北岳バットレス:4尾根

 

 

    2017.8.27(日)〜29(火)  

 

  先行:岩間+川島(60mシングル)

 

 後続:辻+みー(50mシングル) 

 

         

無雪期には沢登りばかりの当会であったが、クライマー気質の新人が入会し、25年以上ぶりにバットレスに行ってみようとの話になった。

大規模な崩壊があってからC沢とD沢の中間尾根から取付く方法もあるらしい。

1週前に4尾根に行った山梨アルパインクラブの方から取付きへの行き方を詳しく教えてもらったのだが・・・

 

 8/27

芦安朝8時のバスで広河原に入り、御池小屋に向かう。

テントを張って、2人はビールを飲みながら晩御飯に支度をするというので、川島さんと私で偵察に行く。

バットレス沢には大岩にペンキで何か書いてあった。BUTTRESSって書いてあったのか?

今回はC沢だけに水が流れていると聞いていたので、C沢はすぐにわかった。

「C沢を過ぎたら、登山道が枝分かれてしているので一番右(山側)の登山道を登り、2本の布が引かれた鏡餅みたいな小さいケルンがある。

右を見渡すと白い落石注意の看板があり、その右2m位に踏み跡がある。」と教えてもらったのだが、ガスでさっぱり見えない。

どこを歩いても看板ないし、ちいさいケルンは見当たらない。

方向的にこっちだろうと、古い赤テープがついていて枝分かれしている登山道のように見えるが登っていってみる。

すぐに登山道ではないとわかる踏み跡になり、C沢を右に見ながら真っ直ぐ上に登っていく。

どうやら中間尾根だと思われるが、ガスで全く見えず中間尾根との確信が持てない。

下るにしてもあまり良くないので「たぶんこれだろう。」という事にして下ってきたら川島さんが足元に「落石注意」の看板があるのを見つけた。

2往復したところだったのに、なぜ看板は見つからなかったのだろう。

一気に安心して、どっと疲れがでてしまった。

中間尾根の取付きにガチャとロープをデポして御池小屋に戻った。辻さんが担いできた豪華な晩御飯と生ビールが美味しかった。

 

8/28

朝3時半に起きて、4時前にはヘッデンをつけて出発。 

二俣に出るとすでに先行者のヘッデンが見えた。

C沢につく頃にはすっかり明るくなり、C沢で水を汲み、朝ご飯を食べた。

C沢を渡たり一番山側の登山道を少し登ったら(これはD沢の右岸に沿ってついている)落石注意の看板がすぐにわかった。

昨日もガスがなければ、簡単にわかったのだろう。

デポした装備を回収し、狭いD沢を横切って踏み跡に入りどんどん登っていく。

やがて平原のようなところに出て視界が開け、2人組がDガリー大滝に取付いているのが見えた。

私達も身支度を整え、先行は60mシングルで後続は50mシングル。フォローが2人分の荷物を背負いスタートする。

 

下部岩壁1P目

先行は左上するバンドを登り、左から登るが出だしが悪そうだった。途中でピッチを切っていた。

私達は簡単そうなもう一つ右から登った。

もう少し登れば大滝上の終了点まで行けそうであったが、「後5m」とコールがあった。

しっかりした支点はあったがトップを入れ替えるには狭いので、セルフをとって辻さんにバンドの上まで登ってもらい1P終了点まであがった。

 

下部岩壁2P目

先行が60mロープいっぱいで終了に届いたようなので、50mロープの私達はコンテでいけるところまで登った。

辻さんはコンテなので荷物はそのまま背負ってくれるというので、ありがたくそのまま荷物を背負ってもらう。

 

下部岩壁3P目

2か所くらいピトンがあったらしいが、全く気付かずランニングなしで登る。

 

下部岩壁:横断バンド1

先行は60mロープいっぱいでピッチを切っていた。

3P目終了点から数m右に支点があると先行が教えてくれたので私達は移動し、そこからスタート。

辻さんはトラバースだからそのまま荷物を背負ってくれるといってくれ、ありがたく甘える。

ハングしたところを潜ったところでピッチを切る。

 

下部岩壁:横断バンド2、C沢

その先のトラバースは安定しているためコンテで歩き、C沢のガレもそのまま壁沿いに登る。

 

下部岩壁:ヒドンスラブ

先行はスラブ上の灌木の右から上がり、右にトラバースしていき4尾根テラスに出る。

私は登りやすい灌木の左から上がってしまったので、ロープの流れが悪くなりピッチを切る。

トラバースは悪くないのでコンテで4尾根テラスにいった。

 

4尾根:1P目

出だしはクラック。クラックの心得はなかったが、沢登りの時に足を突っ込んで登るように登る。

アクアステルスはヌメりに弱いので、よくクラックに足を突っ込んでいたのが役に立ったのか?

 

4尾根:2P目

辻さんがこれくらいだったら荷物背負ってリードできるというので、すっかり甘える。

その後も一人にずっと荷物を背負ってくれ、城塞ハングもリードする事になるのであった。

 

4尾根:3P目

記憶にないので悪くなかったのだろう。

 

4尾根:4P目

短いがV級といわれる核心の手前でピッチを切る。

だんだんガスが上がってきて嫌な予感がする。

 

4尾根:5P目

出だしが悪いが、男性より指が細いので、狭いクラックにも指が入り垂壁を越える。

後で聞いたが右手を伸ばすとガバがあるらしい。(私のリーチで届くかわかりませんが)

マッチ箱の頭までのリッジは支点が少なくて怖かった。

ピラミッドフェースからフリーソロしてきた人に先に行ってもらう。

 

4尾根:6P目 マッチ箱のコル懸垂

「懸垂嫌だ。辻さんに先におりて欲しい。」という大きな呟きにこたえ、辻さんが先に下りてくれた。

コルで先行を待っている時に雨がパラパラとしてきた。

本降りになったらどうしよう、下降?それとも上に抜けるかどうしようと話をしているうちに雨は止んだ。

 

4尾根:7P目 枯れ木テラスへ1

先行は60mロープなので一気に抜けたようだが、私達はピッチを切る。

しかも私が変なところからルンゼに下りてしまった。フォローの辻さんが万が一落ちたら思い切り振られて大変な事になっていた。

大反省。

 

4尾根:8P目 枯れ木テラスへ2

ルンゼの中はランニングが一つもない中、荷物を背負った強い辻さんリード

 

4尾根:9P目 崩壊地トラバース

なんだこのトラバース。確かにガバっていえばガバだけど、反対側は切れたっているよ。

トラバース終了手前で岩離れているし。

怖くて跨げず、反対側に一度おりて、ランニングをとって越える

 

4尾根:10P目 城塞ハング

先行がヌンチャクを残しておいてくれた。

見た目よりずっと悪い。狭苦しいしハングしてる。

辻さん荷物を背負ってリード。思いザックが邪魔をして思うように体を動かせず大変そうだった。

 

終了点で装備を解いて、明確な踏み跡と辿って登山道に出て、北岳を通過して肩の小屋へ

肩の小屋でのんびりしてから御池小屋に下る。

辻さんは今日の下山はあきらめ、宴会となった。

 

8/29

 朝3時に起きて広河原に下り、朝一のジャンボタクシーで芦安に戻り、辻さんはそのまま仕事に行った。

 

 

 渋滞はなかったが、朝4時に御池小屋を出て、終了点に着いたのは13:30頃であった。

視界が良くて一度来て状況がわかっていれば、もう少し早く抜けられたと思いますが、とても楽しい3日間でした。

 

 

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