会津駒ケ岳 御神楽沢 (沢登り)
9月20(日)〜23(水)
シルバーウィークに御神楽沢に行こうという事になった。
山梨からは、桧枝岐は遠く、確実に渋滞に巻き込まれるので、車の回収は大変だけど、奥只見から行く事にした。
19日の夜9時に竜王役場に集合し、圏央道経由で関越道に入り、小出I.Cに向かう。
沼田で秋田ツアーに向かっているAkisanに電話したら、上越市を通過中で日本海を北上しているとの事。
私達は12時半には、小出I.C近くの蕎麦屋の前の広場にテントを張り、軽くお酒を飲んで仮眠。
秋田組は、いまも運転を続けているのだろう。
9月20日(日) 曇り 時々 晴れ
朝6時前にテントを撤収し、シルバーラインを通って奥只見ダムに向かう。
袖沢林道入口がわからず、車でウロウロしてしまう。
簡易なゲートがあるかと思っていたが、ゲートというより何かの施設か工場の正門のようであった。
車をレストハウスの駐車場に車を置きにいき、立派な門を乗り越えて、袖川林道に入る。
袖川林道は、とにかく長い。2万5千の地図を対角線で端から端まで縦断している。
50分に1本休みをとりながら歩くが、一向に進まない。林道の鍵を持っているのだろう、車やバイクが入っている。
林道脇に建物が現れると、やっとミノコクリ沢出合。
ミノコクリ沢に沿って林道がぐるっと回り、林道が本流の戻ると3,40分で林道終点。
休みを入れて5時間。アブはいないけど、長くて退屈な林道歩きだった。
取水口の上は、予想以上に水量が豊富であった。
「ミチノギ沢の少し手前まで左岸に踏後がある」と釣人が教えてくれたので、その踏跡を使う事にした。
取水口から下りてすぐの枝沢をほんの少し登ると踏跡があった。
フィックスを使って沢に下りるが、すぐ先に淵があるので、その先も踏跡を歩く事にした。
しばらくゴーロを歩いていくと、左から沢が入ってきて右岸にビバークできる所があったが、
ミチノギ沢は、もう一本先だろうと間違えてしまい先に進んでしまった。
その先にゴルジュがあり、右岸の残置を使って振り子で通過する。
5mの滝が現れ、テン場があるかわからないので戻ろうかと話が出たが、
5mの滝のすぐ下の左岸に、草を倒せば充分寝られる平らな所があったので、もう少し先を見てみようと進んでいくと、
左岸が開けた絶好のビバーク適地で、先行パーティーが既に焚き火を始めていた。
戸島さんと岩間が荷物を置いてテン場の偵察に行ってくれたのだが、
先行パーティーが泊まっている所の裏手の草叢の奥に、平らな所があってブルーシートが置きっぱなしになっていた。
30分くらいして二人が戻ってきたが、テン場はなかったそうだ。
先行パーティーには、少し近いところで申し訳ないが、焚き木を集めて、食事の仕度。
塩豚を焚火で焼いて、醤油味のスープ、さつまいもや栗を焼いて宴会をしていると、岩魚の塩焼きを2尾くれた。
私は早々に寝てしまったが、3人は岩魚の骨酒を飲んで、ご機嫌でテントに戻ってきた。
<コースタイム>
奥只見湖(8:20)−林道終点(13:20)−1つ目の踏跡終了(14:02)−5m滝上テン場(15:23)
9月21日(月) 晴れ
今日は朝から寒い。ネオプレーンの靴下を履くと足が痺れる。
この辺りは殆どがゴーロであるが、とても明るくて綺麗な沢である。
綺麗だ!綺麗だ!と何度も歓声をあげながら進んでいくと有名な岩畳。
中流域の核心となるゴルジュにある2段の滝は、
上部にトラロープが残置された左岸の枝沢を登って大高巻き。
続く10mナメ滝は水量が少ないからだろう、簡単に登れた。
大釜が続くようになったところで、2人の釣人がフライを振っていた。
中門岳から下り、ムジナクボ出合でテントを張って、下りてきたそうだ。
とても大きな淵を持った小滝は、右岸の枝沢を登り、少しトラバースして、
また枝沢を下る。一見、最後は懸垂が必要になる感じだが、手掛かり足掛かりがあって下る事ができる。
途中から水が濁り出し、不思議であった。標高1450m位に雪渓が残っていて、そこから土砂が流れ込んでいた。
こんな低い所に雪渓が残っているのは驚きだった。
時間もあるので、時々、竿を出した。岩間と戸島さんが岩魚を釣ったので、私も竿を借りて1匹釣って満足。
50mナメ滝は、登ってすぐに水流を左に渡り、快適に登っていく。
落ち口の段を、岩間がロープを引いて登ると、その上はスラブが続いた。
ゴルジュの先にある10mの滝は、沢が右に折れるので、右から巻く。
ゴルジュの入口まで戻り、左岸のガレた斜面を登り、
