上越 万太郎本谷 

(沢登り)

 

 

    平成20年8月2・3日

 

    

      (ぽち家)

ぽち兄さん・ぽち姉さん

      (雪稜)

 岩間    みー(記)

 

 

 

  金曜日の夜に山梨を出発し圏央道を経由して関越道の湯沢ICで下りて土樽駅へ。

土樽駅で仮眠をとろうとしたが、高速道路と線路が近くてうるさいので、少し離れた空き地で仮眠をする。

 

 8月2日(土)晴れ

  朝4時に起きて、車で万太郎谷沿いの車道を走り入渓点に向かう。

 明日の車の回収を考えたら、土樽駅周辺に車を置いた方がいいのだけれど、

 人気の沢のうえテン場も少ないのでテン場確保のため、車で入渓点となる堰堤の近くまで行って時間を稼ぐ事にした。

  車を停めて車道を少しだけ歩き、堰堤を左から越えて沢に入る。

 入渓して少しすると、ナメやナメ小滝が出てきた。規模も大きく美しい雪にえぐられたナメの美渓は予想以上。

 ナメやナメ小滝が長く続き、しかも淵はコバルトブルーでとても綺麗。白毛門沢を何倍も大きくした感じ。

 関越トンネルの換気口を過ぎてゴルジュ状になってくる。

  右からオキドウキョ沢が入るいよいよトロとなる。

 井戸小屋沢に行った事があるぽち達は右から巻く。私達は、折角の機会だから高巻きしない事にした。

 あまり泳げない私はカッパの手をつけて右岸のバンド状にいき、水に飛び込んで対岸に渡る。

 その先の滝は私には登れそうにないので、そのまま左岸の岩を登ると巻き道に合流した。

 ここまでの沢筋は先行パーティーのタバコの煙が充満しており、

 既に喘息持ちの私は気管支が痛くなり、ぽち達も臭いだけでなく目も痛い程だった。

 やっと先行パーティーを追い抜き、風上にあたる上流に出る事ができたので、休まず先行する事にした。

  しばらく行くと雪渓が残り、水がシャワーのようにしたたっているスノーブリッジが出てきた。

 ぽち兄さんと岩間が偵察に行くと、スノーブリッジは奥まで続いていて、奥に階段状の滝が見えたそうだ。

 「巻いた方が無難」と今度は巻きの偵察に行こうとしていたら、先程のパーティーが歩きタバコで近づいてきた。

 言ってもわかってくれない人達で、このままでは喘息の発作を起こしかけないので、

 時間も早いしブリッジは左壁には川床までしっかりついているので、岩間と私はスノーブリッジの下を駆け抜けた。

 高巻したぽち達をしばらく待つが、雪で磨かれた岩が出ている巻きも良くなく。

  スノーブリッジの上は、また美しいナメとなりナメ小滝や淵が連続して面白い。

 水に入って取り付き小滝を登ったりと楽しい。1度は足が届かず取り付けずに上からシュリンゲを出してもらった。

  やがて一ノ滝となる。後続に追い越されたくないので巻く事にした。

 少し手前の左岸のルンゼを登り、踏み跡を辿って落ち口に出た。

 一ノ滝の上はゴーロで、途中から殆ど休ます歩いてきた疲れが一気にきたが、ゆっくり休んではいられない。

 ニノ滝を右から越えると、またナメとなり嬉しい。

  左からイシクラ沢が入り、ビバーク適地を探すが見つけにくかった。

 私達は、イシクラ沢の出合より少し下の右岸の一段高くなった所に泊った。

 まだ昼前だったが、上に抜けても有人小屋しかないので、のんびりした。その後4パティーが通り過ぎた。

 本日の食事は、みみ、しょうが焼き、ジャガイモとナス。

 

 

 <コースタイム>

  堰堤手前(6:38入渓点(7:06)−(8:05)オキドウキョ10:37)一ノ滝ー(11:25)イシクラ沢出合テン場

 

 

 8月3日(日)晴れ

  朝起きると稜線にはガスが掛かっていた。

 既に、ぽち達が焚火をつけて朝ご飯の支度をしてくれていた。

 6時15分にテン場を出発。イシクラ沢の出合から数分上の左岸にもいいテン場が1箇所あった。

 三ノ滝の対面にも高台がありテン場になる。

  三ノ滝には、昨日の喫煙パーティーが登り出していて、その後に2人パティーが待っていた。

 最初のパーティーは三ノ滝の2段目は右の支流沿いに登り、潅木の中を左にトラバースして本流に戻ったようだ。

 2人パーティーが1段目を登った後、ぽち兄さんはハーケンを2本打ってリードする。

 2段目は岩間が空身でリード。滝の右端をちょっとだけ登ってから乾いた右の壁に出て登る。

  三の滝の上もナメ状だが、水量も減ってきているのでヌメリ気味。

 今日も沢は煙が充満。途中であのパーティーに追い越したので休まず登る事にした。

 傾斜はだんだんきつくなり、最初の二俣。本流と言われている右に入ると小滝が続く。

 目の前の小滝につられて奥の二俣を左に入ってしまったが、最後尾のぽち兄さんが二俣に気付き引き返す。

  朝はガスが出ていた稜線もすっかり晴れて暑い。

 水が涸れる所で腹ごしらえをして、水を汲んで更に登る。いつもはもう少し上でも水が出ているらしい。

 いつしか周囲はお花畑となり、草丈も段々と短くなり登山道に出た。登山道わずかで肩ノ小屋。

  肩の小屋に着いたのは12時前で13時53分の下り電車に間に合いそうだったが、

 ぽち兄さんが茂倉新道を下りて車を回収に行ってくれると言うので

 お言葉に甘え、ぽち兄さんの荷物を3人でわけて私達はロープウェイ駅に向かった。

 登山道はすごい人で、抜かす事もままならないし、すれ違いも頻繁で時間が掛かった。

 ロープウェイは殆ど待つ事もなく乗れたが、もし13時53分の電車に乗ろうとしたら休まず歩いてギリギリだった。

  車を回収したぽち兄さんに土合駅まで迎えに来てもらった。

 とても早い下山のぽち兄さんに驚いたのですが、キノコを採ってきたというのは更に驚きだった。

 お風呂に入って岐路につくが、関越道も下道も混んでいた。圏央道が繋がっても、やっぱり帰りは佐久経由がいいみたい。 

 

 テン場の取り合いになる程の人気の沢にも納得の美渓であり、更に面白さもある楽しい沢だった。

 ただ、メンバー全員がヘビースモーカーでマナーも良くないパーティーと一緒になり、ゆっくり楽しめなかった事だけが残念でした。

 普通の喫煙者は、休憩時やテン場でしか喫煙しないし、歩きタバコをしないし、タバコ吸いながら近づいて来ないのですが、

 首からタバコや携帯灰皿をぶらさげ、少しの待ちでもタバコ、余裕があれば歩きタバコ、タバコ吸ったまま道をあけないし。

 今回のような事は初めてでしたが、タバコが苦手な人の事を考慮してくれると、こちらも愛煙家に優しくなれるのですが。

 

 <コースタイム>

  イシクラ沢出合テン場(6:158:15)三ノ滝−(10:51)肩ノ小屋−(12:48)ロープウェイ駅−土合駅(13:48

                                   − 茂倉岳経由 −堰堤手前車(1414) 

石畳のようなナメ床が続く

三ノ滝の一段目を登る

 

                     沢の記録に戻る