入川:大荒川谷 〜 ナメラ沢下降

(沢登り)

 

 

7月18日(土)〜20日(月) 

 

 

岩間 細田  みー(記)

チャンセン

   

 

 

 7月18日(土)曇 

  この連休は新潟の沢に行く予定であった。白い岩床とエメラルドグリーンの淵。どこまでも続くナメを登って草原に抜ける・・・

 そんな予定であったが、梅雨に逆戻りした天気となり、一番天気がよさそうな奥秩父:入川水系に行く事になった。

  朝5時に竜王役場集合の予定が寝坊をしてしまい、5時半近くに4人が揃う。

 大荒川谷遡行〜真ノ沢下降の予定で、エスケープとして山梨側に下りた場合を考えて、雁坂トンネルの駐車場に車を1台デポ。

雁坂トンネルを越え、入川渓流釣堀の手前の空き地に車を停めて出発。

 同じ頃出発となったパーティーは単独を含め4パーティー。他県の天気が良くないので、転戦した人達も多かったのだろう。

 雨は降っていないものの、湿度が高く林道歩きは辛い。

  赤沢谷出合から入川本流を遡行しようと思っていたが、泳ぐには天気が悪いし、昨日の雨で水量が多そうなので、

 少し登らなくてはいけないが、柳小屋に向かう登山道の途中から金山沢出合に下りる事にして登山道に入るが、更に暑い。

 顕著な沢を横切り、沢側に尾根が張り出している所を過ぎた先の看板から、踏跡を辿って沢に向かってどんどん下りる。

 下りた所は金山沢出合のすぐ上だった。

  金山沢に入り、すぐに出てくる小滝は巻道がはっきりせず、右岸のトラロープに沿って登り、懸垂で沢に下りた。

 二条滑り台の小滝は、水流の少ない左の滑り台を岩間が登り、上からロープを出してもらった。

 この2箇所以外は、越えられない滝にはしっかりした巻道があり問題ない。高巻が多くて少し疲れた。

 トポに載っていた三角の岩には気付かず、左岸に河岸段丘になったビバーク適地を過ぎて、しばらく歩くとゴンザの滝。

  ゴンザの滝はとても登れないので、左岸から巻いて沢に下りると、右岸にビバーク適地があった。

 次のゴルジュ手前の左岸ビバーク適地まで行こうと進んだが、間もなく左から滝を持った枝沢が入り、ゴルジュとなった。

 どうやら左岸は削られてしまったようだ。ゴンザの滝上のビバーク適地に引き返して泊まる事にした。

  途中で収穫したヒラタケ入りトン汁とベーコンを焚火で焼いた。折角の焚火の夜であったが、8時前に寝てしまった。

 

  <コースタイム>

  渓流釣場(7:50)−(9:20)赤沢谷出合−入渓(11:33)−(14:10)ゴンザの滝下−滝上ビバーク地(14:54

 

 7月19日(日)曇

  朝5時に起きて、雑炊を食べて出発。青空を期待したが、どんより雲が立ち込めていた。

 昨日来たゴルジュの中の6m2条滝とその奥に見える滝も登れそうもないので、少し戻って左岸から大きく巻く。

 沢に下りて、穏やかな河原を歩いていくと、すぐに小荒川出合であった。

 トポに「ゴンザの滝から小荒川谷出合まで2:30」とあったが、実際は1時間であった。

 その代わり「小荒川出合から中の二俣まで0:30」は、実際は約2時間。(合計すれば同じだけど)

  大荒川谷に入ると、直登できる滝が増えてくる。ナメも現れるが倒木に寸断されている。

 12m2段滝は迫力があり、一瞬20m2段の滝かと思ってしまった。

 20m2段の滝は、下部が緑のコケの岩にすだれ状に水が流れ、とても綺麗だった。

 中の二俣前後は、特に倒木が酷く、ジャングルジムのようになって随分荒れていた。倒木がなければ、この辺りは美しい所だろう。

 中の二俣を過ぎると、ほとんどの滝が直登でき、ゴーロも少なくて楽しい。でも、倒木がうっとうしい。

  奥の三俣は、一番右の沢には水が殆ど流れていなかった。

 ここまでだいぶ時間が掛かってしまうので、足が遅い私の団体装備を皆に分けてスピードをあげる事にした。

 稜線が近い左俣に入って間もなく、沢はガレに覆われてしまうし、相変わらずの倒木。

 やがてガレの二俣になったので、中間の尾根に取り付く。

 獣道を拾って上に上にと登っていき、最後はコルに向かって進むと登山道に出た。

  登山道に出た時は12時半で、今日、真の沢を下降するのは厳しいだろうし、今からどうするか検討する。

 ナメラ沢はビバークできる所があった記憶なし。雁坂小屋は吹きさらしでタープは風であおられ張れない。

 明日1日あるのに下山するのはもったいない。考えた結果、甲武信ヶ岳方面に進む。

 破風避難小屋で、ここに泊まるか再度検討する。屋根は穴が開き、雨が降ったら困る。幽霊小屋と言われ気持ち悪い。

 結局、甲武信小屋まで行く事になったが、雁坂トンネルにデポした車の鍵を忘れた事に気がついた。明日は、どうしよう。

  甲武信小屋にタープを張り泊まったが、なんとビールは売れ切れ。鶏肉入り味噌スープをたくさん飲んで暖まった。

夜寝ていると、顔の上を吹き抜けていく風が冷たかった。

 

 <コースタイム>

  滝上ビバーク地(7:00)−中の二俣(9:36)−奥の三俣(10:46)−登山道(12:34)−(16:20)甲武信小屋

 

 

 7月20日(月)曇 一時 晴れ

  朝5時に起きて、ご飯を炊く。

 真の沢の下降は柳小屋からの4時間の登山道・林道歩きもあるので諦める。東沢の下降も長いゴーロを歩きたくない。

 ヌク沢も大滝もあるし下降は楽ではないだろうと、登山道を引き返してナメラ沢を下降する事にした。

  西破風の山頂で下降の身支度を整えていたら、大荒川谷から西破風山頂に詰めてきた「ぶなの会」のパーティーが現れた。

 ナメラ沢を降りても車の鍵がないので、タクシー呼んで入川までいかないといけない私達。

 「タクシーで車の回収に行きますか?」と聞いたら、「車をデポしてあるから、乗せていってくれる」と言う。

 有難い。すっかり甘える事にして、先に下降を開始した。

  ナメラ沢への下降点は、西破風山頂の少し先で、赤テープがつけられている。

 まるで登山道のように踏跡はしっかりついていて、赤テープも随所につけられていて、困難な所もなく下っていくと水流が現れた。

 標高1700mを切った二俣にはビバーク適地があった。その後も何箇所かビバーク適地があった。

  やがてナメが頻繁にでてくるが、こちらも倒木が多く、折角の連続しているはずのナメが寸断されていた。

 最後の滝は左岸の踏跡から下り、本流との出合から少しだけ本流を登って登山道にあがり、雁坂トンネル駐車場まで林道を歩いた。

  ぶなの会の方が「みとみ道の駅」にデポした車をとりに行き、入川渓流釣場まで、私達のメンバー一人を乗せていってくれた。

 観光シーズンにタクシーを呼んでも、いつ来ることやら大変だったところを、本当にありがとうございました。

 

 <コースタイム>

  甲武信小屋(7:05)−(8:50)西破風−下降開始(9:17)−雁坂トンネル駐車場(12:35

 

 

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