湯檜曽川本谷

 

2012年9月15日〜16日

 

岩間、  みー(記)

 

 

 ←水が少ない!

 

 

 

16日〜17日でチャンセン達が湯檜曽川本谷に行くと言った。

その話を聞いたら、私達も湯檜曽に行きたくなってしまった。

金曜日の夜、仕事を終えてから山梨を出発して水上に向かう。三連休前夜とあって中央道は交通量が多かった。

白毛門の登山口に車を停めてカヤライズを張って仮眠をする。朝方は少し寒かった。

 

9月15日(土) 晴れ 時々 曇り

目覚めると天気はいまいちで、空は天気が不安定な時の独特の雲がかかっていた。

身支度を整え、湯檜曽川の右岸に続く登山道を歩いていくと、すぐに車通行止めとロープが張ってあった。

ロープのすぐ先で路肩が崩れているだけあったが、そうとは知らなければ、やっぱり入る事はできない。

 9月とは思えない暑さの登山道を歩いていき、水が全く流れていない武能沢を下っていき、本流に出る。

利根川の八木沢ダムの貯水量が例年の40%程度とあって、水量は少ない。

 6m魚止めの滝の左壁を、残置を掴んで登って小滝群を巻く。でも上から見たところ、今年の水量では苦労なく水線通しに行けたかもしれない。

小滝群を巻き終わると穏やかな河原となり、綺麗な岩床が出てくるようになると白樺沢出合となる。

大きな淵とナメ滝とナメ床が続くが、平水であれば泳いでとりつくのかな?と思うような淵もあった。

 沢が右に曲がると赤淵の長いトロが出てくるが、胸まで浸かるが全く泳がず歩いていける。しかも今年は夏の暑さが続いているので水も冷たくない。

その次のトロもピョンと一越えの泳ぎで越えてしまった。

当初は巻く予定だったトロだが、これでは水線通しの方が明らかに早い。

沢が左に直角に曲がるところにかかる滝は、滝の3級程度の左壁を登る。

正面に抱き返り沢にかかる大滝も水量が少ない。今年の十字峡はちょっとさびしいかも。でも、白い岩床は発達して明るく綺麗な沢だ。

十字峡を過ぎたゴルジュの中になるCS滝の頭上はるか上に残置がある。

平水時はそれを使ってへつるのだろうが想像できない。今日は足を伸ばせば胸下まで浸かるだけで水線通しに簡単に越えられた。

ゴルジュの中のトロも歩いて通過・・・

抱き返りの滝は中段まで登って、左の踏跡から巻く。

途中から岩床になった枝沢沿いに登り、岩床の基部みたいなところをトラバースして沢に下りる。

今回は大嫌いな白毛門の下りもあり、2泊でのんびりの予定であったが、頻繁に休みをとっても水量が少ないので工程が早い。

七ツ小屋沢の出合も過ぎ、二日分の食料とお酒を持って大滝を越えるのは大変なので、テン場を探しながら歩いていたが通り過ぎてしまった。

10mの滝は右から取り付き、コンタクトを流さないように、ゴーグルをして滝の裏を水を浴びながら通過する。

下から見たらロープなしでいけそうであったが、2泊分の食料とお酒をたっぷり詰めたザックは重く、左上するバンドが終わったところから、岩間が空身で登り、荷揚げをして抜ける。

 次に現れる赤い岩床の滝は左から簡単に登ってしまったが、2段目の滝が悪い。一段目の滝から2つとも右から巻いてしまえば速かったかもしれない。

2段目の滝も、岩間が空身で登って荷揚げをする。

40m大滝は2段目まで登り、三段目は上からロープを出してもらって登り、滝の落口に向かってトラバースするが、このトラバースは踏跡がしっかりついている。

大滝を越えた上からテン場を探しながら歩いていくと、すぐに焚火の跡があり、左岸の踏跡っぽいところを入っていくと立派な整備された道があった。

この道は送電線の巡視路らしい。道も広く平らで2人が寝るには充分の広さがあり、ここで泊ることにした。

焚き木集めには少し苦労はしたものの、食事と服を乾かすには充分な流木を集める事ができた。

焼肉・手巻き寿司・トン汁と豪華な食事を食べて眠りについた。夜遅くには雷雨となり、激しい雨が続いた。

 

<コースタイム>

白毛門登山口(6:50)−(9:06)武能沢入渓―(11:12)七ツ小屋沢出合―(14:07)大滝上テン場

 

 

9月16日(日) 晴れ 後 曇り 後 小雨

朝起きると、昨夜の雨でガスっていた。

前日のトン汁を雑炊にして朝食を済ませる。

天気もあまり良くないし、昨日も予定より上まで来てしまったので、もう一泊しないで下山する事にした。

昨夜の豪雨で少し水が増えている。峠の沢も気付かずナメと小滝をいくつか越えていくと二俣となる。

二俣は良いテン場であるが、源頭が近いため流木は少ない。

今日はゴーロが多くなるが、沢は明るく、ガスもとれだして綺麗だ。

沢はだんだん傾斜を増し、振り返ると清水峠が見える。

この水不足で朝日岳直下に水が出ていない心配もあり、晴天の下山に備えて2リットルの水を補給して登っていく。

沢はネマガリが覆いかぶさっているものの、藪漕ぎまでいかない。

以外と長い時間、笹に覆われた沢筋を歩き、背の高い這松が現れるようになり、傾斜が緩くなってくると登山道は近い。

 登山道に出るとナルミズ沢から来たと思われる2パーティーと会う。

稜線に出た頃から、だんだん霧が出始めて、晴天の中を下りなくていいのでほっとする。

白毛門の下りは今回で5回目となり、もううんざりである。そのうち何回かは雨でヌルヌルの登山道を転びながら下った。

ガスの中を黙々と歩き、雨も降り出しそうなので、途中で汲み上げた水も半分以上こぼして、ペースをあげる。

キャニオニングツアーの人達の奇声が東黒沢の方から響いてくる。

樹林帯に入って暫くして小雨が降り出してきた。登山道がヌルヌルになる前に下山できて良かった。

 駐車場で軽く着替えて、湯テルメに向かうが、駐車場待ちの車が繋がっていて、いつになったらお風呂に入れるかわからないので、月夜野の「風和の湯」500円に行った。

今度は関越に乗ろうとしたら、関越もすごい渋滞なので、軽井沢〜佐久経由で自宅まで戻った。

 

 湯檜曽本谷は予想以上に明るく綺麗な沢で、ナメも登れる滝も多く楽しかった。

人気の沢である事が納得できる沢であった。白毛門の下りさえなければ、また来たい沢だ。

 

 

<コースタイム>

 テン場(6:37)−(10:00)奥の二俣−(11:28)登山道―(16:15)白毛門駐車場

 

 

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