小渋川 〜 大沢岳

                                              

                                                          

<山行日>  2010.10.23〜24

<メンバー> M本(単独)

<コース>  23日(土) 湯折〜大聖寺平〜赤石岳〜大沢岳〜百間洞

         24日(日) 百間洞〜赤石岳〜大聖寺平〜湯折

         

しらびそ峠から大沢岳への登山道が林道崩壊のため通行止めといわれ、

はたして実際どうなのかの情報もキャッチできない。

この際、急がば回れで大鹿村の湯折から小渋川を登り、

赤石岳を越えて大沢岳に行くことにした。

 

23日                                                                       

5:35   湯折駐車場を出発

      アプローチは舗装道が主で思ったよりもスムーズに行ける。 真っ暗の中、5〜6台は置ける駐車場に到着。 七釜橋に明るくなる頃着くよう見計らい出発する。 靴は渡渉のため最初から素足にスニーカーだ。

6:00    七釜橋

      橋の向うに歩きやすそうな土手が見えるので、そこを歩くことにして橋を渡る。 護岸の一部が破壊され、土手の上まで水に侵された跡がある。 そこまで水位が増すと思うとゾッとする。 10分ほど整地された土手を歩いた後、道のない河原に入る。 それでも人が多く歩いた部分はそれなりにわかる。 間隔は遠いが時々石に赤ペンキでマークもされている。 一見それほど渡渉なしで行けそうに見えるが、しばらく進むとそうでもなくなる。 川は曲がっては右にぶつかり左にぶつかり、その都度渡渉が必要になる。 幸い水位も低く水も澄んでおり、浅い箇所を探すとせいぜい膝程度の濡れですむ。 しかし水勢があり川底も滑るので、ダブルストックでバランスをとらないと何時転ぶかわからない。 

6:52   高山の滝

右岸に高山の滝が現れ、広河原小屋までの半分来たことが確認できる。 人の歩く所を鹿も歩くようで、砂の部分にはいつも一緒に足跡がある。 素足にスニーカーはこの季節さすがに辛い。 水の中は当然だが歩いている時の足が冷たい。 靴下まで濡らしたくないというセコい考えがよくなかった。

8:32    広河原小屋

地図情報通り20回ほどの渡渉の末、広河原に到着。 すぐには小屋方向の森に入らず、百間洞に直登する廃道とやらを偵察しに更に河原を登る。 百間洞方向への微かな踏み跡が確認できる。 しかしここは帰り道で可能な場合とし、引き返して小屋へと向かう。 広河原小屋は思ったほどの廃屋ではないが、使い荒されている感じだ。 誰もいないのに扉が全開のままである。 中には置き去りにされた靴や雨具、焚き火の跡がある。 

朝食後、登山靴に履き替え 8:50 登山道を歩き出す。 しばらく緩やかな道を歩くと大聖寺平まで6Kmの表示があり、その先から急登で廃道かと思うような道となる。 次第に道はよくなるが、ほとんど急坂ばかりだ。 森林の中を約25分/Kmのペースで歩き、残り1.5Kmの船窪看板を過ぎて森林限界となる。 道幅の狭い低木帯、ザレ場など越えると稜線が見えてくる。

11:25  大聖寺平

      稜線は快晴微風で暖かく、荒川岳の景色が最高だ。 土曜日とはいえ人の気配はどこにもない。 去年の春も登山者には一人も会わなかったが、この時期もそのようだ。 

12:46  赤石岳

避難小屋も今期の営業を終了しており山頂は寂しい雰囲気だ。腹ごしらえの後 13:10 百間洞を目指し歩きだす。 

西側の大斜面は高低差がすごく、これを明日登り返すのかと思うと恐ろしい。馬ノ背から百間平は予想通りの快適な空中散歩が楽しめる。

聖、赤石、荒川などの名山を眺めながら歩く超気持ちいい所だ。そこから百間洞への高低差も大きく、これ以上下ろさないでくれと思う。

14:36  百間洞山の家                                   

      明日は天候がくずれそうなので、すこし遅いが荷物を置き大沢岳を回ってくることにする。

15:14  中盛丸山

      標柱は見当たらないが、おそらく山頂に立ったと思う。 兎岳がすぐそこにあるのだが時間的に往復は無理だ。

15:40  大沢岳(南峰)     

      しらびそ峠からは状況不明のため来られなかったが、遠回りしてやっと到着。 しかし峠方向へのしっかりした踏み跡があるため、登山道は利用されているのかもしれない。 

好天のためこの時間でも360°の展望は良好だ。 4時頃周囲には夕日と影のコントラストが現れ寂しくなる。 北峰は道らしいものが見当たらないので寄らず、ゴーロ道側を下山する。

16:48  百間洞山の家

      小さいが綺麗でりっぱな山小屋だ。 すでに今期の営業は終了しており、開放された2階部分を今晩お借りする。 

5時半頃あたりが真っ暗になると気温も一気に下がる。 熱燗と巨人対中日戦ラジオ中継で夜を過ごす。

 

 

                

駐車場の案内板                      聖岳方面                         百間平方向       

                                                   

24日

5:30   百間洞山の家を出発

      日の出見たさにまだ暗い頃小屋を出る。 広河原小屋に下る廃道の入口を探すが、確信できるものが見当たらず昨日来た道を戻る。 日の出は赤石岳の陰で見られなかったが、百間平での夜明けは良いシチュエーションだ。 朝焼けが今日の天候を予想させる。

7:35   赤石岳                                         

大斜面の登りは見た目にはきついが、登ってしまえばとアッという間だ。 私の誤差多大な腕高度計で見ると、山の家と赤石岳との高度差は655mであった。 曇り空だが山頂からの展望は良く、雲海の上に浮かぶ山々を見渡すことができる。

8:32    大聖寺平

今日もさっぱり人影はない。 荒川岳に寄ろうかとも思うが、雨で小渋川の水位が増すことも考えられるため、朝食の後 8:50 に下山する。 広河原小屋まであと2Km位地点で下山中のご同輩に出会う。 お互い人と会えたことを喜び、しばし会話する。 歩くペースが違うようなので私は先に行かせてもらう。

10:40  広河原小屋

12:20  七釜橋                                      

      帰りはいくら濡れても気にせず、コース取りも雑にどこでも渡る。 渡渉回数を減らせるかと思ったが、なぜか行く時と変わらない。 冷たい河原歩きは徒労かと思えたが、雄大な紅葉の渓谷美を味わうこともでき、来てみた価値があった。 何度川を渡ろうが冷たかろうが、水位さえ低ければ便利なルートだと思う。

12:50  湯折駐車場

      先ほど会った人は宿の車送迎とのことで、駐車場には私の車だけだった。 すぐ帰るには早いので、次に来る予定の鳥倉林道を偵察しに行く。 林道は整備が良く、すれ違いも出来る観光向けの道路のようだ。 距離が長いので、1/3ほどの所で全線問題なく通れることを確認して引き返す。 林道脇には栗の毬が沢山落ちているが、お猿さんに食べられたものばかりだ。 何度も車を止めて探した結果、お猿さんが見落とした2個を収穫した。

                                                         終わり

 

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