マンダノ沢〜部名垂沢下降

2017年9月16日〜17日
  岩間 トッシー みー(記)

 

(1日目)夏瀬温泉8:00−取水堰堤9:28−マンダノ沢出合10:5615:45上天狗沢出合15:45
(2日目)上天狗沢出合6:18−朝日岳山頂10:45−部名垂沢下降開始11:58−夏瀬温泉20:06

 

金曜日に甲府を出発して観光をしながら秋田に向かい、東北出張のトッシーと田沢湖駅で合流し夏瀬温泉に向かい、テントを張って泊まった。
今回は二泊三日の予定であったが、台風が来るため一泊二日に予定変更となった。

9月16日 晴れ
 朝5時に起きて出発する。
吊橋を渡り崩壊した林道を歩いて行くが、ピンクテープに誘い込まれ湖岸に出てしまった。
湖岸に流れ込む沢に沿って歩き、崩壊した林道に戻る。
その後も取水堤に下りる道を通り過ぎてしまい、支流の沢を下降し取水堤に着くまで1時間程、ロスをした。
 12時までにマンダノ沢出合に着かなければ敗退する事にして堀内沢を遡行する。
堀内沢の象徴の三角錐岩は先端が折れていた。
水量が多い中、ゴーロ歩きのトッシーがすっ飛ばし、3時間でマンダノ沢出合に到着。
 マンダノ沢に入ると急に傾斜が強くなり、ボルダラーが喜びそうなハイボルダーが積み重なった巨岩帯になる。
水量が多いため、ライン取りが大変だ。
後続パーティーに追い越された。
マンダノ沢の最初の滝は先程追い越していったパーティーがロープを出して荷揚げをして登っていた。
私達は左から高巻き、念のため懸垂で下りたが懸垂なしで降りられそうだった。
2段10mの滝も登れず巻く。
 気が抜けない巨岩帯は延々と続き、3段10m滝を越えると突然穏やかな渓相になり、緊張が解かれた。
蛇帯淵の手前には素晴らしいテン場があり、泊まりたいのはやまやまであるが、明日の行程を考え先に進む。
このまま癒しの渓相が続く事を期待したが、巨岩は少し小さくなるが、上天狗沢の出合まで気を使う歩きだ。
 上天狗沢の出合に3人で泊まるには十分なテン場があり泊まることにした。
私達を追い越したパーティーは下天狗沢に少し入ったところで泊まりの仕度をしていた。
少し前の大雨のせいか、流木が少なく焚き木集めが大変だった。
それでも立派な焚火ができ、塩豚や豚汁を作った。
台風が近づいて来ているため、夜は強風でタープがバタバタ音を立て続けていた。

9月17日 曇り

朝になっても風は止まない。
沢床は風が当たらないが、稜線の木々は吹き荒れる風で激しく揺れている。
朝ご飯を手早く済ませて出発。
 晴れて時間の余裕があれは、ナメと簡単な小滝が続き、のんびり歩きたい綺麗な沢が続く。
沢がだんだん枝別れして行くが、本流と思われる沢を選んで進み藪に突入した。
ガイドでは30分の藪漕ぎとあったが、灌木混じりの密藪で灌木を避けながらの藪漕ぎはなかなか進めず、1時間半以上漕ぐことになった。
 やっと藪漕ぎが終わると草原になるが、今度は強風で立って歩けない。

這うようにして朝日岳の山頂に登り、写真を撮ってすぐに下降にかかる。
時々ガスが掛かるが、下りる稜線は良く見える。田沢湖も見えた。
踏み跡は稜線から少し下に着いているため、風が当たらず助かった。
どんどん下りて行くと、踏み跡がわからなくなった。
地図を見て赤布がいくつか付けられている事もあり踏み跡がなくなる少し前のコルから下りた。
 地図を確認しながら右俣に入り混まないよう下って行く。
下れない滝には概ねフィックスがついていたが、ロープも出した。
標高650mくらいまで下ると傾斜は緩くなり、普通に下れるようになるが、部名垂沢はずっとゴーロで足が痛くなって来た。
ここで泊まりところであったが、明日は確実に台風が来るので、どうしても今日中に下山しないとならない。
 林道に出てホッとしたが、この先も林道歩きが長かった。
途中で暗くなりヘッ電をつけた。
夏瀬温泉3.9qの看板があったが、暗くて旧道が分からず延々と林道歩きだ。
 旧道から夏瀬ダムに出る予定だったため、この林道がこの先、どうなっているのか?吊橋に戻れるのか不安であった。
トッシーが「アプローチで湖岸に下りて行ってしまったが、これが本来の林道じゃないのかな?」って言った。
暫くすると見覚えのある道となり、「良かった。帰れる。」とほっとした。
 ほとんど雨にも降られず夏瀬温泉に戻り、本日の宿、湯ぽぽに急いだ。
なんとか居酒屋の時間に間に合い田沢湖ビールは飲んで温泉に入った。
 

朝、目覚めると台風は既に通過していたがまだ風が強かった。
ビバークにならなくて良かった。
翌日は鮎を食べながら南下し、夢の国の鳴子温泉に泊まり、出張中のトッシーと別れて甲府に戻った。

       

 

↑ 防風の山頂

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