千頭星山~鳳凰山(敗退)

 

12/29~30

 

 岩間  みー(記)

 

        

 12月29日 晴れ

今年は例年になく雪が多く、28日も盆地で土砂降りの雨だったため、ランカン尾根をやめてエスケープルートもいくつかとれる鳳凰山系に変更したのだが・・・

 

白州から青木鉱泉近くの御所山登山口に向かう。御座石鉱泉との分岐となる小武川林道が冬期通行止めのため、ゲート前に車を停めて林道を歩く。林道を歩き出して間もなく、雪は踝上の深さとなり、予想以上の雪で不安になる。青木鉱泉近くで道路工事をしていて、そこを越えるのが面倒であった。

長い林道を歩き、橋を渡ると御所山の登山口となる。ルンゼ状の斜面をジグザグに登っている夏道は、すぐにわからなくなった。とにかく登りやすそうな所を捜しながら登っていくが、急登の雪の下はガレ。アイゼンを履かないと滑るし、履けば履いたでガレの上は歩きづらい。

積雪期に下るとしたら、ロープを持っていった方がいいかもしれない。

途中で小尾根に上がり、更に登って主尾根に入ると目印があった。ここからは尾根上の道となるのでルートを考えることもない。

雪は徐々に深くなり、アイゼンからワカンに履き替える。御所山の登りで膝下のラッセルとなった。

夏時間よりだいぶ遅れて御所山に到着。御所山の下りは南面なので雪は少なくなるだろうと高を括っていたら、標高1900mに満たないのに股下のラッセルになってしまった。しかも中間部がモナカになっているため更に疲れる。傾斜が緩やかなので足を抜くのに股関節が痛くなってくる。

こんな里山というのか裏山で甲府盆地を見ながらラッセルをしているのが不思議だ。

その後も膝上から股下のラッセルが続き、夏時間の2倍以上の時間がかかり、予定の千頭星はほど遠く、大西峰までも辿り着けずにテントを張る。

標高2000mでこの雪では、2人でオオナジカ峠と越えて辻山に抜けられない。明日は千頭星をピストンして甘利山にエスケープする事に決めて眠りにつく。

 

 

<コースタイム>

  小武川林道ゲート(:48)-御所山取付(:23)-御所山(12:58)-ビバーク地(5:15)

 

 

 1月30日 雪

テントを畳んでいる時はだ朝日が見えたが、出発する時には雪となった。

今日もラッセルが続き、雪はやがて本降りとなった。霧もだんだん濃くなり、ガスっていると甘利山への道がわかりにくいので、千頭星のピストンはやめることにした。

暫らく歩いていくと、ずっと下りが続くような感じ。ここが大西峰だろうと、周りを見渡していたらピンクテープがあった。これで登山道に乗ったと思っていたら、いつのまにか林業従事者用のピンクテープに引きずりこまれていた。稜線まで登り返し、コンパスで方向を確認しながら忠実に尾根を下る。夏には間違えようもない道なのだが・・・その後も支尾根に沿ってピンクテープがついていたりした。里山は林業用で人が入るので気をつけなくてはいけないと思った。

甘利山手前のコルで下部に小字沢林道が見えたので、そのまま斜面を下り、林道にでる。林道を下っていくと電波塔があり、そのからは除雪の跡がありワカンを外す。この除雪の跡が無ければ一日では下れなかっただろう。林道をクネクネと歩き続け、小武川林道に合流すると車を停めたゲートまでは僅かだった。

オオナジカ峠から鳳凰に行く計画はいとも簡単に崩れてしまい、裏山を歩くだけの年末になってしまったが、鹿島槍に行った知人も標高1600mで胸までラッセルになり下りてしまったと言っていたので、人が入らない山に行った人達は不完全燃焼の年末になっただろうと思う。

 

<コースタイム>

  ビバーク地(:20)-大西峰(:15)-甘利山林道(10:30)(14:08)ゲート

 

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