湯ノ又沢〜赤湯又沢〜虎毛沢 (沢登り) 8月14日(金)〜16日(日) 岩間 田中 みー(記) |
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当初は13日〜15日の予定であったが、13日は秋田南部では大雨洪水注意報が出ていたため、
13日に秋の宮の湯治宿に泊まり、14日から入山することにした。
12日夜に出発し長野経由で北陸道のPAで仮眠していたら雨が降り出したため、北陸道終点を下りた先の「道の駅」に移動。
東屋の下に先客はいたが、他の場所を探すのも大変なので、東屋の下にテントを張って仮眠。
翌朝、先客にお詫びをしながら話をしたら、徒歩で日本一週をしているそうだ。既に3/4を歩いたとの事。
日本海を北上し、まず、今回の東北ツアーの目的の一つ「岩ガキ」を由良の町に寄って購入。
ホタテ・サザエは100円。「岩ガキ」は300円。なんという安さだ!岩ガキだけでなく、ホタテもサザエも買ってしまった。
鶴岡から濁流となっている阿賀野川に沿って内陸に入り、秋の宮温泉に。
入山となる湯ノ又温泉と下山となる赤倉橋を確認後、東北ツアー次の目的の湯治宿「新五郎湯」に向かう。
「新五郎湯」は赤穂浪士討ち入りの年に開業したという古い宿(そうは見えないけど)勿論、源泉掛け流し。
宿の女将さんに「車を下山口の赤倉橋に回したいのでタクシー会社を教えて欲しい」と言ったら、
タクシーは呼ぶだけで6千円掛かるので息子に頼んでくれるといい、料理も美味しく、なんとも親切な宿であった。
1泊夕食、朝はおにぎり¥5,900
8月14日(金)曇 夕方 晴れ
朝8時に宿の前で待ち合わせ。
14代目となる息子の車も一緒に赤倉橋まで入り私達の車を置き、14代目の車で湯ノ又の登山口まで送ってくれた。
まだ霧雨の残る中を出発。最近できたガニ沢登山口を入ると、すぐに湯ノ又沢だ。
湯ノ又沢は、昨夜までの雨で濁っていたが、ナメの沢だけあって回復が早く、遡行には問題ない。
沢は狭くて暗い藪っぽいゴーロであったが、すぐに開けて明るいナメが続くようになってきた。
最初の二俣は、赤湯又沢の下降点に近い右俣に入る。
右俣に入ってもナメは続き、次の二俣を左に入り、その次は稜線直下の傾斜が緩い右に入る。
稜線が近づくとナメはなくなり、水がなくなってくると金色に輝くアブがまとわりつくようになる。
キンイロアブというらしいが、沢沿いにはいなくて、しかも標高が高めのところにいる。
大した藪もなく稜線に出て、赤湯又沢右俣の下降点に向かうため北に向かう。
5分程で湯ノ又温泉に下る登山道とぶつかり、その対面から赤湯又沢の右俣を下降としようとしたが、
少し下りたらスラブに突き当たってしまったので、左俣を下降に変更する事にし、今度は登山道を南下する。
1033mのピークを過ぎたコルから藪に入ってすぐに沢筋が現れた。
その細い沢筋はナメ床で、側溝を歩いているみたいだった。
枝沢を集め、だんだんナメが広くなっていくと、10mくらいのナメ滝が出てきた。
これは下れないので懸垂でおり、その下の小滝も懸垂でおりた。
トイ状になっているところを過ぎるとナメは減り、単調なゴーロばかりでかなり飽きてくる。
やっと右俣と合流し、小滝をいくつか下りていくと、左岸に噴煙が上がっていて広い台地となっていた。
広い台地の奥では、温泉がクツクツ沸いていて、岩の隙間から蒸気が出ているし、地面も熱い。
沢の水は飲めないので対岸の枝沢に真水を汲みにいく。
タープを張り、焚火に火をつけ、食事の準備も終えて探索にいく。
