田代発電所−転付峠−笹山−奈良田
2006.11.3〜5 (樅の木)萩ねえさん (都岳連)宮地 (雪稜)堀内
********* 概 略 ******************************
荻ねえさんの「山梨100名山」最後の笹山。転付峠からピストンではなく縦走する事にした。
縦走となれば、転付峠から水を背負わないといけないので、行動水が少なくて済む、この時期に行く事になった。
この3連休は3日間とも晴れで風もあまりなく、天気に恵まれた。
前日は土砂降りだったので、稜線には雪があるかと期待したが、雪はほとんどなし。
大門沢の降下点でさえ、岩の上に少し雪がある程度だった。
1日目 (晴れ)
車1台を奈良田にデポし、田代発電所に向かう。
昨年までは発電所まで車で入れなかったが、今年からは発電所まで行く事ができる。
転付峠の少し下の水場で、2日分と予備の水を一人5〜6リットル背負う。
転付峠から奈良田越までは、地図でみると立派な林道になっているが、かなり崩壊している。
何箇所も路面や路肩が崩れ、イカダみたいな橋がかかっていた。
今日は、林道の終点:奈良田越で泊まる。
2日目 (今日も晴れ)
笹山(黒河内岳)に向かう道は、あまり良くないが踏み跡はある。
歩いていて踏み後がなくなれば間違え。少し戻って踏み跡を探すと言った感じだ。
ただし、白河内岳あたりは、ハイマツもなく裸地のため踏み跡はない。
ケルンが立っているが、ガスが出たら稜線も少し広いので、方向がわからなくなるだろう。
ルートファインディングの修行がまだまだ足りないと感じた。
この稜線は天気が良ければ眺めは抜群。
今日は、大門沢降下点あたりで風を避けてテントを張る。
3日目 (今日も晴れ)
大門沢降下点から奈良田に下る。水は顔が洗える?ほど余ったが、非常時を考えれば仕方ない。
車を回収し無事終了。
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白 峰 南 嶺 北 部 縦 走
白根南嶺 / 白峰南嶺 どちらの表記が適切なのか解らないが私個人としては後者を推奨したい。
農鳥岳の南の大門沢下降点から山伏までとし、それ以南は安倍奥とし区別したい。
ほぼ中間点の転付峠で南部・北部に別けても罪はなかろう。
甲府盆地中心部からは櫛形山に隠され全容が視認出来ないのが残念だが、その北半分は視認でき、
農鳥岳の南の広河内岳からの緩やかな稜線は素晴しい展望の縦走を期待させる。尚、文中黒河内は笹山と記す。
行動記録
11月03日 快晴
参加メンバー全員が揃い、田代発電所まで入る車に荷物を移動し車2台で一路奈良田に向かう。
深夜なのに1台の車が後方に続く、山屋 or 地元の人 ? ・・・途中でいなくなったので地元の人と思う。
奈良田に着き駐車場を捜すが見つからず、( 企業局電気科? )の駐車場に停めようと思うが
結局は、広河内右岸の広河内橋のすぐ手前の空き地に停めることにするが、仮眠中の先客を起こしてしまい謝罪。
駐車場は広河内左岸の車道を少し入ったゲートの手前にある。( 帰路に確認。台数は数台 )
奈良田を後に1台で田代発電所に向う。
田代入口から内河内への入口は知らないと解り難い。
野生動物達を驚かせながら田代発電所に着く。発電所の入口を見送り車道を更に進む。
“登山者に注意” の標識を見ながら進むが行き過ぎたことに気が付き引き返す。
工事の為に登山道が迂回していることと登山道の入口を確認し発電所前の広場に入る。
広場は一面古い建物を壊したコンクリート片が敷き詰められテントを張る状態ではなく
階段の前の平坦な舗装部分にテントを張り一息入れ仮眠する。
(??:??)起床。
少し寝過ごした感もあるが、萩野の手作りの特性御握りの朝食を摂り、登山道入口まで車で移動する。
07:05 出発。
登山道の迂回路は短くすぐに内河内の河原に降り立つ。ここからは内河内の左岸に付けられた道を紅葉の名残の中を行く。
高巻き、桟道の繰り返しが続くが昨夜の雨で濡れた落葉でスリップしないように注意しながら進む。
