転付峠~二軒小屋~蝙蝠尾根~塩見岳

 

 

201//2-2013//

 

岩間 田中  みー(記)

 

 

 

5/2 晴れ

3泊4日予備日1日の計画で、5/2は休みをとる。

7時に竜王役場に集合し、岩間号で早川町の新倉発電所に向かう。

あわよくば発電所まで車で入れるかと思ったが、やっぱり手前でゲートがあった。

林道を歩いて発電所に付くと、「転付峠へ」の標識が沢沿いではなく、発電所の裏の林道に向かって標識がたっている。

大雨で登山道が崩壊して、迂回路が付けられた話しを思い出し、素直に標識に沿って林道を歩いていく。

林道から登山道に入ると、かなり荒れている。雪が降って一冬越えた後に整備がされていないようだ。

ロープも張り巡らされているが、延々続くトラバースはグズグズで、ロープがないところも崩れている。

泊まりの荷物を背負っていては、登ることはできるが下るにはロープが必要な状態であった。

迂回路は、尾根を越えて沢沿いの登山道と合流する古い2万5千の地図に書かれた昔の登山道だ。

迂回路に回され、荒れた登山道のここだけでコースタームが1時間以上オーバーとなる。

ここから沢沿いの登山道と合流するが、両岸が崩れているところも多く(左の写真、両岸とも崩壊が激しい)だいぶ時間が掛かってしまう。

飛び石で対岸に渡れないところは、裸足になって渡渉する。

尾根の取付き近くの取水口のコンクリートは破壊されていた。すさまじい豪雨だったことがわかる。

敗退となったらこの道は引き返せない。二軒小屋から畑薙ダム経由で帰るしかない。

やっと尾根道に入ると道は綺麗になる。静岡側の登山道は全く荒れていなかった。

コースタイムを2時間半以上オーバーして二軒小屋に着く。

もう少し先まで歩く予定であったが、予定外の荒れた登山道に疲れた。自動販売機前の芝生のテン場に泊まる事にした。

自動販売機で買った酎ハイを飲みながら芝生の上にテントを張って、小屋のトイレはウォシュレットで快適。

ちなみにここの自動販売機は24時間OK。

夜中にイタチ系の動物が現れ、ベンチの下に置いたアイゼンを持って行こうとしていたが重くてあきらめたようだ。

なんでも食べ物だと思っているようだ。

 

<コースタイム>

 ゲート(8:57)(:40)発電所―(11:14)八丁峠?-(12:37)登山道合流―(15:56)転付峠―(17:19)二軒小屋

 

 

5/3 晴れ

 自動販売機でジュースと酒類を購入し出発。5月にしては寒い朝だ。

二軒小屋トンネルを越え、二俣では東俣方面の右の道に入り、少し歩くと蝙蝠岳の登山口になる。

急な登山道を歩いていくと、コンクリートの巨大な建物が現れ、階段を登っていく。

標高2000mくらいから残雪が出てきて、2200mくらいで、クラスト雪に覆われるようになりアイゼンをつける。

クラストした雪は歩きやすく、順調に高度を稼いでいくが、尾根が細くなる2400m辺りから、アップダウンに加え、低い針葉樹の藪がうっとうしくなった上、時々落とし穴にはまり労力を使うようになる。

山頂が開けた徳右衛門岳で一休みすると、遥か彼方に三伏峠が見える。

藪を避けながら細い尾根を過ぎて、標高2581mのピークの先の平なところを整地して泊る。

森林限界手前まで進めばベストであったが、藪で疲れてしまった。ここまでくれば、明日は塩見岳は確実に越えられるだろう。

 

<コースタイム>

 二軒小屋(6:51)(7:21)蝙蝠岳取付―(8:31)コンクリート建物-(13:45)徳右衛門岳―(14:45)2581付近テン場

 

 

5/4 晴れ 後 雪

朝、テントから出ると朝焼けだ。天気予報では連休中は晴れの予報であったが、天気は崩れるのか?

