魚野川

 

2013年8月22日〜24日

 

御坂山岳会  きんさん・じいさん

雪稜クラブ  岩間  みー(記)

 

 

 

 

8月21日の夜、仕事が終わってから車2台で志賀高原に向かい、秋山林道を夜中に運転する事を避け、下山となる東館山ゴンドラリフトの駐車場で宴会後に仮眠をする。

翌朝、1台をゴンドラリフトの駐車場に残し、もう1台で切明温泉に向かう。

 

8月22日 晴れ

切明温泉の雪あかりの宿を過ぎて、道が左にカーブする辺りに、小さく「野反湖方面」と看板がつけられた道がある。

そのすぐ先に駐車スペースがあり、車を止めて出発。

暫く広い道を歩いていくと吊橋があり、吊橋を渡ると九十九折の登山道となる。

九十九折が終わったところにベンチがあり、一休みしていると藪蚊が寄ってきた。

蚊にさされにくい素材の上着を新調して得意げな私であったが、足には蚊が寄ってくるのであった。

 その後、登山道は水平で、一つのトンネルは通行止めで迂回し、長いトンネルは御坂の2人がヘッデンを出してくれた。

途中でワラビとタマゴダケを収穫しながら歩いていくと、渋沢ダムになり、ダムを渡って一休み。

 渋沢の吊橋を渡って、壊れた小屋を左に見ると数分かからず踏跡があり、フィックスを使って沢に下りる。

沢に下りた所も良いビパークポイントで焚火の跡もあった。

 

今年は、今日までは雨が極端に少なく、魚野川の水量も少ない。

渡渉を繰返していくが、私が一人で渡れない事が1回だけあった。

左に野反湖に向かう沢と分けると、水量は半分以下となった。

魚野川に入った直後から魚影は濃く、小さい岩魚も尺岩魚も見られる。

水量が少ないので、桂カマチも箱淵も巻かずに行くことができた。

 井戸沢を過ぎるとゴーロとなり、このゴーロが長くて退屈であった。

高沢手前でゴルジュをなって大ゼンが出てきて喜ぶが、またゴーロになってしまった。

やっとナマリ岩が見え、黒沢出合のビバークポイントとなる。

タープを張って、焚木を集め、それから3人は釣りに行くというので、私は一人で酎ハイを飲みながらご飯の仕度をする。

「おっちゃんがいなくても、ご飯は炊けるようになった。」と吹聴していた私であったが、気が付いたら、ご飯が黒こげになっていた。

やっぱり、ご飯を炊く時はおっちゃんが必要だ。

ご飯の仕度が終わる頃、みんな帰ってきて、昨夜に続き.宴会となった。

(今日の献立)

  シーフードカレー

岩魚の刺身みょうが和え(絶品でした)

岩魚の内臓とタマゴダケの煮付け

骨酒

ワラビのワサビ醤油和え

ワインビーフの焚火焼き

とうもろこしの丸焼き

こげたご飯

 

<コースタイム>

 切明温泉(7:31)−(9:48)渋沢ダム―(10:58)入渓点―(13:06)高沢出合―(14:19)黒沢出合

 

 

8月23日 雨のち雷雨

 朝起きた時は晴れ間もありタープやフライも乾かしたが、出発して間もなく雨降り出しカッパを着た。

今日は魚野川のハイライトというのに残念である。

 魚止めゼンは、フィックスを使って左から登る。

カギトリゼンの上は素晴らしいナメが広がっているが、あいにくの雨。雷が鳴るたびに雨が強くなる。

スリバリゼンは微妙なへつりで釜を左からトラバースして登る。

小ゼン沢出合にかかる滝は右から越え、その上もナメが続く。

庄九郎滝は右から小尾根まで巻き上がる。小尾根の反対側に沢に下りる踏跡があったが、雨も降って下地が悪いので懸垂で下りる。

ゴウドウと言われる巨岩帯は思っていたほどでなかった。なんだかボルダーでもやっている感じだった。

その後、だんだん雨が強くなり、水は笹濁りになってきて、水流が強くなってきて、渡渉も疲れる。

滝を3つ越えて、二俣に着いた時は土砂降りとなり、まだ早いがここに泊まる事になった。

 タープを張って私はカヤライズに入り、暑くてしまっていた乾いた服があったので着替えたが、

御坂の二人は雨が小降りになったら釣りに行くと、熱燗を飲みながら待っていたが、更に雷雨は激しくなる。

雷は轟き、台風の時でも経験した事がない激しい雨となった。沢は濁流となり、どんどん水量が増えていく。

沢の音と雨の音が混じりゴーゴーと音をたてている。

待てば待つほど雨は激しくなる中、きんさんとじいさんは、焚火をあきらめきれずにネマガリで焚火をする言って、枯れて茶色になったネマガリを刈り出した。

火を付けた時にはぜないように丁寧に節を折っていた。

無理だろうと見ていたが、ささやかであるがネマガリの焚火に火がついた。

ささやかであるが温かい。ウインナーやししとうを焼いて食べ、ジャガイモの丸焼きまでできた。

 鬼のような豪雨は3時間程続いたが、やがて普通の本降りに雨に変わると、わずかであるが水量が減っていった。

明日の朝は、ここから脱出できるか心配をしながらも、イワナなしの寂しい晩御飯を食べ、お酒は飲み干して眠りに付く。

 

<コースタイム>

 黒沢出合(7:43)−小ゼン沢出合(8:54)―最初の二俣(13:16)

 

 

小滝とナメが繰返す

  

増水とネマガリの焚火でウインナーを焼く

 

8月24日 曇り

 夜も時々、強く雨が降った。恐る恐る沢を見ると、笹濁りで増水はしているものの、遡行には支障がなさそうであった。

ナメや小滝も多く綺麗な沢であるが、昨日のような豪雨になるのを心配しセカセカと歩く。

寺子屋沢から詰めた方が、下山が早いのではないかとも思われたが、ひどい藪漕ぎの心配があったので、忠実に赤石山と寺子屋峰のコルを目指す事にした。

昨日はひどい増水であったが、岩魚は元気に泳いでいる。

少しずつ枝沢をわけていくのだが、水量はなかなか減らない。

水量の多い方を忠実に登っていき、2万5千の地図で最後に右俣が右に折れ曲がっている二俣を右に入る。

沢が細くなっても小滝やナメが続き、やがて水がなくなり、沢型が消えた。藪漕ぎとなった。

なんとなく藪が薄いところを選んで登っていくと、10分少々で登山道に出た。

 登山道を東館山ゴンドラ駅に向かって歩き、ゴンドラで下まで下りた。

その後、デポした車で切明温泉に車を回収にいき、信州そばを食べて解散となった。

 

<コースタイム>

 最初の二俣(6:45)−登山道(9:49)

 

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