栗駒山 産女川  −沢登り―

 

2007.7.14 

天気:キリ

 

(雪稜)akisan.岩間.田中.. みー(記)

(山梨アルパイン) 十班             

 

  今年の連休も梅雨は明けず、台風も来ているのでどうしようか?となったが、

 台風の影響が少ないと思われる14日の土曜日に、一気に登ってしまおうと出発間際に決め、

 夜中走り続けるので、土曜の夜は、ゆっくり休んだ方がいいだろうと須川温泉の湯治部に予約を入れた。

 台風のせいでキャンセルがあったのかもしれない。部屋は空いていてラッキーだ。 

  金曜日の夜8時半に旧竜王町役場に集合し、車2台で出発。

 最短時間で行くため通行料金は少し高くなるが、中央高速〜圏央道〜関越道〜外環経由で川口から東北自動車に入る。

 雨の中、交代で頑張って運転し、朝4時前には厳美渓道の駅に到着。1時間ほど仮眠して再出発。

  真湯温泉の向かい側にある桂沢林道に入り、ゲートまで行く。

 時間に余裕があれば、車1台を須川温泉に回した方が便利だが、天気がいつまで持つか心配なので、

 車は後で回収する事にして、2台ともゲートに車を停めて出発。

  昨夜降った雨の雫が、木の葉から落ちてくるが、天気はしばらく持ちそうだ。

 

 

  林道をぐるっと回り込んだ所に沢が切れ込んでいて「産女川か!」と期待するが残念。

 沢は秋川のように小さく、橋も架かっておらず、「産女橋」はもう少し先。寝不足には辛い長い林道だ。

 

  「産女橋」手前側から踏み跡をたどって沢に下りると、岩魚が逃げる逃げる。やはり禁漁区、魚影が濃い。

 産女川は入渓した所からナメできれいだ。しばらく行くと、前回ホールドが欠けて、岩間が怪我をした6mの幅広滝。

 昨年の秋に比べると水量はずいぶん多い。昨年登ったラインは水量が多くて登れない。

 ここは、岩間が果敢に再リード。左端の倒木を使い、右上に向かって登る。

 万が一、またホールドが欠けて落ちてしまう事に備え、下でスポットをするが、受け止められる訳はない。

 滑り落ちてきたら滝壺に突き飛ばす体勢を構えるが、無事に滝を登る。

 相変わらずヌメった滝だ。フォローでもやっぱり落ちたくない。

 

  6m幅広滝上の小ゴルジュっぽく所は、水量が多くてヘツリがいやらしかった。

 その上も綺麗なナメが続き、まもなく30mにわたる小滝群。ここは全ての滝を快適に越えられる。

 

  3段の滝は左から3つまとめて右岸高巻くが、登りだしが良い箇所が見つからない。

 滝の少し下から田中社長が取り付きフィックスを張る。後続はゴボウで登る。

 少し登ってしまえば踏跡も、しっかりしている。泥々で足元が滑る斜面を木にまりながら下りると20m滝の落ち口だ。

 滝の上と下に泊まった記録があったけれど、滝下は土木作業をしないと泊まれない状態で、滝上の台地も気が付かなかった。

 

  12m滝に着くあたりから小雨が降り出した。

  この滝も水量が多くて登れそうもないので、少し戻って左岸のガレ沢から高巻く事にした。

 ガレ沢を少し登り、ネマガリの中をトラバースする。ネマガリが美味しいが、ネマガリ漕ぎはうっとうしい。

 沢に下り立つ時に懸垂したが、雨でぬかるんでいなければロープは要らないだろう。

 

  だんだん雨は強くなるんだ〜と、あきらめてカッパを着るが、ゴーロを歩いているうちに小雨は止んだ。

 ナメ・ナメ滝が続いてきれいだが、雨と雪代で水量が多いので、サラサラ流れるナメではなく、豪快なナメだった。

  一旦ナメが終わりゴーロとなるが、またナメが現れる。

 10mの滝もシャワークライムどころではないので、右から巻く。

 なんだか水が冷たいと思いながら歩いていたら、雪渓が現れたが、まもなく雪渓は切れてナメ滝があらわれた。

  二俣では、左俣は雪渓。私達は避難小屋がある右俣に入る。

 右俣に入ってもナメは続くが、更に水は冷たくなる。ガスの中、なんとなく草原ぽい景色が見える。

  しばらく行くと、雪渓となった。ガスでほとんど景色は見えなくなってしまった。

 適当に歩いていても小屋はわかるだろうと、高をくくって歩いていたら、暁が「小屋ではないか」と言う。

 小屋の姿は見えない。ガスの中、ぼんやりした輪郭が直線に見える所があるだけだ。

 注意深いメンバーがいてよかった。これに気がつかなかったら、登山道にぶつかるまで雪渓の上を歩いていただろう。

  雪渓を挟んだ小屋の対面に水が流れている枝沢で水を汲むが、水が流れているのは今の季節だけだろう。

 

  笊森避難小屋は、とてもきれいだ。ここに泊まるのもいい気持いいだろう。

 ここから、akisanと暁が、笊森登山道を下りて車を回収に行ってくれる。有難い。

 この登山道は、とても荒れていたそうだ。木道は液状化現象のようになっているし、橋も腐りかけていたそうだ。

 今まで歩いた一般登山道の中で一番悪かったそうだ。救いは唯一、立派なブナの森だったそうだ。

  残り4人は、今日のお宿の須川温泉直行と栗駒経由須川温泉に分かれた。 

 

  浴室は内湯・露天ともすごく広く、足元が見えないくらい白濁した温泉で素晴らしい。  

 晩御飯は焼肉をやったが、みんな疲れて食もお酒も進まず、いつ眠りについたのかもわからなかった。

  翌朝、早く帰りたい2人は、朝4時半頃に車で帰った。

 残る4人は、フロントで食券を買って、湯治部用の第2食堂で朝食を食べて帰ったが、

 雨風強く、磐井川は濁流となっていた。昨日はここまで頑張って来て良かったと思った。

 

  全国的に天気が悪い中、日帰りの沢でも遡行できて良かった。

 天気がイマイチだったにも関わらず、変化に富んできれいで楽しい産女川は素晴らしいです。  

  

 

 (コースタイム)

   ゲート(1:30)産女橋(3:45)大滝上(2:30)二俣(0:30)笊森避難小屋

 

 

 6m幅広滝

へつります。

 

30m小滝群

 

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