桟道は一部木製の部分も残るが、大半が亜鉛メッキ製の耐久性の良い物に交換されている。吊橋の跡で小休止を取る。
ここから先も高巻き、桟道の繰り返しが続くが濡れた落葉が乾き出して来たのが助かる。
電線が急勾配で山中に延びているのをみるとまだ先は長い。
右斜面の何に使用するのか解らないパイプを過ぎたら保利沢出合は近い。
保利沢出合は草地の広場で東京電力の管理小屋がありテント数張りが可能ここで小休止を取る。
単独の男性が追い付く。
左に保利沢を別れ更に内河内の本流左岸を行く。最後の取水口を過ぎるとヨモギ沢とアザミ沢に別れる。
ヨモギ沢に少し入った尾根取り付きにて小休止とする。ここからはカラマツ林の中の緩やかなジグザグの登りになる。
あと転付峠までは緩やかなトラバースと思われる平坦地にて小休止とする。3人パーティ(男性1人、女性2人)が追い付く。
ここから左寄りに緩やかにtpラバース気味に登ると水場に着く。
テント2張りは可能である。各自、自分の行動用の水も含め6リットルを確保する。水を確保後、僅かな登りで転付峠に着く。
ここからは多少荒れていても、平坦な林道歩きと思っていたのが間違いだった事に気が付くのに時間はかからなかった。
放置されていた林道は、大半で植生が回復しているが数個所大きく崩壊している。又、一部には草一本ない砂地の広場もある。
尾根の鞍部では太い丸太を組み合わせ土を盛るという強引かつ大胆な工事の跡に驚く。
平坦と思っていた林道は結構アップダウンがある。
展望の良い場所で南アルプス主稜の山々を眺めながら途中1回の小休止の後、奈良田越に着く。
この先、テントの設営可能な場所は「白剥山」及び「笹山南峰」のみで
テント場のスペース、先行パーティーの有無、体力を考慮し奈良田越泊りとする。
奈良田越には倒壊した小屋の残骸、タイヤ、ドラムカンが放置されたままになっている。
テントは奥側に2張り、手前に1張りの3張りが可能で他は整地が必要になる。
奈良田への下降路の踏跡も確認できる。
翌朝 04:00 出発の3人パーティー(笹山往復)が奥側に、我々は手前側にテントを張る。
夕食後 18:00 前に就寝する
転付峠登山口(7:05)―(8:25)小休止(8:35)―(9:25)保利沢出会(9:35)―(10:25)尾根取付(10:35)−
(11:35)小休止(11:45)―(12:10)水場(12:30)―転付峠(12:45)―(13:45)小休止(14:00
)―(15:25)奈良田越
11月04日 快晴
(
04:xx ) 起床、本日も寝過ごす。朝食を済ませ出発準備を行う。
本日の泊りは、可能ならば大門沢小屋まで行きたいが、大門沢に下降して最初の水場、大門沢下降点の窪地も考慮する。
水は最悪雪を融かす覚悟で勿体無いが必要分を残し歯磨き、洗面に使用し破棄し極力軽量化を図る。
06:30出発。奈良田越の平坦地の北東の白っぽい幹の立木の処から登りだす。
踏跡は予想していたよりもはるかにしっかりしている。登り出してすぐ左側に倒壊寸前の小屋があるが使用不能の状態である。
樹林帯で展望のきかない中を登り、白剥山( 2237.2M)に着き小休止とする。
テントは小型(2〜3人用)なら1張りが可能である。
白剥山からも展望のない樹林帯の登りが続く。途中で小休止の後も単調な登りが続く。
周辺の樹高も低くなり、山梨県側・静岡県側供に展望も開けてくると小休止に適した平坦地の礫片の裸地に着く。
やっと前方に笹山が姿を現し、往復組も戻って来る。踏跡はしっかりしているがハイマツの枝が少々邪魔だ。
笹山は、手前の右側の台地(南峰)とは知らず、右側の正規の踏跡を離れハイマツの中を直進するが、
堀内・萩野が苦戦している内に宮地が先行し、頂上直下で今回が山梨百名山完登になる萩野の為に記念の垂幕を用意して待っている。
先行者のザックらしき物も見えるが、登り着いた所はなんと北峰。必要な物だけ持って南峰に向う。
南峰は平坦な山頂で大型のテントでも2張りは可能なテントスペースがある。
垂幕で記念写真を撮りささやかな祝杯を挙げて北峰に戻る。
先行者のザックに見えたのは測量用らしい目立つ色のシートだった。
