墓場尻川 左俣 〜 中俣

 

             

2010/10/11(月)  岩間 田中  みー(記)

 

 

         

折角の連休であったが、あいにくの雨で日帰りの沢に行く事となった。

10月の3連休の高速道路は、酷い渋滞になる事が予想されるので、ネットで見つけた霧積温泉近くの墓場尻川に決定。

中山道をから「めがね橋」に下っているパーティーが多いようであるが、碓井峠近くに下るには車が2台必要なので中俣を下る事にした。

夕方6時に竜王役場に集合し、佐久経由で松井田妙義I.Cで下りて、霧積ダムに向かう。

ほとんど記録にはヒルの被害が書いてあったので、ヒルを避けて霧積ダムのダムサイトのコンクリート上にテントを張る。

トイレを探して歩き回ってテントに戻ってきたら、私の足にヒルについていた。まだ血を吸う前であった。

 

10/11(月)晴れ

翌朝、明るくなって外に出ると、枯葉の中でヒルが動いていたらしい。

わかさぎ釣りの地元のおじさんが「熊が多いから気をつけてね」と言ってダム湖に下りていったが、ヒルがいるのは当然と思っているのだろうか?

ダムサイトで身支度を整え、墓場尻川の林道手前の広場に車を停めて、ゲートを越えて林道に入っていく。

林道を入ってすぐの堰堤を過ぎた所から、踏跡を辿って沢に下る。

沢に入って間もなく、大ナメが現れ感激する。

石積堰堤と巨大堰堤に分断されてしまっているのが残念であるが、二口か産女川を思わせる幅広の素晴らしいナメである。

巨大堰堤を左岸から越えていき、広い河原の次に現れる7m滝を左から巻く。水量が少なければ登れるだろう。

CS滝は直登不能で、ゴルジュ手前から左岸を巻く。この巻道から杉林に向かって踏跡があり、これが帰路に林道に出る踏跡だ。

CS滝の上は平凡な河原となり、ナメが出てくると三俣となり、左俣に入る。

左俣に入って最初に現れる3段の滝が核心。

一段目は非常に脆く、凹角からボロボロ剥がれる岩を残置ピトンにシュリンゲを掛けて慎重に登る。

二段目は笑うしかないようなスラブ。岩間が空身で登り、途中でピトンを打とうとするが良いリスがなく、

フリクション勝負で立ち込み登って、ハーケンを打って後続を迎える。

スポットしている手の平にも、汗がにじんでくるようなスラブ登りであった。

三段目は最終尾の田中社長がロープを引いて滝壷をトラバースし、抜け口がこれまたホールドが乏しく勇気がいる滝だ。

しょっぱい3段の滝をどうやって越えているのか、帰ってきてからネットで見たら、左岸から大高巻きしてしるパーティーが多かった。

3段の滝の上に出ると、突然、穏やかなナメが続く。

ナメの間に雌滝と雄滝の二つの大きな滝がある。雌滝は左岸の枝沢から登って簡単に巻ける。

思わず歓声があがる美しい20m雄滝も、落石に注意しながら左岸から巻く。

ナラタケの最盛期の沢を、小滝や石積堰堤を越えていくと、右岸にコンクリートの側壁が見えてくる。

すぐに正面に土管が現れて、どん詰まりの林道となり、藪漕ぎもなく簡単に林道にあがる。

 林道を霧積温泉に向かって歩いていき、ヒルを避けてコンクリートの上で一休みしてから、中俣の下降を始める。

2万5千の地図にある!マークのガレを右手に見ながら、傾斜が緩い斜面を狙って下っていく。

中俣は藪も倒木も少なく岩もゴロゴロしていないので、ぐんぐん下っていったが、滝が一つ現れると、その後は滝の連続となる。

懸垂5・6回連続で下降していくと三俣に戻る。18mの滝は左に回り込むように潅木伝いに下りてから懸垂した。

 添道を拾いながらCS滝まで下り、杉林に続く踏跡をたどり、すぐ先の分岐を右に折れて枝沢を横切って歩いていくと林道に出る。

林道を歩いて車に戻って着替えをして、峠の湯(¥500)に寄る。強力塩素風呂であるが、お風呂に入らず帰るよりましだ。

松井田妙義I.Cに向かおうとしたら酷い渋滞だったので、臼井軽井沢I.Cに向かう山道を走り、佐久経由で帰った。

 家に帰って荷物を下ろしたらヒルがついていた。沢から戻った時、ゲート前でゆっくりしていた時に紛れ込んだのだろう。

ナメも多くて滝もあって岩魚もいる面白い沢であるが、ヒルには戦々恐々であった。

春の初めか晩秋であれば、ヒルの心配もなく林道を歩けるだろう。

 

<コースタイム>

 ゲート(6:48)−三俣(8:46)−(11:13)林道−林道下降点(12:05)二俣―(14:04)三俣―(15:09)ゲート

 

 

下部の大ナメ

中流域のナメ

斜めの柱状節理の雄滝

      

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