深南部 大根沢山 2007.2.10 〜 12 天気 晴れ 樅の木:井口 雪稜 :岩間 みー(記) よく見ると大根沢山と書いてあるよ⇒ |
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いつか行きたいと思っていた大根沢山。
大無間から縦走するのが一番楽か?と思ってインターネットで検索すると、
すごい件数がヒットしたが、記事を読むと何かおかしい。
「大根沢山もらった」とか「大根沢山すりおろす」など料理のレシピである。
「おおねさわやま」でヒットするのではなく「ダイコンたくさん」でヒットするのだ。
それでも何件か見ていると、畑薙ダムからピストンしている記事があった。
明神林道跡からのルートと畑薙第1ダムからのルートがあり、今回は距離が短い畑薙第1ダムから入る。
2/10(土) 晴れ
早朝、山梨を出発して精進湖線・富士経由で畑薙第1ダムにむかうが、田代温泉の手前で時間帯通行止め。
午前中通行できるのは、8:30前 9:50〜10:00 10:55〜11:05
なんとも田舎の工事で、全面通行止めにしなくてもできる工事だ。
今年の3月末まで、日曜日は工事なし。午後の通行時間も短いので、この方面の山に行く場合は注意が必要だ。
迂回路はなく、50分も待たされ、夏の駐車場を通り過ぎて畑薙第一ダムまで行く。
畑薙第1ダムの右岸の林道を車で行こうとしたが、林道は荒れていたので林道入口に車を止めた。
林道を20分ほど歩くと、林道の右側に作業小屋があり、ここから登る。
信濃俣河内はこの林道のもう少し先から吊橋を渡って行くのだが、
昨年の6月は吊橋が崩壊して渡れず、ダム湖を泳いだと今年の「渓流」に載っていたが、
遠目から見えただけなので、吊橋の状況は確認できなかった。
登り出しから急坂で、しかもヤセ尾根である。木の根っこや脆い岩を摑みながら登る。
ヤセ尾根沿いに登るので道に迷う事はないが、これは一般登山道とは言わないだろう。
崩壊地を金網とコンクリートで固めた所を過ぎると、フィックスが張ってある。尾根は所々広くなるが、すぐにまた細くなる。
標高1500m辺りで、左から来る尾根と合流し、登山道は右に曲がり尾根は広くなり、傾斜も緩くなる。
赤テープが少ないので、目印の赤布をつけながら行く。
雪も少しずつ出てきて、すぐに膝下のラッセルになる。井口さんと私はワカンをつける。
今年は暖冬で、南面の雪はほとんど溶けてしまっているが、北面は雪が溶けずに残っている。
稜線に出ると、登山道は左に曲がる。稜線は日が当たるため雪は少なく、ワカンをはずす。
出発も正午頃と遅かったので、標高1800m辺りの平らな所で整地してテントを張る。
暖冬で雪がないかと思い、水をたくさん背負ってきたが、充分に雪はあった。
夜から風が強くなるが、稜線から少し入った所にテントを張ったので、テン場は風もなく快適だった。
<コースタイム>
畑薙第1ダム(0:30)作業小屋登山口(3:15)1800mテン場
2/11(日) 晴れ
夜中は雨が降っていたようだが、明け方には雪にかわった。
その雪もやんで晴れているが、風は強く、南アルプス南部の山はだいぶ荒れているようだ。
2月の深南部の良い所は、こういう所にある。
森林限界を越えないので強風からも守られるし、天気が数日荒れて閉じ込められる事もない、
雪があるのに人が入らないので、ラッセルをとられる心配も少ない。
朝6時半に出発。下界は春だが、山の上はまだまだ冬だった。
標高1900m辺りは平らで、雪があればテントはどこにでも張れるだろう。
雪は硬く歩きやすかったが、1950mから突然、膝下ラッセルの急登になりワカンをつける。
やっと急坂を登りきると、稜線にでる。今日も赤布をつけながら登る。
しばらく行くと、明神林道跡からのルートとの分岐点につく。黄色い小さい看板が木にくくりつけてある。
ここから先は、小ピークを2つ越えてのアップダウンの道のりで長い。
最後の登りを登り切ると、だだ広っろい所にでる。一番高い所に赤テープがたくさんあるが、頂上の標識がない。
地図を見ると、大根沢山頂上は左から回りこんで少し行ったところ。なぜ一番高い所が頂上でないのか不思議だった。
一番高い所から先は、なぜか目印がない。5分くらいで大根沢山到着。
全く展望のない広い頂上で記念撮影をして、赤テープを回収しながら来た道を引き返す。
途中、井口さんがラッセルした急坂は、下る時に改めて傾斜のきつさを感じた。
今年は暖冬で雪も少ないが、例年の積雪量であればテン場はもう少し上まで行った方がいいだろう。
<コースタイム>
テン場(2:30)明神林道分岐(2:30)大根沢山(1:45)明神林道分岐(1:15)テン場
2/12(祝) 晴れ
今日も晴れ。4時に起きて朝食を済ますが、なかなか明るくならずゆっくりする。
雪もクラストしていないし、私達のトレースもあるのでツボ足で下る。
赤布をつけながら登ったけれど、雪がないところは間違えやすい。無雪期に登る場合も、目印を持っていった方がいいだろう。
本日の核心は、最後のヤセ尾根の急下降。道が少しザレているので余計悪く感じる。
頻繁に後ろ向きになりながら下る。フィックスロープも使わせてもらう。雪がついていたら懸垂でおりたい急坂だ。
<コースタイム>
テン場(2:30)畑薙第1ダム
畑薙第1ダムまで戻るが、まだ9時前。赤石温泉は10時からなのであきらめる。
井口さんに教えてもらった田代の一番奥の部落の「ふる里」という民宿で日本みつばちの蜂蜜を買う。
とても高いが、花の香りがしておいしい。今まで食べた蜂蜜は偽物ではないかと思った。
静岡市内の「美肌湯」で汗を流して帰る。¥1000と高いが黒い湯の華の浮いた源泉があった。
下部は細い幹だがブナの原生林 急登をラッセルする井口さん⇒ |
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