッパを着て予定通り進みます。
3:00 西穂山荘に到着
山荘の外にある温度計は5度ですが、風雨の中の体感は零下です。 独標で日の出を迎える予定でしたが、
この際時間に余裕をもたせ3時半に早めのスタートをします。
6:00 西穂高岳
ここまで来るのもけっこうな難路で体はポカポカですが、強風と雨で顔と手は凍りそうな冷たさです。
途中、今年生まれたと思われる雷鳥に足元でプルプルと挨拶をされます。
やっと辺りの景色が見える明るさになり、行き先の山々を見ると上部がうっすらと白くなっています。
わずかに雪が降った様子ですが、雨ですぐに解けると思われるためこのまま進みます。
7:15 間ノ岳
風が強くカッパのフードが暴れ視界を妨げるためドカヘルを装着します。
とにかく顔と手が冷たく、風を遮れる場所ごとに足を止めて手を温めるため時間をロスします。
鎖場で上部からの落石(10cm前後で数個)に遭い、頭に2箇と他に4個を食らいます。
手に軽い打撲はありましたが、ヘルメットのおかげで大怪我をせずにすみました。
8:00 天狗岳
逆層スラブの登りは雨でも滑ることはなく安心して登れます。頂上での視界は無し。
その後の視界もグッと悪くなり、次の次のペンキマークが見えないため進行がさらに遅くなります。
コルで奥穂方向と岳沢方向の分岐ですが、予定通り奥穂高岳を目指します。
早朝の西穂から見た奥穂
10:25 ジャンダルム
辺り一面真っ白でコルからピークをうかがうこともできず、自分がどういう状態にあるのかがわかりません。
ジャンダルムの下部で状況を把握するに相当な時間がかかりました。
北側からの直登は我慢し、南側からの楽な登りで念願のピークに到着しましたが、何も見えなかったのが残念です。
11:30 馬の背
ロバの耳を過ぎたと思われるあたりに破片物が散乱しており、先日のヘリコプター事故の現場とわかります。
ザイルが多数張られていますが悪天のためか現場検証は行われていません。
上部を見上げるとヘリのテールローターが岩に突き刺さっており、事故の原因が想像できます。
ナイフリッジはなるほど評判通りのところですが、この天候では谷底が見えず恐怖感を味わえませんでした。
11:45 奥穂高岳
長い時間を費やし奥穂高岳に到着です。
屈指の難コースといわれるだけに長く険しい道ですが、随所に鎖が設置され、
手がかり足がかりも十分ある岩場なので、安全に楽しく歩くことができます。
誰もいない頂上は辺り一面真っ白で何も見えないため、方位盤の陰で風雨を避けながら、
以前ここから見た風景を思い浮かべて過ごします。
13:10 前穂高岳下部
奥穂からの帰りは気楽に考えていましたが、天候はさらに荒れてさながら嵐、まだ気を抜くことはできません。
紀美子平には寒さに震える青年二人と、雨風の中で小屋弁を食べる単独の方がいました。
こんな悪天に登山者がいるとは予想もしていないので、霧の向うに人影が見えた時は驚きました。
前穂は以前登っているのでパスしてすぐに下りましたが、最終バスで皆がまた一緒になります。
16:20 上高地登山口に到着
下山後、上高地内の遊歩道で道を間違い、予定していた5時のバスに乗り遅れました。
最終バスがまだあり大丈夫ですが、危険な場所は注意して歩くが何でもない所で事故が起きる、
とはこういうことでしょうか、いささか疲れも出てきました。
一日中降り続いた雨も5時頃には上がり、みごとに私のために降らしてくれたという感じです。
18:05 最終のバスの乗車客は4人。 薄暗くなるころ上高地を後にし、長〜い行動を終えました。
早出して時間に余裕をもって歩けたのはカラスのおかげだったのでしょうか?
いろんな人達や動物達の出会いや協力があって今日も無事楽しい一日が過ごせたと思います。
特に悪天となってしまった今回は、クラブで経験した沢登りや岩登りが大変役立ちました。
いつも指導して下さる先輩方にあらためて感謝したいと思います。 小梨平のおサルさん
終わり