この付近から見ると、蝙蝠岳は塩見岳の前衛峰ではなく立派な独立峰だ。
笹山北峰からの下りは左側に下りきるのがルートなのに、右の微かな踏跡に入り、尾根に忠実に進み、左側よりのルートと合流する。
白河内の登りにかかると、ハイマツ帯で久しぶりに雷鳥を見る。ほぼ冬毛に変わっている。
白河内の山頂は標識もない静かな山頂である。笹山北峰と同様のシートが敷いてある。
白河内〜大籠岳間は、広い稜線で小さなケルンが点在するのみで踏跡がない。
好き勝手にルートを取っており、視界が悪い時はルートハントに注意が必要である。
大籠岳の山頂は気付かずに通過し鞍部で小休止する。
自宅マンションのベランダから見た広河内岳は、稜線上の小ピークに見えたが、
ここから見るとかなり標高差がある。縦走最後の登りと思いつつ登り広河内岳の頂上に着く。
天気良、展望良、雪も有るので大門沢下降点付近の窪地で幕営する。
幕営作業中大門沢下降点で4人パーティーが休息中、何か思案中の様子だが大門沢に下降して行く。
周辺の雪を集め約1リットルの水を確保する。
奈良田越(6:30)―(7:20)白剥山(7:30)―(8:40)小休止(8:55)―(9:40)小休止(9:50)−(11:05)笹山(11:40)−
(13:15)白河内岳(13:25)−(14:25)小休止(14:35)−(16:00)広河内岳(16:10)―(16:40)大門沢降下点
11月05日 快晴
04:??起床。3日とも寝過ごしてしまった。
朝食後出発準備の時に農鳥岳側の稜線に人影を確認する。
6:50大門沢小屋に向け下降を開始する。広河内の河原に降り立つ手前にもテント2張り可能な場所がある。
この辺りより、右に樹林帯のトラバースとなり手摺の無い鉄パイプ製の橋(南沢)で小休止する。
更に樹林帯をトラバース気味に下降し、大門沢小屋に着く。
大門沢小屋は営業を終了しているが冬季小屋が開放されている。小屋の内部も水場もきれい。単独の男性が追い付く。
先日より先行していた男性で、昨夜は我々とそれ程離れていない所に幕営し農鳥岳を往復し、ここで食事を摂るとのこと。
大門沢小屋を出発後、山腹のトラバースで右側の斜面に我々に驚いて逃走する猿の群を見る。
他の2人は熊も居たと言うが、私は猿しか見ていない。
ここからも広河内右岸のトラバースが延々と続き、川から離れるとルートを誤ったかと思うが標識を確認し、安心し小休止を取る。
左下の平坦地に作業小屋を確認すると広河内右岸のトラバースが終わり、
吊橋で左岸に渡り、桟道をしばらく進み、再度吊橋で右岸に渡った堰堤工事の手前で4人パーティー(男性3人女性1人)に追い付く。
昨日の大門沢下降点の思案組だった。平均年齢は我々よりひと回り上、荷物大きさのわりにテントではなく小屋泊りとのこと。
広河原方面のルートは既に閉鎖されているので、戸台〜北沢峠〜両俣経由のルートで昨夜は大門沢小屋泊りとのこと。
工事の現場から車道歩きにならずやや高巻きに迂回させられ又、吊橋で左岸に渡り桟道をしばらく進み。やっと車道にでる。
途中に登山者の休憩所があり引水の設備もあるが水は涸れている。車道をしばらく歩き広河内橋脇の空き地に停めた車に着く。
田代入口まで戻り、登山口に停めた車の回収に向うのだが、悪路を警戒し、軽量化の為に1人がここで荷物と供に待つことにする。
心配していた事(排気系にトラブル)が発生するが、もはや機能していない看板の針金を有難く頂戴し応急処理を行い帰路に付く。
中央自動車道甲南I.C近くの道の駅「中道」で解散する。
三日間風は有るが快晴に恵まれ最高の山行を満喫出来ました。
大門沢降下点(6:50)―(7:45)南沢(7:45)―(8:55)大門沢小屋(9:10)―(9:55)小休止(10:00)―(11:40)奈良田
参考 1 田代発電所広場のトイレは開放されているがドアノブが不調で閉じ込められそうになる。
今後使用する方は御注意下さい。
参考 2 我々は2泊3日の計画でしたが1泊2日でも可能です。
参考 3 稜線上には大門沢下降点or農鳥を基点にした早川町の白いプラスチック製の標識がり、
ハイマツ帯は、黄色のペンキの表示がある。