鳩打峠~烏帽子ヶ岳~念丈岳

 

 

201/12/29-2013/12/31

 

岩間  みー(記)

 

 

 

 今年の山梨や南信の雪の量は、20年前の冬と同じくらい積もっているらしい。

甲府でもクリスマス前に雪が降り、盆地の周囲も雪景色。

3000m級の山では、二人ではラッセルでは手に負えないので、中央アルプスの奥念丈岳にいく事にした。

 

12/29 晴れ のち ガス

朝6時過ぎに家を出て、中央道経由で松川I.Cに向かう。

先月、登山口の偵察に来ていたし、烏帽子が岳登山口の看板も出ているので、迷わず鳩打峠に向かう林道に入る。

今週の木金と雪が降ったので林道は雪に覆われているが、林業の車が入っているのか、車がたくさん通った跡がある。

鳩打峠の駐車場には1台車が停まっていた。

身支度を整え出発。残念ながら2人組らしき先行者がいてトレースがついていた。

同じような事を考える人がいるのはしょうがない。

そのトレースは小八郎岳山頂と巻道の分岐で山頂に向かっていた。

トレースのない巻道を歩いていくが、山頂コースとの合流点で、先程のトレースがまた現われた。

 凍った土の上に雪が積もっていて思い荷物では滑るので途中でアイゼンをつけた。

烏帽子ヶ岳の登りは急登で疲れる。上から先行の2人組が下りてきた。

烏帽子ヶ岳より先は誰も入っていない事が分かり、嬉しくなって気持ちも晴れる。

頂上直下は鎖場やトラロープが張り巡らされている。

山頂が近づくと徐々に北風が強くなり、冬型も午前中より強くなって中央アルプスの主稜線は寒気の雲に覆われてしまった。

山頂手前にテン場がないかと歩いていたが、良いテン場はなかった。

烏帽子岩の巻道ルートからいくが、トラバースで悪い所が1箇所あった。

岩が出っ張っていて、岩を抱えるようにトラバースするには怖いので、岩の下を這って通過した。

烏帽子ヶ岳山頂に到着。頂上直下には吹きさらしであるが広いテン場があったが、岩間がテン場はないか、先に偵察に行った。

吹きさらしのテン場を整地して待っていようと思ったら、間もなく「おーい、テン場がある。」と声が聞こえた。

烏帽子ヶ岳を5分も下りない風が当たらないコルがあった。

今日は寒い夜であった。止まない北風の音を聞きながら寝た。

 

<コースタイム>

 鳩打峠(8:30) (12:39) 7合目分岐―(15:05)烏帽子ヶ岳-(15:25)コルのテン場

 

 

12/30 晴れ のち 小雪

朝起きると、主稜線がくっきり見えていた。

昨日すれ違ったガイドさん(?)が言っていたように、烏帽子ヶ岳を過ぎると雪が多くなった。

ワカンをつけての出発で、膝くらいの新雪のラッセルになる。

朝から風が強く、一日中北風が吹き荒れている。

やがて主稜線は寒気の雲に覆われ全く見えなくなり、小雪が強い風でとばされてくる。

 池ノ平山の山頂は広く幻想的な風景であった。

ここから尾根は南下し、小ピークがあって西に向きを変える。青空は消えて、私達もガスの中に入り、風はますます強くなった。

この小ピークを下った先に等高線が広くなったところの南面が、雪尻もどきの下が河岸段丘のようになっていて、全く風が当たらない。

 この雪の量では、好天が続かなければ3泊で奥念丈岳を往復できないので、念丈岳までと切り替え、

この河岸段丘のようなところにテントを張り、明日のために小雪が飛ぶ中、途中までトレースを付けにいった。

一日中北風が吹きぬける稜線は、雪尻もどきがたくさん発達していた。

雪が積もって地面が高くなってしまった分、雪が積もった枝が邪魔である。

冬に中央アルプスに来たのは、木曽駒と宝剣しかなかったが、標高2000m程度でも中央アルプスは弱い冬型でもこんなに風があるのかと驚いた。

 

<コースタイム>

 コルのテン場(8:45) (11:29)池ノ平山―(11:51)河岸段丘のテン場(12:29)-トレース付けー(15:04)

 

 

12/31 雪 のち 晴れ

 朝起きると、雪が降り出した。

そんなに雪は強くないし、天気予報からしても今日は荒れないと読んで、念丈岳まで往復することにした。

昨日付けたトレースは消えかけているものの、トレースなしとは断然違い。

池ノ平山から念丈岳は標高が100m位下がるのだが、主稜線が近づく程に天気は悪くなり、風も強くなる。

アップダウンを繰り返しながら、念丈岳に到着。記念撮影だけして引き返す。

相変わらず強い風が吹き続けるが、テン場が近くなると薄日が差すようになる。

東の空は明るくなってきたら、西の空は暗いままであった。

 明日から冬型が強くなり、雪でトレースが消えると烏帽子ヶ岳を越えるのが大変になるため、荷物をまとめて下山を始めた。

トレースがほとんど消えた道をひき返すが、池ノ平山からは下り基調なので早い。

30日に泊まったテン場に置いたデポを回収し、烏帽子岳を登り返す。

 頂上を巻けそうなので、樹林帯の中も南面を巻く。

岩が出っ張ったトラバースも一緒に巻ければラッキーであったが、ちょうどトラバースの手前に出た。

ザックを下ろし、岩の下を引きずり下ろして通過。

 気が付くと、トレースがすごくしっかりしている。昨日、今日で何人も歩いているようだ。

烏帽子ヶ岳って案外メジャーな山なんだ。

急下降で時間がかかると思われた道であったが、きれいにステップが刻まれ、高速道路のようになっていた。

途中でもう一泊必要かと思っていたが、ばっちりついたトレースで、1日で下ってしまった。

 

<コースタイム>

 テン場(7:47)(9:15)念丈岳―(10:43)テン場(11:29)(12:49)1日目のテン場―(16:23)鳩打峠

 

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