蝙蝠尾根(徳右衛門岳まで)

 

2007.12.3〜1.2

岩間 暁   みー(記

  

 

 

 

 

 

 

 

蝙蝠尾根の取付、これ以降はカメラが作動しませんでした             

 

  出発予定日の12月29日にかけて双子玉低気圧が通過し、その後に寒気が入るというので予定を変更して

 12月30日から3泊の予定で蝙蝠岳に行く事にした。

 低気圧の通過後は寒気が入るというが、最悪でも徳右衛門岳まで行きたいと出発。

 

 12月30日(日)雪

  AM8時に富士クラフトパークに集合。車で発電所の少し先まで入り転付峠に向かう。

 発電所より先は立派な林道を建設中で、林道脇に付けられた登山道の標識に沿って転付峠に向かう。

 発電所あたりは雪は全くなかったが、雪はこんこんと降り続き、歩いているうちに雪景色となる。

  東電管理小屋を過ぎて沢沿いから登山道が外れると急坂になり、雪はだんだん深くなっていく。

 転付峠が近づくと風は強くなり、峠の林道は風の通り道で、積雪は膝上くらいだが地吹雪で辛かった。

 二軒小屋に向かって下り始めると風雪は徐々に収まった。

 トレースがわずかに残っていたので昨日のトレースかと思って歩いていたが、

 後日お世話になる事となった「プリムラ山の会」が今日歩いたトレースだった。

 小屋が近くなると、登山道はツルツルに凍っていたのでアイゼンを履いた。

  二軒小屋は冬期開放されているので、雪の中を歩いてきても快適で、しかも水場もあって幸せだ。

 

 <コースタイム>

   発電所先(955)−転付峠(1445)―二軒小屋(1630

 

 

 12月31日(月)雪

  朝4:30に起きて出発。小屋の中に張ってあった案内図に沿って吊橋を2回わたり二軒小屋トンネルの先に出る。

 林道を回り込んだところが蝙蝠の取付きとなるが、丁度そこで地質調査?の工事をしていた。

 蝙蝠の登山道は急登で石はゴロゴロ、雪はわずかだったがガチガチに凍っていたので、下りが少々心配になった。

 急坂を2ピッチほど登るとトラロープが張られた岩稜があり、ここを越えると傾斜は緩くなる。

 やがて「なんでビルがあるんだ!」と思うような東電の巨大建造物が現れる。

  巨大建造物の上で休んでいると、昨夜、小屋で一緒だったパーティーの3人が追いついてきた。

 目印は随所に付けられているようだが、木の幹に塗られた赤ペンキの上に雪が張り付いて目印がよくわからない所がある。

 下山を考えて数箇所、赤布をつけておいた。

  標高2,200mくらいになると雪は膝上となりワカンをつけるが、フカフカの粉雪でなかなか進まなかった。

 緩やかな傾斜を登っていくと小ピークになり、小ピークを下ったコルに2パーティーともテントを張る。

 地図を見ると、たぶんこの小ピークの先が徳右衛門ではないか?と思ったがよくわからなかった。

 

 <コースタイム>

   二軒小屋(645)−蝙蝠尾根取付(740)−小ピーク(1415)−テン場(1430

 

 

 1月1日(火)小雪のち曇り

  あまりの新雪の多さに蝙蝠岳までいくのは諦め、徳右衛門まで行くことにしたので朝5時に起きる。

 昨夜の風と雪でトレースは全く消えていた。

  暁は風邪をひいてしまったかも?とテントで留守番をするという。

 出発の支度を始めようとしていた時、岩間が少し遠くの物を取ろうと手を伸ばした瞬間に腰を痛めてしまった。

 幸いにも軽いようで、荷物は背負えるし下りだからラッセルもできるし大丈夫だというけれど、

 会社の若い子がギックリ腰で腰が曲がったまま出社してきた時の事を思い出すと、あんなになったらと不安になった。

  少し休めば大丈夫というので、徳右衛門岳に行きながら「プリムラ山の会」に一緒に下りてもらおうと、先に出発していた後を追った。

 岩間は自力で問題なく下りられると言ったが、暁も体調不良で指も凍傷気味、万が一樹林帯の中で動けなくなったらとの私の判断でした。

 万が一、腰がひどくなって停滞する事になっても、体調不良のメンバーだけは先に他パーティーと一緒に下りる事ができるからだ。

 このあたりが男と女の考えの差だろう、きっと永久に交わる事がないと思う。私の判断は納得いかなかったようだ。

 男性は最後まで自力でやり遂げようとする。それによって身体にダメージを受けても甘受しようとする傾向があると思う。

 でも私、女は弱みを見せようが、最小の援助で最小のダメージ(できれば受けたくない)と願い、先手を打とうとする。

 女の方が、これからの生活や外見の傷を気にするからだろう。

  100m程登っただけで驚くほど雪が深くなっていたが、ラッセルの後を追っているので間もなく追いついた。

 私は、徳右衛門岳のピークらしき辺りで私は先に引き返えす。

  テントを撤収し一緒に下り始める。昨日のトレースは消えているので、目印を探しながらおりる。

 なだらかな尾根はガスっていると判りづらいので、もう少し赤布を付けておいた方がよかった。

 心配していた腰も風邪も悪くならず、荷物を持ってもらう事はなく蝙蝠尾根の取付の急坂を下り、林道に出て一安心。

 今日も快適に二軒小屋に泊まる。

 

 <コースタイム>

   テン場(745)−徳右衛門岳往復―(835)テン場−蝙蝠尾根取付(1245)−二軒小屋(1350

  

 1月2日(水)晴れ

  今日は、30日に転付峠を越えた時とは打って変わって穏やかな日だ。

 木々の隙間から見える南アルプスの山並を見ながら峠を越え、車を止めた発電所上に帰ってきた。

 「プリムラ山の会」の方には、お返しに雨畑温泉に入って甲府駅の隣の竜王駅まで送っていった。

 

 <コースタイム>

   二軒小屋(810)−転付峠(1100)−発電所上(1423

 

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