テン場のすぐ下に透明な温泉、もう少し下に濁り湯があった。右岸の真っ白なお湯は熱湯で入れない。
夕方になりアブが減ってきてから温泉に出掛け、温泉卵を作ったりして遊んだ。
赤湯又沢の遊びは中房温泉遊びに似ていた。
<コースタイム>
登山口(8:59)−二俣(9:43)−稜線(11:01)−下降開始(11:01)−二俣(14:08)−テン場(14:33)
温泉に浸かる卵 |
テン場近くの温泉に浸かる |
濁り湯 |
8月15日(土)晴れ
晴れた気持ちの良い朝、虎毛沢は行かなくていいから、もう一泊したいな〜という気持ちもよぎる。
名残り惜しいが温泉に別れを告げ、ただひたすらゴーロを下降で少々うんざり。
ゴルジュっぽくなったところを2箇所過ぎ、3箇所目がやっと虎毛沢との出合だ。
出合は両方の沢とも小滝をかけていて荒々しい風景だが、
ゴルジュを抜けると葛根田川を思わせる明るく開けた流れとなる。
ゆったりと流れる水と青い空。悠々と泳ぐ沢山の大きな魚。これこそ沢旅、時間が止まっているようだ。
左奥に滝を持った枝沢が入り暫くいくと、突然、渓相が変わる。
さっきまで、時間が止まったように流れていた沢に、綺麗なナメやナメ小滝が次々と現れる。
白いナメ、緑の筋が入ったナメ、ボコボコのナメ、緑っぽいナメと変化に富んだ美しい渓相だ。
虎毛沢は赤湯又沢の付録のつもりで来たのだが、赤湯又沢は序章に過ぎなかった。
更に歩いていくと楽しみにしていた亀甲模様のナメ。
ピンクとオレンジ色の亀甲模様があり、更に歩いていくと、亀甲模様になりそこなったナメ床も出てくる。
大雨で入山を一日遅らせたため、残念ながら二俣手前で泊まらず、先に進む。
二俣で大休止をしながら下流で釣ったヤマメを食べてから右俣に入る。
右俣に入ると、またまた渓相が変わり、小滝が連続するようになる。
水量が多いのだろうか?6・7mの小滝は登れず数回巻いた。
巻きに入ると金色のアブが攻撃してくる。数は少ないが、潅木を握っているので追い払えない。
上流になると、巻けずにシャワークライムの連続となった。
ツルツル滑るナメの滑り台では上からロープを出してもらった。滑り台の上でも、軽いシャワークライムとなる。
小滝がなくなり、後はゴーロになった沢を詰めるだけ。
途中で水を汲んで、南南東の方向にどんどん登っていくと、あまり濃くない藪漕ぎで登山道に出た。
休憩していると金色のアブが攻撃してくるので、休まず虎毛山山頂を目指す。
シャワークライムでびしょ濡れになった上に汗をかき、非常に気持ち悪い。
やっと虎毛山山頂について避難小屋に入る。
避難小屋で服を着替えてさっぱり。虫は大量のトンボしかいないし涼しくて快適。
小屋の中でくつろいでいると、春川から遡行してきたパティーがやってきた。
<コースタイム>
テン場(6:35)−虎毛沢出合(8:06)−(11:44)二俣(12:15)−稜線(15:13)−虎毛山(15:53)
8月16日(日)晴れ
今日は下山のみなので、朝食は作らず、昨夜の残りと行動食を食べて5時半過ぎの早めに出発。
朝は涼しくアブもトンボもまだいなくて快適。
意外と急な登山道を下っていき、赤倉沢渡渉点を過ぎると林道となり、どんどん歩いていく。
8時近くなるとアブが出てきたが、標高が低いので金色のアブはもういない。
登山口にデポした車に、着替えもしないで乗り込んで温泉に向かう。
今度は茶色の温泉の宝寿荘に入り(¥480)、峠の駅で稲庭うどんを食べて帰路についた。
<コースタイム>
出合(5:33)−登山口(8:30)