昨日までは、踏跡はないが目印を探しながら歩いていけたが、今日は、積雪が増えて目印は雪の下で登山道はわからない。

森林限界となる2721mピーク手前の平原は藪に覆われている。

藪と落とし穴に覆われ、藪を避けながらクネクネと歩いていると、塩見岳から縦走してきた単独の男性とすれ違う。

お互い、藪に覆われた広い平原ですれ違う事に驚いた。単独者のトレースを追って藪を抜けて歩いていけるかとも思ったが、単独者のトレースはすぐに藪の中に消えた。

 森林限界を越えると非常に風は強く、蝙蝠岳への登山道は雪が飛ばされている。

強い風に煽られ、踏ん張りながら夏道を登っていくと蝙蝠岳になる。

蝙蝠岳を越えると徐々に風は弱まっていき、雪が残っているところを利用しながら快適な広い稜線を気楽に歩いていく。

 標高2920mピークから尾根が西に向きを変えると、一転、広い緩やかな尾根は、急に狭い岩稜の尾根に変わり、ストックからピッケルに持ち帰る。

ここから、間ノ岳への分岐となる北俣岳の尾根が特に良くない。

岩稜に雪がついてナイフリッジになっていたり、一度溶けた雪が凍っているところ、岩稜が出ていたり神経も時間も使う。

神経を使うアップダウンを繰り返し、北俣岳の下りを過ぎると尾根は広くなり、緊張感から開放され、最後の一登りで塩見岳となる。

 塩見岳で大休止をし、ここからトレースがついた高速道路と思っていたが、中途半端に雪が残っていて、登山道がわかりにくい。

ピストンであれば、一度登っているのでどこを下ればよいか判断できるのだが・・・。

たくさんの人が登ったので、急な斜面では雪が落ちて、氷が出てきてしまっているところはシングルアックスでクライムダウンしないとならないところがあった。

急な岩稜帯を下り、森林限界が近づく頃には雪が降り出した。塩見小屋は雪で埋まっているらしく見当たらなかった。

権右衛門の尾根沿いのトレースを追って歩いたが、樹林帯なので雪はそんなに気にならない。

本谷山とのコルの手前の樹林帯の中でテントを張り、今日はよく歩いたな~と思った。

 

<コースタイム>

 テン場(6:30)(7:30)2721ピーク―(8:20)蝙蝠岳-(12:21)塩見岳―(15:18)本谷山手前コル

 

 

5/5 晴れ

昨日の雪は止み、朝から快晴だ。

最初にトレースを付けた人は大変だったろう、藪を避けてクネクネと続くトレースに沿って本谷山を越える。

三伏山まで登りがすごく長く感じ、今日で4日目となり登りはきつい。

三伏峠で携帯から塩川小屋までタクシーの迎えの予約をしようとすると「塩川小屋からの登山道は使われていない。鳥倉林道のゲートまでなら迎えに行ける。」と言われ、鳥倉林道に下る事にした。

11月下旬に鳥倉林道の登山道を歩いた時は、広い遊歩道のようだった記憶であったが、

斜面に雪がついて、延々とトラバース、しかもずっと左斜面で足が疲れる。

長いトラバースが終わると雪は消え、南面の登山道を下る。

タクシーの予約をした13時に遅れそうだったため、岩間に先を急いでもらう。

私達2人は少し遅れてゲートの到着し、タクシーに乗って「まつかわ温泉清流荘」に向かう。

喉が渇いていたので、途中でお店に寄ってもらい酎ハイを飲み干した。

タクシーの運転手さんに無料入浴券をくれた。お風呂で汗を流して生ビールを飲んで、伊那大島駅までタクシー。

路面電車のように停まってばかりの飯田線に延々と乗り、中央線で竜王駅まで下りて、田中号が置いてある竜王役場までタクシーに乗ってしまった。

タクシーの運転手さんごめんなさい。ザックを背負っていたので遠距離を期待しただろうに初乗料金で。

うちまで歩いて5分だけど、田中号で送ってもらい、4日間は終わった。

 

<コースタイム>

 テン場(6:34)(7:32)本谷山―(9:23)三伏峠-(12:15)林道―(13:03)鳥倉林道ゲート

 

 

5/6 晴れ

 ゆっくり起きて片付けをしてから、新倉まで車の回収に行った。

 

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