乗鞍岳:岩井谷本谷

2017年8月12日〜13日

 

岩間 他1名 みー(記)

 

 

お盆の天気予報は相変わらず梅雨明け以降と同様に雨が多く関東・東北は天気が良くないので南アルプス・北アルプスの西側に行く事にした。

前日に移動して林道を偵察に行った。平湯の森でお風呂に入って、雨を避けられるところを探してテントを張って寝た。

 

8月12日

天気予報は、早朝は晴れでその後に雨のち曇りであった。

5時に起きて、車で籏鉾から林道に入りゲートまで移動。1パーティー入っているようだ。

出発時は、本当に天気が悪くなるのだろうか?と思われる晴天であったが、林道を歩いているうちに天気はどんどん悪くなり雨が降り出した。

入渓予定だった林道が岩井谷を横切るところに着いた時は本降りとなり雨宿り。

転戦するか検討したが雨も止んで少し青空が出てきたので続行する事にした。

橋から沢を覗くと増水して水量が多いので、さらに林道を歩いて上流から入渓する事にした。

林道は綺麗に整備され「緊急避難路」と看板があったが、どこから避難してくるのだろうと不思議であった。

整備された林道が突然終わり、踏み跡のようになったが目印はついている。その頃からまた雨が降り出した。

間もなく踏み跡が岩井谷を再び横切り、身支度を整えているとまた本降りになった。

木陰に入って雨宿りをしていると、なぜかすぐ上で声が聞こえてびっくりした。

先行パーティーはこの雨の中を下から遡行してきたそうだ。沢から少し外れて雨宿りをしていたのでお互い気付かなかったようだ。

この上の小滝帯は増水で通過できず、大高巻きするため戻ってきたとの事。

 雨が小降りになったため、私達も入渓。

小滝群を見に行ったら、腰まで浸かれば次の小滝は通過できそうであったが、その先がわからないので、私達も高巻きする事にした。

もともと踏み跡はなく、先行パーティーの踏み跡はすぐにわからなくなった。

一度は早く下りすぎて度登り返し。なかなかうまく下りられるところがなく、45分ほど高巻きに費やした。

クライミング仲間の女性は、初めての沢でいきなり高巻きの洗礼を受けてしまったが、普通に登山もしているしクライミング同様、度胸と根性があるので問題なし。

 苔むしたのんびりした沢の予定であったが、苔の上をザーザーと豪快に水が流れている。

その後は問題となるところはなく、ちょっとした小滝もあるが問題なく越え、先行パーティーを追い越した。

テン場を探しながら歩くが、一人であれば泊まれそうなところはいくつかあるが、3人で泊まれるところが全くなし。

2400m手前が地図上で開けているので、そこまで行く事にした。

 しばらく歩くといくつか小滝が出てきて、ナメが続くようになる。

増水がなく晴れていれば、苔むしたナメの上をサラサラと水が流れて綺麗だろうと思われるこの沢のハイライトだ。

水流が強く、上からシュリンゲを出してもらいナメ滝を越えると湿原だった。

 なんとか、泊まれる場所を見つけテントを張った。

流木も全くなく、焚火もできない。太陽がでてきたのでカッパや濡れた服を干した。

とても綺麗なところであるが、薄緑の小さい羽根虫が乾かした服やタープに群がり、その数は数百匹単位で群がっている。

刺してくる虫でないし、小さいので問題ないが、おびただしい数に驚きだった。

 焚火で料理のつもりが、焚火はできず。

しかも私が間違って使いかけのガスを持ってきてしまった。

明日の朝、暖かい飲みものが飲めるだけはガスを残して工夫して料理し、一部料理は諦めたが・・・

「そうだ、着火剤がある!!」ダメ元でミノを焼いてみたらすぐに焼けた。残り火でお湯もわかして暖かい紅茶を作った。

 

 

8月13日

心配した天気も問題なく早朝から晴れ。

2400mの二俣を右に入る。

とにかく、水が冷たい。3000mの山から流れだす沢なので仕方ないが、足が冷たい。

あっけなく水がなくなるが、また少し水がでてきた。

雪渓がところどころ残っていた。更に右俣に入り稜線を目指す。

大岩が積み重なったようだ沢で落とし穴に気を付けて歩いていくと稜線の登山道に出た。

 千町尾根の登山道では全く人に会う事がなかった。

静かな登山道を歩いていき、乗鞍山頂を見上げると山頂渋滞の人達が見えて驚いた。

山頂で簡単に記念撮影をして、お盆真っ只中の登山客でにぎわう登山道を下って畳平に下りた。

 畳平からほおのき木平行のバスに乗り、ほおのき平からタクシーで車を回収に行った。

とても綺麗な沢ですが、禁漁で泊まり場がなく、もちろん焚火もできませんので、行動時間は長くなりますが日帰りがベストでしょうか?

 

 この山域は、地元で遊歩道整備をして有料ガイド付きツアーを出している区域を通過します。

沢登りは多めに見てくれているようですが、無用なトラブルを起こさないようしたいものです。

 

1日目

ゲート(6:22)−(7:58)林道岩井谷横断点雨宿り(9:00)−(10:22)入渓―(14:40)テン場

2日目

テン場(6:50)−(9:02)登山道―(1:42)乗鞍岳山頂−(1:55)畳平

 

       

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