二口山塊:大行沢〜カスケ沢右俣

(沢登り)

 

 

    平成20年7月5・6日

 

             岩間   みー(記)

 

 

 

 

← カスケ沢に架かる石門

                 

  金曜日の夜に出発に中央道を経て圏央道へ。今年延長された圏央道川島ICでまで行く。

 ここから下道約1時間で東北自動車道加須ICに入る事ができるようになり楽になった。

 涼しい那須のS.Aで車の中で寝て、翌朝に仙台まで行った。

 

 7月5日(土) 晴れ

 大東岳の登山口に車を停めて出発。

車道を少し歩いて、本流と大行沢と分かれる所から入渓。

 入渓した所からナメ床である。今年からアクアステルスに変えた岩間は、少し歩きにくく不安を捨てきれないよう。

 ナメ床を少し歩くと、すぐU字ゴルジュだ。ゴルジュの先に先行パーティーがロープをたたんでいるのが見えた。

 絶妙に刻まれたマタギステップに足を置いて、へつっていく。

 落ちても怪我はしないけれど、足が届かない淵に落ちるのはイヤで、ヘッピリ腰になってしまう。

 まもなく先行パーティーに追いつき、しばらくヘツリ待ちになる。

 初心者がいるとなかなか大変なところだ。ロープを引いてもらって泳いでしまう方が楽?で、別の楽しさもあるだろう。

 次のヘツリで先を譲ってもらう。以前に来た時より水量もずっと少なく、残置シュリンゲもあった。

 水は温かく、お腹まで浸かっても全く冷たくなかった。

 滝を右から巻いて上がると楽しいU字ゴルジュは終わり。

  ゴルジュが終わると幅広のナメと釜が続き、とても綺麗だ。

 川床の巨岩の上に、ブナがへばりつくように生えていたりと面白い。

 やがて、ナメ床が出てくる頻度が少なくなり、大きい岩がゴロゴロしてくるようになり巨岩帯に入る。

 巨岩帯に入ると柱状節理の壁が出てきて、この先の滝を右から巻く。

 巨岩帯も難しいところは一つもないが、ただただ疲れるに尽きる。

 2段の滝を上がると巨岩帯は終了。

  この先は「天国のナメ」。沢幅いっぱいのナメとブナ林。巨岩帯の後だから余計に天国に感じるのだろう。

 竿を出して釣りあがる事にしてミミズをザックから出したら、昨日は元気だったミミズの液状化が始まっていた。

 ドライアイスと一緒に持ってきたのがいけなかったのか?

 ほとんど身動きしないミミズを餌にするが全くあたりがない。イワナが逃げていく姿は見るのに・・・

 ナメはキレイなのだが、1匹も釣れず避難小屋に着いた。唯一の収穫はウスヒラタケだった。

  避難小屋の外にはテント泊りの学生と、小屋泊りの学生の2パーティーがいた。

 避難小屋の前で焚火をして食事をする。イワナがないのが少々淋しい。

 イワナなしの酢飯だったけれど、錦糸玉子とカニカマだけでも美味しかった。岳人で紹介されていた錦糸玉子は便利で美味しい。 

 上河内S.Aで買ってきた冷凍餃子をあけてみたら、これも液状化がしており「もんじゃ」ようになっていた。

 「もんじゃ」のようになっていたけれど、それなりに美味しかった。

 

 <コースタイム>

  登山口(8:15入渓点(8:20)−(8:55)ゴルジュ終了9:43)巨岩帯ー巨岩帯滝上(11:23)―釣り14:35)避難小屋

 

下流のゴルジュ、先行パーティーがへつっている

ナメと大岩

 

 

 7月6日(日) 晴れ

  朝4時に起きて食事を済ませ、小屋に荷物をデポして出発。

 カスケ沢出合である石門入口まで登山道を下り、そこから入渓。

  入渓してすぐの二俣を石門がある右俣に入った。

 

 

 カスケ沢も幅は狭いがナメである。

しばらくは単調なナメを歩いていき、左に大きく蛇行するとスラブが見えてくる。

3mの滝を右から巻くと渓相が変わり、ゴルジュ帯となる

上段と下段で左右非対称の半円の滝を左から巻いて懸垂で下り、

その上のトイ状の滝は右斜面から小さく巻く。

お腹まで浸かって滝に取り付いたり、へつったり。滝も多種多様で次々に現れる。

手足をつっぱって登る滝、しかも高さがある。抜口がスローパーの小滝やら・・・

ロープを出して登った滝は5mの滝が一つ。

左から巻こうとしたが滝の落口へのトラバースが非常に悪かったので滝下まで戻り、

右の壁に取り付く。

岩間がロープを付けて登るが途中はフレンズをセットできる箇所もなく、

支点を取れずに抜けた。特に抜け口が悪い。

 もう充分満足した頃、沢が開けて石門となる。

石門は想像していたよりも大きくて、門の中をナメ滝が流れている壮大な景色だった。

 石門より上はナメが続くようになる。

10m以上ありそうな滝を左から巻いて上がると登山道があった。

ナメは次第に枝分かれして細くなり枝沢のようになるがナメ床であった。

本流を忠実に詰めていき、どちらが本流か分らない最後の二俣を左に進む。

やがて沢筋がなくなり藪漕ぎになった。岩間が「糸岳を背中に登っているのは登山道と平行して藪漕ぎしているのでは?」と気付いた。

登っていけば登山道があるから方向を確認しないで登っていたのだが、左にトラバース僅かで登山道だった。

 登山道に出て一休みして小東峠に向かうと、3分も掛からず1300mチョットのピークであった。

  後は小屋に戻り、荷物をまとめて下山。磐司山荘で入浴し(¥500)東北自動車で帰る。

 日曜日は那須や日光は洪水警報が出るほどの悪天だったため、事故処理の僅かの渋滞のみで順調に帰る事ができた。

 

  大行沢は下部のへつりのU字ゴルジュ、中流域の体力消耗する巨岩帯、上部の美しい「天国のナメ」。

 カスケ沢の小滝が続くゴルジュ、上部は枝沢になっても続くナメと非常に変化があり楽しく、しかも美しい沢でした。

 

 <コースタイム>

  避難小屋(5:35カスケ沢(5:52)−石門(7:439:11)登山道ー(11:40)避難小屋13:00)登山口

 

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