八ヶ岳 石尊稜

 

 

2008.1.13−14

 

  岩間  みー(記)

 

   

 

 

 

 

 

下の沢沿いから見た石尊稜

右下<2P>スラブ 

             

 

  折角の3連休であったが、土曜日は冬というのに雨のため土曜日の山行は中止。

 赤岳主稜に行く予定であった社長も行けなくなってしまったので、赤岳主稜はとっておいて石尊稜に行く事にした。

 土曜日に雪が積もっただろうから、取付までトレースをつけておこうと豪華赤岳鉱泉小屋泊りで前日から行った。

 

 1月13日(日)晴れのち曇り

   朝7時に起きて外に出ると、南アルプスは雲の中だったが八ヶ岳はきれいに見えていた。

 昨日は甲府盆地ではたくさん雨が降ったのだが、八ヶ岳は思ったより降らなかったようであまり白くなっていなかった。

 白州のコンビニに立ち寄ったのだが、今日から寒気が入るという事らしく強風でとても寒い。

 街でこんなに風が強かったら、ロープが流されて稜線なんて登れないかも?

 と思いつつ美濃戸に向かったが、美濃戸口に着いたら風もなく天気も良かった。

  昨日はこの辺りも雨で林道は凍結していたが、美濃戸まで車で入った。

 昨日入山したという知人にあったのだが、雨の中を傘さして濡れながら赤岳鉱泉まで来たと言っていた。

  赤岳鉱泉で受付手続きを済ませ昼食をとってから石尊稜の取付に向かう。

 赤岳鉱泉から中山乗越に向かい、最初に左から入ってくる沢沿いにトレースがついていた。

 トレースを辿っていくと石尊稜が見えてきた。石尊稜を登っている3人組が見え、トレースはある事がわかったので引き返す。

  今日はアイスキャンディーをやる事もなく、コタツに入ってだらだらと夕食まで時間を過ごした。

 赤岳鉱泉の食事はカレーときりたんぽ鍋とサラダとデザート2品で豪華ボリューム満点の食事であった。

 

 

 1月14日(月)晴れ

   山小屋の食事は6時からという。一番に取付きたいので、朝食は自炊して薄暗い中を出発。

 登山道から沢沿いのトレースに入ると三叉峰ルンゼに入るパーティーがいた。雪尊稜の取付手前から下降するそうだ。

 沢沿いから外れ斜面を登るが、このあたりで雪崩が発生するのだろう、斜面には何箇所か亀裂が入っていた。

  斜面を登った先に下部岩壁が見え、岩間が偵察にいく。

 下部岩壁の取付は狭いというので、手前の潅木がある広い所で準備をして出発。早く出てきたおかげで一番に取り付けた。

  <1P> みー

  潅木からスタートして下部岩壁の取付まで歩くのみ。ペツルが2本打ってあるところで支点を作る。

 <2P> 岩間 

  出だし5・6mくらいが難しい。草付も凍り岩にも雪がついていていやらしい。

 ダブルアックスで登るがバイルもなかなか決まるところがない。5・6m登ったところにボルトがあり、そこまでが核心。

 私はフォローなのでお気楽だったが、リードしろと言われて取り付く島もないって感じで、これが3級?と不安になる。

 私がロープを絡ませてしまったのでロープを延ばしきれず、ちょっと段になった手前でピッチを切る。

 <3P> みー

  ちょっと段になったところを左からあがろうとするが怖く、ランニングをとりたくなってしまう。

 「そんなところでとっていたらシュリンゲが足りなくなる」と言われる。

 ロープを積極的に出すバリエーションは初めてなんだもん、最初は全部フォローで連れてきてもらえば・・・と弱気になったが、

 気を取り直して登り始めた。段を越えた先は快適に雪がついた稜線となり安心。潅木で支点をとる。

 <4P> 岩間

  雪が少ない時は草付なのかもしれない。ここも潅木でランニングをとりロープをいっぱいまで伸ばして潅木で支点をとる。

 <5P> みー

  なだらかな雪稜となる。ロープいっぱいで支点をとれなかったのでコンテで登る。

  しばらくはコンテで大丈夫そうだったが、稜線が曲がるところに潅木があったのでピッチをきる。

 <6P> 岩間

  なだらかな雪稜はまだまだ続き、ランニングは取らずに潅木でピッチをきる。

 <7P> みー

  最初はビレーしてもらっていたが、雪稜はなだらかで雪も安定しているのでコンテで進み、ピトンが2本ある上部岩壁の取付まで。

 <8P> 岩間

  岩には氷がまとわりついているので、凹角に沿ってシングルアックスで登る。左にぐっと乗越す時に特に高度感がある。

  途中で支点がとれるところがなく、1箇所だけ後続のために岩にシュリンゲが巻きつける事ができたのみで、トップはフリー状態。 

  ロープ残り5・6mのところのピナクルでピッチをきる。

  石尊稜の中で、支点もとれず一番高度感があるピッチだ。

 <9P> みー

  岩と岩の間の雪が詰まった中を登ると、左の岩にリングボルトが1つあった。

  ここを抜けると稜線が近づいたのがよくわかる。ガレは雪で埋まっていた。適当な岩でピッチを切る。

 <10P> 岩間

  このあたりから風があたるようになり、終了点(登山道)で私をビレーしている時は寒かったらしい。

  登山道は風があたり寒かったので、お茶だけ飲んで行者小屋に向かってすぐ下りた。

 

赤岳の後ろに見えるのは南アルプス

   一番難しかったのは2P目で、リードしたら一番恐怖感あるのは8P目。

他は雪稜で特に問題なかったが、トレースがなかったら苦労しただろう。

 私と云えばこういうところを登るのは初めてでロープワークも登るのもトロトロだったが、

つるべで登るのはやっぱり早いと思った。

 「今日は暖かくてよかった」と思っていたけれど、甲府でも最高気温が4度という寒さだったらしい。

集中するってすごい。

 

 

             

 

  <コースタイム>

  赤岳鉱泉(6:24)―(7:34)1P目潅木―(10:55)登山道(11:08)−(12:20)行者小屋―(14:00)美濃戸

 

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