滝川 金山沢(遡行)

     曲沢(下降)

     

    −沢登り―

 

  2007.6.2〜3

         岩間  みー(記)

 

 

 

 

  今年初めての泊まりの沢。直前に行けなくなった人達が出てしまい、結局2人となった。

 雁坂トンネルを越えて「出会いの丘」に監視カメラから見える位置に車を停める。

 ロープを何本も持っている5人組がいたが、この近くに洞窟にケービングに行くそうだ。

 

 6月2日 晴れ 時々 曇り

  「出会いの丘」から国道を埼玉側に向かって歩き、天狗岩トンネル先の柵の脇にある踏み跡を下りる。

 一旦林道を横切り更に下りると、ちょうど豆焼沢の出合に下り立つ。以前、来た時と下り立った所が違った。

 

  さすがに滝川本流は水量が多く、「久々に沢らしい沢に来た」と喜んだのもつかの間、股下の渡渉でも水の冷たさがこたえる。

 最初の深い落込みは右から巻き、次のゴルジュ帯は一気に左から巻く。ほとんどの巻きは左についている。

 水が冷たいので高巻きを繰り返すが、まだシーズン初めで巻道も踏み固められていなくて歩きにくい。

 盛夏に来た時は何でも越えていったはずだが、今日はなかなか進まない。

 何度か腰上の渡渉を繰り返しながら進んで行くと、スダレ状の滝を掛けた沢が左から入る。

 このすぐ先で左から沢小屋沢が入り、しばらく行くと上に崩壊したつり橋が見える。

 更に巻きと渡渉を繰り返すと胸まで浸からないと進めない所が出てきた。

  この少し先で左から曲沢が入る。ここからは金山沢までは平凡な流れで渡渉もだいぶ楽だ。

 金山沢の出合には釣り師が一人いた。釣橋小屋に行く登山道から尾根伝い踏跡を下りて来たそうだ。

 渡渉を避けて高巻いたので、ここまでだいぶ時間をロスしてしまった。

 

  金山沢に入ると入口はゴルジュになっており、水量はぐっと減り一安心。

 最初の滝は、やはり濡れたくなくて右から巻く。

 8mS字の滝は右の斜面から巻くが、岩が非常に脆く悪い。電子レンジ大の岩も剥がれて落ちるので要注意。

  2つ目のゴルジュの滝も右から巻くと、しばらくは大きな滝もないので竿を出しながら登る。

 サイズは20センチくらいの岩魚でお腹が鮮やかなオレンジ色である。小さいが今年初の岩魚なので一匹だけ頂く事にした。

  今日は小屋跡までとしてテントを張るが、広くていいテン場だがゴミが多い。

 早く服を乾かしたいので、さっさと焚き木を集めて焚火に火をつける。

 夜は寒いと思って3シーズンの寝袋を持ってきたが、テントの中は暑かった。

 

 (コースタイム)

   出会いの丘(0:35)豆焼沢出合(2:30)金山沢出合(1:30)一つ目の小屋跡

 

 6月3日 曇り

  小滝が時々出てくるが凡な流れをしばらく歩くと、ナメ・ナメ滝が予想以上に続く。

 2つ目の小屋跡も一升瓶の残骸が山のように落ちていて、あまり良いテン場ではなさそうだ。

 小屋跡を過ぎてもナメが続く。

  やがて二俣になり水量の多い右俣に入る。しばらく行くと曲沢の中で一番大きい滝が出て来た。

 ここは、右の斜面を少し登り、左にトラバースして、滝の落口にでる。

 水流がほとんどなくなった二俣では、わずかに水流のある右に入る。最後は左の尾根に上がると、登山道までわずかだった。

 登山道は、赤テープが付いているが、赤テープがなければ通り過ぎてしまう程度の登山道だ。

 

  顕著な尾根を2つ越えると水が流れている沢が横切る。

 地図を確認し、曲沢で間違えないだろうと下降を始める。

 

  一旦伏流となるが、また水流が出てくる。トイ状の滝は右岸から懸垂で下りる。

 釣人の巻道を利用しながら下るが、二俣までは長かった。

 二俣を過ぎると、沢の傾斜がきつくなり、巨岩がたくさんある。

 左岸に付けられた大高巻の踏跡を使うが、途中で先に進めず短い懸垂で沢に下りる。

 

  右岸から枝沢が入ってすぐに、細いパイプがあって、白い大きい布が3枚も巻かれている所があった。

 「これは川又に続く登山道?」滝川本流をずぶ濡れになって下りたくので、この道を行く事にした。

 入口すぐに廃屋が2件あり、赤テープもしっかりついている植林の中の道だ。延々とトラバースしている。

 悪い所も数箇所あるが、歩いたばかりの足跡もあった。釣人が利用しているのだろう。

 1時間弱で沢に下りる明確な踏跡があった。「豆焼沢の出合におりられるかも」と言う。

 「でも沢小屋沢を横切っていないからおかしい」と思うが、強く言えずに下る事になった。

 踏跡を本流に向かって下っていき、最後は懸垂で下りると、すぐ上流は曲沢だった。

 小雨も降っているし、やっぱり本流を下りたくない。濡れたくないし、巻きも悪いし。

  踏跡を登りかえし、トラバース道に戻る。

 トラバース道を行くと水流のある沢が横切る。これが沢小屋沢だろう。その先で、水流の少ない沢がもう一度横切る。

  どんどん進むと、沢小屋沢を過ぎて1つ目の本流に下る明確な踏跡があったが、吊橋に向かう道かもしれない。

 2つ目の分岐には、トラバース道を塞ぐように木が立てられており、対岸には国道も見えていたので、ここを下る事にした。

  この下りは階段もあり、本流に金属製の吊橋もかかっていた。

 対岸を登り返すと林道が横切っている。この林道は天狗岩トンネルから本流に下る時に横切った林道だ。

 この林道を上流側に歩いていき、昨日下った踏跡を登り返すと天狗岩トンネル。

  冷えて足が痛くなってしまい、岩間に車を取りに行ってもらった。

 

 (コースタイム)

   テン場(1:00)2つ目の小屋跡(2:00)登山道(0:35)曲沢(1:50)二俣

   (1:10)曲沢出合への下降点(1:20)曲沢出合への往復(1:45)天狗岩トンネル

 

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