まさに夏山JOYだ!稜線ビバーク地

 

 

滝川:槙ノ沢・八百谷

 

   (沢登り)

 

      岩間    みー(記)

   

   2010/8/14〜16

   

          

台風一過の晴天を期待していたのだが、全国的に天気が悪く、一番天気が安定しているのが山梨・埼玉で・・・

先月、滝川上流では遭難があり、遭難救助のヘリ、テレビ局の記者達が亡くなってしまうという悲惨な事があり、

気持ちが暗くなってしまうが、滝川流域の八百谷に行く事にした。

 

8月14日(土) 曇り 一時 晴れまたは小雨

 雁坂を越え、天狗岩トンネルを過ぎ、山あざみ橋手前の路肩が広くなった所に車を停める。

道路を挟んだ谷側についている踏跡を下りていくと、水平道が横切る。

水平道を上流に10mほどいけば吊橋に続く道があったのだが、下流側にどんどん偵察に行ってしまった。

吊橋を渡って踏跡を歩いていくのだが、酷暑多湿で熱中症になってしまったようで汗すら出なくなってしまった。

荷物を持ってもらってなんとか歩き、それでもタマゴダケは収穫し、沢小屋沢手前の尾根を下り、最後は懸垂で滝川本流に下りる。

偵察と暑さで大幅に時間をロスしてしまった。素直に本流を遡行した方が早かっただろう。

滝川本流は奥秩父にしては、開けた明るい沢である。お盆前の台風の影響もなく、水量は非常に少ない。

曲沢出合手前にあった胸まで浸かるところも腰上くらいの深さで、巻道を利用しながら泳ぐ事無く、槙ノ沢出合に着いた。

釣人が多くはいるので、巻道はしっかりついていて、フィックスも張ってある。

 槙ノ沢に入ると沢は非常に荒れていて、両岸に堆積した土砂が削りとられ、沢床はグズグズしていて倒木も多い。

倒木はまだ新しく、枝が張り出していて煩わしい。

10年くらい前には、最初のゴルジュ先の左岸に明るいビバーク適地があったのだが、この荒れ様ではもうないかもしれない。

天気も心配だったし、乾いた流木が豊富にあったので、少々早いが槙ノ沢に入って10分くらいの左岸の広い所に泊まる事にした。

今年初の乾いた焚き木で、一発点火の燃え盛る焚火で服を乾かして寝たが、標高が低く藪蚊が多かった。

 

<コースタイム>

 車(8:45)−(11:23)本流―(12:02)曲沢出合―(14:22)槙ノ沢出合−(14:32)テン場

 

 

8月15日(日) 曇り 一時 晴れ

朝5時半頃に目が覚め、雑炊を食べて出発。

暫らくは砂利と倒木の荒れた沢で、途中で横切る山道もわからなかった。

最初のゴルジュにあるF1は左岸についた踏跡を少し下流側に回りこむ感じで高巻く。

ゴルジュ上の明るいテン場は崩壊せず残っていて、その少し先にも泊まれそうなところがあった。

 ナメや小滝が続くところは倒木もなくすっきりしているが、淵は土砂で埋まってしまっている。

やがて二俣となり、私達は左俣の八百谷に入る。八百谷の淵も埋まってしまって、どっぷりと水に浸かる事はない。

4mトイ状の滝は水流右脇を登り、上からロープを出してもらった。上部がホールドに乏しい。

ゴルジュすぐ先の5m滝も左から登って、上からロープを出してもらう。

三俣状になったところを過ぎ、また倒木がうるさくなってくると、右岸の高台に崩壊しや作業小屋がある。

 小滝やナメを快適に越えていくとだんだん傾斜が強くなり、15m3段の滝となる。

水流左脇を上からロープを出してもらって登るが、左手はフレーク状で脆く、右手はぬめったスローパーで慎重に登る。

この上は以前にはあっただろう倒木は殆んどなくなっていた。

 ガレ気味になった沢を登っていくと、1対1の二俣となる。

左俣はすっきりしたナメと小滝が見え南東に向かう。右俣は沢床は低いが土砂が堆積して伏流気味で南にむかう。

地図とにらめっこをし、両方の沢を少し偵察する。右俣は少しいくと左に曲がって方向を変えている。

これは素直に本流の右俣に行く事に決めて歩いていくと、すぐに土砂はなくなり沢は開けてきた。

ガレた沢筋を詰め、最後は右の伐採地にあがり、鹿道を拾って登山道に出る。

 今日は沢まで下りる事はあきらめ、水を汲み上げて、開けた稜線でタープを張る。

夕焼けを見ながら晩御飯を食べて、涼しく快適に寝る。

 

<コースタイム>

 テン場(7:35)−(8:35)八百谷出合−(11:02)作業小屋跡―(14:37)登山道−ビバーク地(15:30)

 

 

8月16日(月) 晴れ

今日は快晴で暑い。水分・塩分を充分にとりながら歩く。八百平の分岐で川又に向かう。

金山沢の源頭らしき窪地を過ぎると、まもなく水流がある曲沢の右俣が現れ、曲沢を下降する。

いったん伏流になったあと、また水流が現れる。トイ状の滝はクライムダウンできず、右岸から懸垂で下りる。

二俣あたりで地元の釣人と会うが、お盆で人がたくさん入っているので釣果は芳しくないそうだ。

右岸が岸壁になったところを過ぎ、右から沢が入り、もう少し下ると、木に赤テープが巻いてあり、川又に下りる山道入口だ。

 今日はとても暑いが本流に下らず、キノコを探しながら山道を歩くことにした。

 

暫らくはチタケしかなかったが、

トンビマイタケの群落を見つけた。

舞茸ではないので舞は踊らなかったが、

群落は3箇所あり見事であった。

とても採り切れる量ではなく、ザックの隙間に少しと、

手に提げて一株を持ち帰った。

一昨日渡った吊橋をわたり、国道まで登り返して車に戻った。

 八百谷は淵が土砂で埋もれてしまって遡行価値がぐっと下がってしまっていたが、それなりに長い沢で楽しかった。

初めてトンビマイタケも採ることができて、それなりの夏休みが終わった。

 

<コースタイム>

  ビバーク地(6:53)−(7:30)川又分岐―(8:35)曲沢―(11:58)山道―車(14:16)

 

 

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