保呂内沢 西ノ股沢〜本流下降

 

2013年9月21日〜22日

 

岩間  みー(記)

今年は東北の天気が安定せず、今年初めての東北となった。

金曜日に仕事が終わってから、いつものように中央道〜圏央道〜関越道〜北関東道〜東北道と乗り継ぐが、天気も良い3連休で車は多い。

那須高原で仮眠し、翌朝出発するが、仙台あたりで事故渋滞にあってしまった。

古川インターを出て、途中のスーパーで牛タンを買う。宮城の牛タンは山梨のポテトチップのような牛タンと違って厚切りなのだ。

鳴子から鬼首を過ぎ、岩入に向かう。岩入から花山方面に少し走ると道はダートになるが、意外と車が通る道である。

 「盗人滝へ至る」の木の標柱があるところに車を停める。

地元の人達がミズナのむかごを採りにきていた。その人達が「盗人滝への道は崩れて通れない。」と言っていた。

 

8月21日 晴れ

崩れて通れないと言っていた道は、人が歩くには何の問題がないが、車では無理だなーと思って歩いていくと、

入渓点近くまで軽トラが2台入っていて驚いた。

 身支度を整え本流に入る。入渓直後は、この夏の大雨で沢はかなり荒れている。

暫くすると、マイタケおじさんが2人下降してきた。今日は西ノ股、明日は本流沿いにマイタケ採りだそうで、今日は収穫あったそうだ。

この辺りにはトラック道とかキノコ道とか地元の人達が歩いている道があるという。

 マイタケおじさんと別れて少しすると、沢はだんだん綺麗になってきた。

たおやかに流れる保呂内沢は、虎毛沢の雰囲気に似ている。

右岸が崩れて岩がゴロゴロしているところを過ぎると、グリーンタフが出てきてとても綺麗で癒される。

 左からナメ滝を持った沢を過ぎるとV字ゴルジュのようになって更に綺麗だ。

ここから竿を出しながら歩いていくが、グリーンタフの川床が綺麗に見えて、魚はなかなか釣れない。

小滝を2つ持ったゴルジュは左からへつる。上には下降時に懸垂した残置があった。

 西ノ股の出合となりテン場を探す。西ノ股は平なところはあるが、なんとなく藪っぽいので、2人なので広い場所も要らないため出合に泊まる。

今週頭に台風が通過したせいで、流木が流され、焚き木集めが大変であった。

今日は秋らしい晩ごはん。イクラもいっぱい取れました。

(今日の晩御飯)

  鯖缶入りみみ、岩魚の塩焼き、岩魚のいくらの醤油漬け、ミズナのむかごのワサビ和え、厚切り牛タン、ベーコン、じゃがバタ

  

<コースタイム>

 盗人滝入口(11:45)−(12:13)入渓点―(13:05)左からナメが入るところ―(13:58)西ノ股出合

 

 

8月22日 晴れ

 夜遅くから雨が降っていた。朝もまだ小雨が降っていた。

出発の準備をしていると、上から「オーイ」と声がした。まだ7時前というのに、昨日のマイタケおじさんだ。

この上にキノコ道がある事を教えてくれた。

 ナメで始まる西ノ股は本流と違って魚影が濃い。

フリクションのいいナメを歩いていくと大滝となり、左の潅木帯を登る。

しばらく蛇行を繰返すゴーロが続く。ミズナラがたくさんある。マイタケおじさんは、昨日はトラック道からこの辺りにマイタケ採りに来たのだろうか?

この辺りには、ビバーク適地がたくさんある。熊避け鈴を忘れてしまったので、時々、笛を鳴らしながら歩いていく。

 雨はすっかり止んで青空が出てきて、やがて両岸がスラブとなると、滝が次々と出てくる。

最初の滝は右から登り、次は直登する。

2段の滝は1段目を容易に越えるが、岩間が2段目を左から登ろうとするが、最後がスラブで一歩がでない。

やや左の潅木を登るが、やっぱり上が良くない。

今度は右から登ろうとするが、今週頭に台風が通過してまだ水量が多くて、登りやすいところは登れない。

右壁にピトンを見つけ、岩間がロープを付けて空身で水流がないところを登る。

その次の滝は簡単に登り、次のスラブ滝は上からロープを出してもらった。

その後は特に問題なく登っていくと、いつの間にか一枚岩のナメとなっていて、最初の二俣も両俣ともナメで流れ込んでいる。

ここは右俣に入るが、ここからもずっと一枚岩の一連のナメ滝で、一部傾斜がきつい部分もあり、下を見るとなかなかの高度感だ。

延々とナメ滝を登り、次の二俣を右に入ってもまだまだ続く。こんなに長く一枚岩が続くのはゼニイレ沢以来だ。

稜線が近づき、沢形がなくなる直前まで一枚岩は続いた。

沢型がなくなり、山猫森の山頂を目指す。濃い藪ではあるが、山頂まではそんなに距離はなかった。

本流に下るために、山頂から北上してコルまで行こうとしたが、笹が生えている方向を横切る形になってしまう。

これでは時間がかかってしまうので、本流に向かって下っていく事にした。

途中で滝が出てきて懸垂を一度した。その後はどんどん下っていくと伏流となり、また沢は蛇行を繰返すようになった。

時折、美しい青いナメが現われるが、ゴーロ歩きは長い。

まだかまだかと歩いていると2段の滝が現われ、2段とも懸垂で下りた。

この滝を過ぎたら、間もなくテン場だ。

テン場を撤収し、ゴーロ歩きにうんざりしているし、時間が短縮できるキノコ道を探す事にした。

15分ほど探してキノコ道を見つけ、キノコ道を歩いていくと、途中で本流に出た。

西ノ股出合から入渓点まで45分程度のいい道であった。キノコ道は本当に便利な道だと思った。

車に戻り、予約した鳴子温泉に向かう。泉質が違う源泉が4種類ある旅館である。

一泊二日で4種類の源泉に入るのは、なかなか慌しい。そのうちの一つは単純泉と書いてあるが、鉄分が多く赤みを帯びた温泉であった。

赤く濁っていても「単純泉」なのか?単純泉とは何なのか湯人さんに聞いてみたい。

 

<コースタイム>

 西ノ股出合(6:53)−(9:46)最初の二俣―(10:58)山猫森―(14:29)西ノ股出合(14:53)−(16:17)車

 

翌日は渋滞に遭わないように、8時半には鳴子を出たが、鶴ヶ島近くで渋滞に遭ってしまった。

中央道の登りの酷い渋滞を見ながら帰った。

 

 

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