新南部 鶏冠山

            

 

  2014.12.30 ~ 2015.1.1

         

        

 

           雪稜 :岩間 細田 みー(記)

 

 

 

 

   

 当初は28日(日)出発で南駒ヶ岳に行く予定であったが、29日に子玉低気圧が通過し、その後に太平洋側まで雪を降らす強い冬型になるという予報のため、行先を寒気の影響が少ない深南部に変更。

深南部の山の標高は高くないが、標識や看板も目印も少なく、歩きやすいように枝や倒木を切る、ロープを張る等の整備がされることも少ない昔ながらの登山道だ。

雪が積もると訪れる人も少なくためトレースもないため、ラッセルあり、地図読みやルート取りも必要になり、なかなか面白いのである。

 

 12/30(火) 小雪

 朝5時に竜王役場に集合し、中央道から飯田に向かい、新しく伸びた南信三遠道で天竜峡I.Cで下り、下條村経由で南から遠山郷に向かう。

以前は、飯田I.Cで下りて矢筈トンネルを通って遠山郷に行っていたが、南信三遠道経由の方が道は良い。

 

 和田の町を通り、小池の集落から林道に入りヘアピンカーブになっている標高650mくらいからでている登山道を登るつもりであった。

路肩が広くなっているところで準備をしていたら、地元の狩猟の車が何台か入って来たので、岩間が話かけたら、林道でもっと上まで行けると言われた。

「この林道は俺達が作った林道だから地図に載っていない。」との事。林道がダートになるが、最初の二俣は左、次は右、左と分岐を入っていくと教えてくれた。

途中で大きな石が転がっていたため、そこで車を停めることにしたが、登山道と交差する標高1050m位まで上がった。

 

標高を稼いだおかげで歩きだしから雪があり、雨ではなく雪となった。天気予報は晴れだったはずが・・・

林道は続いているようであったが、地図通りに稜線にあがった。

登山道らしき稜線には赤テープはないので、下山で尾根を間違えて下りないように、現在地を確認し間違えそうなところには赤布を付けていく。

大岩のある小ピークを越えると林道があり、「なんだかな~、このまま林道歩きで稜線まで行っちゃうんじゃない?」かとも思った。

しかし、小さい道祖神が祭られた1175mのコルで一休みし、暫く林道を歩いていったが途中で林道が崩れていて引き返す事になった。

 コルの手前まで引き返し、1440mのピークの登りは急登で地面が凍っている。

私はルートファインディングを誤って身動きとれなくなってしまい。岩間に助けてもらってピッケルとアイゼンを途中でつけて事となり時間を費やしてしまった。

1440mのピークには鹿よけネットがあり、小さな標識がぶら下がっていた。

しばらくは鹿よけネットに沿って歩いて行くが、そのうちネットと離れて行き、緩やかなカラマツの植林の中の道となる。

シャクナゲ沢登山口に下る分岐の少し先に、北風が当たらない平地があったので、今日はここで泊まることにした。

ここで二泊するので、少し丁寧にテントを張った。水を作って、山梨でいう煮かつを食べて寝た。

   

<コースタイム>

    車停め(1005) ― (1315)1440mピーク -(1453)テン場

 

 

 12/31(水) 晴れ

朝、5時に起きてテントから出ると星が出ていた。お雑煮を食べて出発。

植林の林は、やがてシラビソの天然林に変わり、ゆったりとした尾根を歩いていく。

私は、1696mの小さい岩峰からアイゼンを付けた。

1872mの登りは、細田さんのナイスルートファインディングで左から岩峰を巻き、藪のない急な雪面を登って小ピークにあがる。

この小ピークを越えると雪は増え、膝ラッセルになり、深いところは股下になってしまったのでワカンをつけた。

藪をできるだけ避けながらのラッセルは時間がかかる。あわよくば中ノ尾根山まで行こうと思っていたが、鶏冠山までいくのがやっとであった。

稜線がガスっていて、池口岳の山頂や中ノ尾根山は見えなかった。

 記念撮影をして、同じ道を下る。自分達のトレースがあるので下りは全く困らない。

帰りはテン場まで長かった。なんども出てくる小ピークの登り返しが嫌になってくる。

今日は午後から雪かと思っていたが、行動中は天気が持ったが、テン場に戻るといつの間にか曇りになり、夕方には雪が降り出した。

水を作ってシチューを食べてまだ6時。やる事がない。うだうだしていたが、やっぱりやることがなく8時に寝た。

 

  <コースタイム>

    テン場(715) ― (945)1872mピーク -(1248)鶏冠山 - (1543)テン場

 

 

 /1(木) 雪

朝5時過ぎに起きて、カレーうどんを食べてテント撤収。

撤収の時は雪が止んでいたので良かったが、テントがバリバリに凍ってポールとも張り付き凍っていた。

出発して間もなく雪が降り出した。昨日のトレースは消えかかり、昨日つけた赤布を回収しながら、地図を確認しながらの下山だ。

尾根が南西に向きを変える辺りから、横殴りの雪となった。といっても樹林帯なので問題なないのであるが・・・

1440m小ピークからの下りはアンゼンを付けて下り、道祖神の広場に下りる。

そこから林道を歩いて帰ろうと思ったが、途中で林道が二俣に分かれた。

右に行けばそのままでられたのかな?

左にいったら、林道は大岩があるところで終わっていた。尾根を越えて、最後の赤布を回収し車まで戻った。

 雪道を和田の町まで下るのも核心、滑って崖から落ちたら大変。運転お疲れ様です。

 

  <コースタイム>

    テン場(756) ― 道祖神の広場(943) - (1047)車停め

 

 「かぐらの湯」は思いがけず正月も営業していた。

塩素臭かったが、低温風呂はゆっくり身体を温めるには丁度良い暖かさ、飲める温泉や箱蒸し、ジェットバス、サウナ露天風呂と施設はいい。

箱蒸し初体験で、塩素風呂にもかかわらず温泉施設を満喫。(男風呂には箱蒸しがなかったと言っていた)

食事するところなないので、コンビニまで我慢。

 帰りも雪がよく降っていて、中央道はチェーン規制であった。

天気にはあまり恵まれない年末年始であったが、なかなか楽しい山行ができて良かった。

 

快適なテン場

緩やかな気持ちの良い尾根

藪と雪のラッセル

 

 

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