湯檜曽川:東黒沢 〜 ウツボギ沢 

(沢登り)

 

 

7月4日(土)〜5日(日) 

 

 

岩間  みー(記)

 

 

 

 7月4日(土)曇 時々 晴れ 

  朝起きて、天気予報やアメダスの情報をみて、上越も本降りにならず登れるだろうと出発。

 圏央道を通過し、関越道に入ると雨はだんだん強くなってきた。

 前橋あたりは本降りで、「今日は登れないだろう」と思いつつも車を走らせた。水上が近くなると道路は乾いていて、青空が覗いていた。

白毛門の登山口まで車で入り、沢の様子を見にいくと、少し濁って増水しているが、水量が下がってきているので入渓することに。

 身支度を整えていると「キャニオニング」のツアーがやってきた。

 「キャニオニング」とは、ナメ滝を滑ったり、淵に飛びこんで遊ぶらしいが、沢登りでもそういう事を喜んでやっている人達もいる。

 ガイトさんと少し話をしたが、何とも丁寧な方達で、やっぱり客商売なんだな〜と思う。

 

  沢沿いのしっかりした踏跡を辿って、堰堤の先で入渓する。最初はゴーロであるが、すぐにナメとなり、ハナゲの滝が出てくる。

 ハナゲの滝の左を登るが、水量が多いせいもあり、上部がちょっと怖かった。しっかりした巻道もあるらしい。

 「キャニオニング」では、ハナゲの滝も滑ると思っていたが、「危険というよりも痛くて滑れない」とガイドさんが言っていた。

 ハナゲの滝を滑る姿は迫力あるだろうと、楽しみにしていたので残念だった。

  淵に飛び込んで遊んでいるツアーの人達を後にして、ナメ床を歩いていくと、白毛門沢との出合になる。

 入渓した時より更に減水しているが、出合にかかる4m滝は豪快に水が流れていた。途中で梅雨の時期から出るヒラタケを見つけて収穫。

  相変わらずナメが続き、やがて両岸が狭くなってゴルジュとなる。

 水に浸かる気がしないので、右岸の踏跡から登り、ゴルジュの出口の少し手前で沢床に下りた。

  10m3段の滝を右から登ると、もっと綺麗なナメの連続が待っていた。

 一気に高度を上げていく白毛門沢に比べて、東黒沢は傾斜の緩いナメ床がひたすら続く。しかも水量も豊富で美しい。

 20mナメ状滝を越えたら、ナメは流石に終わりだろうと思ったが、まだまだ続いた。

  樹林帯が切れる頃、やっとナメは終わった。

 その後に出てくる二俣で、どっちに行こうか考えるが、左俣に赤テープが付いていた。

 その後も、沢が分かれるごとに赤テープが付いていた。

 稜線が近くなると、ほとんどの倒木にナラタケが生えていて、もう夏だな〜と思った。

 やがて沢筋がなくなり、なんとなくある踏跡を辿って上に登っていき、最後は鞍部に向かってトラバース気味に進む。

  鞍部は背丈ほどの笹薮で周囲がよくわからなかったが、腐った倒木の上に乗ったら、すぐ先に下降点となる赤テープが見えた。

 ウツボギ沢下降の踏跡は明確で、すぐに枝沢に出た。小滝も時々でてくるが、問題なく降りられる小滝ばかりだ。

 こちら側には、少し雪渓が残っていて、まだ春の装い。

 食べ頃のコシアブラ、芽を出したばかりの絶品のウルイもたくさん生えていたが、タケノコには少し遅かった。

  正面に対岸の山が近づいてくるとウツボギ沢本流との出合で、ナルミズ沢との出合の河原にテントの上にタープを張った。

 河原にはウドも生えていて、天ぷらセットを持ってくれば良かったと思った。

 まだシーズン初めなので太い流木もあり、雨が降って焚火を直前であきらめた?焚木セットも草むらにあった。

 岩間が毛鉤を持って釣りにいったが、手ぶらで帰ってきた。魚は逃げていくが釣れなかったそうだ。

  今回は、雨で焚火は無理だろうと思い、あまり贅沢な食事を持ってこなかったが、キノコと山菜が彩りを添えてくれた。

 予報通り夕方遅くから雨が降り出し、遠くで雷が鳴っていたが、雨は8時頃には止んだ。

 焚火は消えなかったので、再び焚火の周りでくつろいだ。

 

 <コースタイム>

  登山口(9:38)−白毛門出合(10:24)−ナメ後の最初の二俣(12:02)−鞍部(13:38)−ウツボギ沢本流(14:25

 

 7月5日(日)晴れ 時々 曇り のち 雨

  朝明るくなり目が覚めると4時半であった。もう少し寝ていたかったけど、天気の事を考えて起きる事にした

 テントから出ると、予想に反して雲がとれていた。

 朝食を済ませ、水の濁りもなくなり、昨日より明らかに水量が減ったウツボギ沢を登る。

  ウツボギ沢はナルミズ沢の影に隠れてしまっているだけで、実はとても綺麗な沢であった。

 青い空に白い岩床とエメラルドグリーンの淵、そして快適に続くナメと小滝。

  15m2段の滝は、右端を登って樹林帯に入り、最後は木を掴んで滝の落口に降りた。

 この先は大きい滝はなく、ナメの間に快適な小滝がいくつも出てきて楽しい。

笠ヶ岳を分ける二俣を左俣に入ると、大きくえぐられた雪渓が現れ、

その後も雪渓は続いた。雪渓の端を歩くが、薄くなっている所は歩きにくい。

次の二俣も左に入ると、今度はズタズタに崩れた雪渓が続く。

 やがて雪渓はなくなり、比較的歩きやすい沢筋を登っていき、 

ガレ気味の斜面を登ると藪漕ぎもなく登山道となる。

もう少し時期が遅ければ、この斜面も草原となって綺麗だろう。

今回は草の芽しか出ていなかった。

 

  ここからは、登山道を下るのだが、何だか歩きにくい登山道で私は苦手だ。

 今日は天気もいいので、白毛門に登ってくる人達は多いが、だんだん雲が出てきた。

 登山口が近づいた頃に雨が降り出したが、登山道には大きな樹林が多い被さり、雨に濡れる事はなかった。

 車に戻り、着替えていると雨は土砂降りとなった。

 

  水上温泉街の中の「ふれあい交流館」の温泉にいってみたが、きつい塩素臭で汗を流すだけで出てしまった。

 温泉街は、初めて行ったが、射的場も2.3軒あって、昭和の温泉街の雰囲気が残っていて興味深かった。

 お腹がすいたけど、関越道が渋滞する前に帰ろうと、水上のスーパーでお弁当を買ってお昼を済ませた。

 いつもは佐久経由で帰るのだが、関越道が渋滞していなければ、こんなに楽に帰る事ができるのだと思った。

  

 <コースタイム>

  テン場(6:15)−笠ヶ岳を分ける二俣(8:38)−稜線(9:27)−登山口(12:23

 

 

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