南ア)赤石沢  

            −沢登り−  

 

  2001年8月11日―15日 

 

                                 記録 岩間 

 

 

  夜8時に集まり、静岡経由で出発する。

 52号を下り、1号線に出て大井川に沿って登って行く。

 静岡だからコンビニはあるだろうと思っていたが、大井川沿いにはコンビニがなく驚いた。

 畑薙第一ダムの駐車場に着き、テントを張り仮眠。

 

  1日目

  朝、起きるとバス乗場で山梨岳連の嶺峰クラブの人に会う。

 その人は、雨畑から山伏峠を抜けて3時間で来たと言う。ガーン。私達は清水を回って5時間かけて来た。

 2年前はとんでもない悪路だったのに、一部を除き、ずっと舗装だそうだ。情報収集不足。

 帰りは、そっちに行ってみよう。

  バス乗場では、登山相談所が設けられ、全員しっかり登山届けを書かされる。

 登山届の記入欄に「メンバーの服装の特徴」という欄があり、4人いるし何と記入したら?と考えていると

 十班が「全員ジャージ」と言った。確かに特徴だが・・・そんな事を聞いているわけではないよ。

  バスでサワラ島まで行き、牛首峠まで少し戻って入渓となる。

 ダムができて水量が減ったため、淵もどういう事もなく通過できる。

  ニエ淵に来ると、さすがに泳がなくてはならない。

 さて誰がトップで行くか?ジャンケンで決める。なんと、1番年寄りの私が行く事になる。

 ザックを下ろし、ロープをつけて泳いでいくが押し戻される。

 なんとか滝上に立ち、ロープを引くが、落ち口に引掛かり動かない。もう一度、水に潜ってロープを外す。

 「こういう事は若い者がやるものだ」とブツブツ言いながら、後続を確保する。

 その後も、へつり・渡渉・泳ぎを交え、楽しみながら進む。

 かつてのピトンが頭のずっと上に打ってあり、ダムが出来る前は、こんなに水量があったのかと思う。

  やがて河原が広くなりゴーロ歩きに飽きた頃、突然、目の前に取水堤が現れた。

 堰堤に登り、バックウォーターまで30mくらいを泳ぐ。

 岸までもう一息という所で、典子が流されそうになり十班に助けてもらう。

 さて、テン場予定の北沢出合は、目と鼻の先。

 右岸の高台の上にテントを張る。薪を集めて焚き火の準備をして、竿を出す。

 今夜のおかず分のイワナを頂き、第1日は暮れていった。

 

  2日目

  今日は、天気がイマイチという予報である。

 まずは、門ノ滝20m。左岸を登っていくのだが、今日は一番若い十班に全部リードしてもらう事にする。

 次に出てきたのは5m滝。ここも十班が空身でリード。岩の間を登り、上でトラバース。

 ザックを先に引き上げて全員空身で続いて登っていくが、なかなか面白いルート取りである。

 引き続くいやらしいザレの大ガランは、沢身から離れて恐々トラバース。

 この頃から雨がポツリポツリと降ってくる。

  やがて、赤石沢の名の元であるラジオリアの赤い石が目に付くようになる。

 すると、右岸よりシンホネ沢が出合い、大滝だ。

 ガレ沢から踏み跡を沿いにルートをとり、右岸を高巻く。ロープを出し、十班リードで行く。

 最後尾を行くと、すごく臭い。ニンニク臭い。

 周りを見ると行者ニンニクではないか!誰かが踏みつけたのが臭っていたのだ。

 メンバーに声を掛け待ってもらい、近くの木にセルフをとり、足元の行者ニンニクをせっせと摘み取る。

 今夜のおかずが一品増えた。

  大滝のあるゴルジュを巻いて沢に戻るが、雨が降っている。

 滝沢が見える右岸に幕営地があり、今日はここまでとする。

 私はサオを持って岩魚を釣りに行くが、雨が本降りになってくる。

 残りのメンバーが薪を集めてくれたが、雨が強くなったので、テントの中に避難する。

 今日は、テントの中でバーナーでの食事かな?と思い始めた頃、雨が弱くなってきた。

 表に出て薪を積み上げる。びしょ濡れだが、小枝を思いっきり積み、新聞紙で上から包んで火をつける。

 待つ事しばらく、いぶってきた。焚き火が炎を上げる。焚き火を囲み、濡れた服を乾かした。めでたしめでたし

 

  3日目

  今日は、ゴーロ歩きから始まる。

 赤石沢をすぎ、百間洞までは1時間半くらいだ。出合には先行パーティーのビバークの跡がある。

 水量は減るが、小滝が続き楽しめる。一本入れた時に竿を出してみるが、小ぶりだが岩魚はいた。

  15m滝を右から巻き、穏やかになった沢をお花畑を見ながら行くと百間洞山の家があらわれる。

 ハーネスをはずして濡れた物を乾かしていると、なんとなく「今日はここまで」という雰囲気になり

 昼を過ぎたばかりだが、ここに泊まる事にする。

 滅多いに山小屋には泊まらないのだが、東海フォレストのバスに乗るためには、どこかに泊まらなくてはならない。

 なんと、ここの従業員が山梨県のクライミングコンペに出ており、私の事を覚えていてビックリした。

 

  4日目

  今日は霧雨の中を出発。

 小赤石・赤石と行くが、ガスの中で楽しみにしていた展望はない。

 後はサワラ島まで下るだけだが、これが結構長かった。

 結局、食料もまだ余っており、今日中に帰る必要もないので、サワラ島にテントを張ってゆっくりお酒を飲む。

 

  5日目

  バスに乗り、駐車場に戻り、田代でお風呂に入って、山伏峠を越えて山梨に帰った。山梨は近かった。

   

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