南ア 奥茶臼岳

 

      4月14〜15日  晴

 

    岩間 堀内 暁 みー(記) 

 

 

 

 

  

 

   1日目

  当会で唯一マイカー無し300名山をやっている堀内さんが、交通の便が悪くて行っていない奥茶臼岳。

 奥茶臼岳というと、地蔵峠から林道をてくてく歩いていくのが一般的だが、 

 昨年の秋に旧上村が尾高山から奥茶臼までの稜線沿いの登山道を整備したので、早速行くことにした。

 シラビソ峠には旧上村村営宿舎の「ハイランドしらびそ」があり、その開業にあわせて村道も除雪作業がされる。

  

  朝7:00に竜王に集合し、中央高速で飯田に向かう。

 下界は初夏の陽気が続いていたが、標高1900mのシラビソ峠は雪かアラレのようなものが降っていた。

 峠に車を停めて尾高山への登山道へ入る。登山道に入ると間もなく雪がでてきた。

 旧上村に電話をしたら「一般車の通行は4月13日から」と言われたが、

 村道は前の週から通行できたようで、トレースが所々あり少し残念。

 このトレースも奥尾高山の少し先まででなくなっていたが。

  天気がだんだん回復してきて、木々の隙間から南アルプスが少しずつ見えてきた。

 尾高山は人気のハイキングコースにも関わらず、頂上には小さい看板が立っているだけだ。

 頂上の先に切り開いて作ったビューポイントがある。

  ここから先が、昨年整備された登山道だ。黄色・ピンクのテープが鬼のように沢山つけられて少し興さめだが、

 尾根が広い山なので「遭難者を出したくない」と役場が心配するのは仕方ない事かもしれない。

 道を塞いでいたと思われる倒木も切られており、沢山の時間と人手を掛けて整備した事がよくわかる。

  尾高山の先で雪も腐っているのでワカンをつける。傾斜の緩い稜線に雪が積もった快適な尾根だが、

 木の上に積もった雪が溶け出して、小雨に降られているようだ。

 この尾根は、雪があればテン場を心配する必要は全くない。どこでもテントを張れる。

 奥尾高山を過ぎ、2202ピークの先の等高線がひょうたんの形になっているコルにテントを張った。

  

  (コースタイム)

 シラビソ峠(2:00)尾高山(1:00)奥尾高山(0:45)テン場

 

  2日目 晴れ

  4時に起きるが、すぐに明るくなり始める。

 日が出れば雪はすぐ腐るだろうとワカンをつけて出発。快適なクラストした尾根を登っていく。

 シラビソ林の気持の良い尾根を軽快に登っていくと、尾高山から続いていたピンクのテープが突然なくなる。

 下で使いすぎてなくなってしまったのだろうか?それとも無雪期であれば道が明白なのか?雪の下か?

 昨年尾高山に来た時に、怒涛のピンクテープが頂上まで続いていると思って、

 赤テープを持ってこなかったのは不注意だった。尾根はとても広いのでガスっていると非常にわかりにくいだろう。

 しばらく登ると東からの尾根と合流し、その尾根に沿って左へ曲がる。

 帰りにまっすぐ下りないように雪にストックで跡をつける。

  この合流地点は樹林帯も切れ、前日朝までの雪で山は白さを増し、すばらしい景色である。

 北は甲斐駒・南は光岳まで至近距離で一望できる。これだけの南アルプスの展望が見られる所は知らない。

 ここまで近くに南アルプスが見えると思わなかった堀内さんはカメラを持って来なかった。残念でした。

  前衛峰を越えると奥茶臼岳だ。

 奥茶臼岳の頂上には、消えかかった小さい看板があった。思ったより小さなピークで樹林帯の中だ。

  そろそろ雪が腐り出すか?と思ったが、山の上は気温があがらず、クラストしたままだ。

 ピンクテープがでてくるまでは、ワカンの爪の跡を見落とさないように下る。

 時々見える中央アルプスや北アルプスを見ながらテン場へ戻る。

  テントを回収しようとするが、雪はガチガチに凍って竹ペグがなかなか掘りおこせなかった。

 尾高山の先までワカンをつけたまま行く。スノーシューできても良かったかな?

 尾高山から先は、私達だけの静かな春山でした。

 

 (コースタイム)

 テン場(1:30)奥茶臼岳(1:00)テン場(0:40)奥尾高山(0:40)尾高山(1:30)シラビソ峠

 

  車に戻り、「ハイランドしらびそ」に行く。昨々日に営業開始したばかりなのに駐車場はいっぱいだ。

 展望風呂は、本日無料でラッキー。

 登山道を整備してもらったお礼を言って展望風呂へ。女湯からは中央アルプスと南アルプスも見えた。

 このコースも雑誌で紹介されたら、たくさんの登山客が来るだろう。本当にすばらしい展望でした。

 積雪期でも危険なところもはありませんが、視界が悪い時を考えて赤テープは必須。

  ここまで来たので「下栗の里」経由で帰る。どうしてこんな急傾斜地に大きい集落ができたのだろうか?

  

樹林の切れ目から南アルプスが

 

こんな尾根が続く

奥茶臼岳の頂上

   

                    雪山の記録