藪を漕いでいくと踏跡が出てきて沢に下りられた。
少し歩くと右岸に絶好のビバーク適地があり、流木はないが泊まる事に。
焚木を集めていると、上から釣人が上部のテン場はいっぱいで偵察に来た。
私達の少し上にもテン場があったので、教えてあげた。
沢山の釣人が入っているようだ。
昨日イワナをくれた2人組は、焚木を求めてもっと上まで行くと言っていた。
ムジナクボ沢出合より下は、全くといったほど焚木が落ちていなかったため、
枝沢のようなところから木を集めたので、焚木に火は簡単についたが、炎が上がらず寒かった。
スパゲティー・ベーコン・ウインナー・トン汁を食べても震えてしまう。
8時過ぎてやっと焚木が乾き炎が強くなり、岩魚の蒲焼を食べて、骨酒を飲んだらとても暖かくなった。
服も乾いて満天の星の下、服を着込んでテントに入った。
<コースタイム>
5m滝上テン場(7:27)−岩畳(8:30)−(15:30)ムジナクボ沢出合下テン場
9月22日(火) 曇り
今日は雲に覆われているせいか、昨朝より暖かい。
出発の準備をしていると、小雨が降り出し嫌な予感がしたが、出発する頃には雨も止み、時折日差しも出る一日となる。
10分も歩かずムジナクボ沢出合となったが、出合より上流は少し焚木が落ちていた。
右から中門岳から下りてくる沢が入ると、だんだん傾斜が出てくる。山も色づき始めて綺麗だ。
電光形4段の滝は、まず1段目を上がる。
2段目は上の状況がわからないので、岩間がロープを引いて滝の右を登り、後続は右のルンゼ状の岩を登る。
右に明確な踏み跡があったので、潅木を掴んで登りトラバースしていくが、途中で岩稜帯になり、踏跡も消えた。
踏跡を辿って沢に戻り、今度は沢の左に渡って側壁を登ると、小さい巻きで沢床に下りられた。
電光形の滝を越えると、急に源頭の趣になり、紅葉は更に色を増し、とても綺麗だ。
沢はだんだん傾斜を増し、疲れてくる。この上の二俣には全て赤テープがつけられて、少し興ざめであった。
赤テープがあるが地図を確認しながら詰めていくと、やがて水がなくなり、しっかり踏まれた沢筋を歩いていく。
沢筋にネマガリがトンネルのように覆い被さってくるが、
藪漕ぎする事なくトンネルを抜けると、そこは草紅葉の草原が広がっていた。
登山道にあがり、昨夜寒くて飲めなかったビールで乾杯し、
会津駒は面倒なので登らないで桧枝岐に下山。
下山途中で捻挫してしまい、木の杖をついて下っていく。
国道に出てから「駒の湯」の方に歩いていくと、民宿が何軒もあり誘惑される。
桧枝岐観光協会があったので、キャンプ場の場所を聞きにいったら、
「駒の湯」とは逆方向であった。
あっさり誘惑に負けて、民宿をお願いした。
観光協会の方は親切で、翌日のバスの事も丁寧に教えてくれた。
民宿で入浴券を借りて「駒の湯」に行くと、細田さんが知人とばったり会って驚いた。
JAスーパーでつまみを買って、夕食までにビールを飲んで過ごした。
民宿の食事は3時過ぎに頼んだにも関わらず、裁ちそばやはっとう等の郷土料理もあり美味しくボリューム満点。
熱燗を飲みながら夕食を楽しみ、暖かく乾いた布団で寝て幸せだった。
<コースタイム>
テン場(7:25)−電光形滝上(9:18)−稜線(11:25)−(14:25)登山口−観光協会(15:05)
9月22日(水) 小雨
朝方、車の音で目を覚ますと、雨が降っているようだ。民宿に泊まって良かった。
6時半のバスに合わせて、朝食も出してくれた。朝から舞茸御飯でうれしい。
桧枝岐から奥只見まで戻るのは、これまた大変。
まず、桧枝岐から御池までバスに乗る。御池で40分待って予約しておいたバスで尾瀬口まで。
鷹ノ巣からバスに乗ってきた沢登りのパーティーの人が「細田さん」と呼んでいる。昨日に続き、沢の世界の狭さに驚いた。
尾瀬口で下りたら、今度は船で奥只見湖を渡る。船からは会津独特のスラブの山並みが見えた。
船を下りて、下に見えるレストハウスの駐車場に戻ろうと思ったら、
小さいケーブールカーみたいな乗り物が上がってきたので、100円と安いしケーブルカーに乗った。
3時間程掛けて、奥只見湖に戻り、後はへぎそばを食べて帰るだけ。
小出I.C近くの「薬師」でへぎそばを食べたが、以前食べたそばとは別物で、非常に美味しく驚いた。
12時前には関越道に乗り、花園で4キロの渋滞があったが、あとは順調に山梨まで帰ってくる事ができた。
沢も綺麗で楽しく天気も良く、民宿も快適で料理も美味しく、渋滞も少なく、そんなに遠くない
素晴らしいシルバーウィークを過ごせました。