黒部東沢 − 水晶岳 − 赤牛岳 (沢登り)

 

                         2002年8月13日―17日     記録 岩間

  

 

  岩魚がたくさんいる東沢に行きたかった私達と、赤牛岳に行きたかった典子の希望が一度にかなう

 黒部湖〜黒部東沢、水晶岳〜赤牛岳から読売新道経由で黒部湖に周遊する事となった。

 

  1日目

  平ノ小屋までの道は、相変わらずクネクネと長く退屈な道だ。渡しに乗り対岸に渡る。この前は針の木から下りて来て反対に渡った。

 この道はダムの縁にあるため崩れやすく、修理するたびアップダウンが増えてくる。

 6時間以上もダムの縁を歩き、奥黒部ヒュッテに着く。ヒュッテでビールを買い、東沢に入る。

  入渓して、いきなりゴルジュが出てくる。トポには、右岸から行くとあったが、支流のルンゼをトラバースするにはガレていて悪い。

 一度戻り、もう一回ルートを探すが、やはり同じガレの所で詰まる。では?と左岸を見に行く。

 左岸は右岸よりさらに立っており、上の林まで登ってトラバースとなると、かなりの高巻になりそうだ。

 もう3時を越えたので、少し戻ってテントを張る。焚火をおこしていると夕立が来た。

 

  2日目

  天気は晴れだ。さてゴルジュはというと、渡渉してガレの先のルンゼに入り小滝登れば、右岸沿いに行けそうだ。

 ピンポーン、正解でした。しかし、ゴルジュの右岸沿いは根曲がりのヤブだった。

 むーん6月頃に来られたなら(平ノ渡しは、まだだから無理だが)いい筍が思いっきり採れるだろう。

  ここからは、滝もなければゴルジュもない。多少厳しい渡渉があるだけでゴーロが続く。

 一ノ沢、二ノ沢、三ノ沢と出合っていく。途中で休んだ時に、田中先生が竿を出すと一匹だけ釣れた。ゴーロはさらに続く。

  ところが、4時間近く過ぎると、唐突に渓相が変わった。広いゴーロが、森の中で渓流になった。

 数年前の台風で、沢は大荒れで岩魚も壊滅状態と言われたが、自然の回復力はすごい。

 ここは、竿を出さずにいられない。一発でアタリがある。よしよしと、サオを出しつつテン場を探しながら行く。

 川が左に曲がった左岸に、いい所がある。焚火の支度をして、本日のおかずを釣りに行く。

 典子はテント脇の一つの淵で、立て続けに3匹あげた。しかも、3匹とも入れ食い。

 面白いのは、1匹目より2匹目、2匹目よりは3匹目と痩せてくる。3匹とも28cmだが、3匹目はウナギのように痩せていた。

 塩焼き、味噌焼き、刺身、ムニエルと岩魚づくしで満足〜!!

 

  3日目

  本日の晴天である。黒部東沢も、ここまで来ると普通の沢である。

 滝らしい滝もなく歩いていくと、だんだん水が細くなり、東沢乗越に詰める。ここで、3人で翌日分も合わせ8Lくらいの水を背負う。

 乗越から水晶小屋までの道は高速道路だが、水の重さがこたえた。ここで、さらにビールとジュースを買う。

 私は水がこたえて典子に持ってもらう。(このビールとジュースが、後で美味しかった)

  水晶岳を過ぎ、赤牛岳へと進むが、雨がポツポツときて、雷も鳴り始めた。

 稜線が広くなり、うまい所でテントを張ると、雷が近づき土砂降りとなる。

 あっという間に、コッフェルいっぱいの水が溜まる。こんなに雨が降るなら、水を持って来なくても・・・

 一時間程で雨は上がり、夕日が差してきた。稜線上からは、対岸の薬師がでかい。う〜ん夏山JOYみたいだ。

 本日は、焚火はないが満足。

 

  4日目

  今日は、読売新道を下るだけである。と思ったが、これが長〜い。

 私達にとって一般登山道は、ヤブもなく高巻もない高速道路だが、この読売新道は高速道路ではなかった。

 (まだ、予備食含めて2日分の荷物を持っているから?)

  登山者には、ほとんど会わなかったが、テント泊単独の女の人にすれ違った。

 彼女は、早月尾根→剣→立山→平の渡し→赤牛岳→三俣蓮華→新穂高と縦走している。

 早月尾根と読売新道を歩きたかったそうで、一度に2つを歩ける素晴らしいコースとうれしそうだ。

 彼女曰く“立山・剣は普通の人が多かったが、平の渡しからはヘルメットやハーネスを持ったマニアックな人達が多かった“

 「でも、あなたのルートの方が絶対にマニアックだ」と、3人とも心の中でつぶやいた。

  それでも、昼過ぎには奥黒部ヒュッテに着く。頑張って、平ノ渡まで行くが疲れた。

 平ノ小屋でビールを買い、中ノ谷出合にテントを張る。

 

  5日目

  本日は帰るだけ。黒部ダムまで嫌々歩き、トロリーバスに乗り車に戻る。

 

 

 

 

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